その変更は私のせい?
昨夜の出来事があった次の日、ミーシェは兄さんと共に学園の屋上にある移転陣から姿を表し変わらぬ日常を送っていた
そのいつもと変わらない風景に一ヶ所だけ異様な空気を醸し出している二人がいた
「ミーシェ、昨夜の何があった?」
「何も起こっていないと思いますわ」
廊下で人々が遠所がちに見ているのはこの二人のせいだった
「昨夜、ミーシェの部屋で話し声が聞こえた」
ミーシェは涼しい顔をしながら首を傾げ
「……私の声ですか?」
「そうだよ。ミーシェと誰かの声が聞こえた」
ミーシェが暴露すると踏んで優しく言う兄に気づかれないようにこっそり、ため息をつくと
「……と言われても私はあの後寝ていたので、寝言かもしれませんわね」
防音魔法とか複数かけているのに聞こえるわけがないのにね
ヴライアンは怪訝な表情を浮かべ
「何で本当の事を話してくれないんだ?」
ミーシェは澄ました顔で
「本当の事を話すも何もお兄様が、何故そう問い詰められるのか私には分かりませんわ」
例え兄さんが隠密を使っていたとしても彼が見張られていることに気づかないわけがないし、私の張り巡らせた魔法を消すことが出来る分けないしね
「………」
黙りこんだ兄さんを横目で見ながら
「それではお兄様、また放課後に」
と言って教室に入ろうとすると兄さんに手を引っ張られ人気が少ない廊下に連れていかれた
いったいこんなところに連れてきてどういうつもり?
ミーシェが口を開く前にヴライアンがミーシェが逃げないように右手は繋いだまま左手を壁にあて己と壁でミーシェの動きを止めた
……………これって俗に言う男の人にされたらキュン!ってなる壁ドン?兄妹でされてもねぇ~
ミーシェが遠い目をしていたら耳元で
「予定変更だ、今日のうちに合流地点で宿をとる。俺を街へ移動させお前は、荷物を馬車に運び森へ入ったら移動魔法を展開させ馬車ごと俺を目印にして来い」
ミーシェはチラチラ見てくる視線にため息をついてから、兄さんの首に腕を回し更にお互いの距離を近づけると回りから息を呑む声が聞こえた
「了解。お兄様を送ってからリミットは1時間で過ぎ次第、私も移動いたしますわ」
兄さんが私の腰に手を回すとお互いの距離がなくなり二人ともが肩口に顔を置くと
「なっ!!!ぉおまえら!ま、まさか!!!」
と言った声が聞こえ兄さんは軽くため息を吐くと
「分かった」
と言ってそれを合図にお互い距離を取り声の主に向くと兄さんが軽く礼をしてから
「これはこれはアミール様。兄妹の親愛を深めていただけですが、何を勘違いしたのですか?」
アミールは顔を真っ赤にさせながら
「こ、こんなところで、兄妹愛を確かめ会わなくてもよいだろう!」
まぁ、確かに人目が有るところでやることでは無いしアミールの方に一理ありかな。あっ!兄さんが一瞬目を光らせたわ~面倒ごとに成りそうね
「アミール様、あれはお兄様のおふざけですわ。私達の間にはやましいことなんてありませんもの」
まぁ実際、兄妹の間では疚しい事はないけど裏の仕事をしている事がばれるのは困ってしまうけどね
「……そうか、兄妹のじゃれ合いだったのか」
納得した風に去っていく彼を見ながら、兄さんに密かにアイコンタクトを送りお互いに教室へ戻った
HRでは既に対戦トーナメントが貼り出されていた9枚の紙に壱~玖の文字がふられ
壱―F A,1―1~1―3 弐―G A,3―1~3―4
壱―E B,1―4~1―6 弐―T C,3―4~3―6
参―Y A,1―4~1―6 肆―D B,3―4~3―6
参―S C,1―4~1―6 肆―U A,3―4~3―6
伍―K B,1―1~1―3 陸―H A,2―1~2―3
伍―L C,1―1~1―3 陸―V C,2―1~2―3
漆―W B,2―4~2―6 捌―Z C,2―4~2―6
漆―P A,2―4~2―6 捌―R B,2―1~2―3
玖―S B,3―1~3―4
玖―M C,3―1~3―4
各9グループから1人ずつ優勝者を取り出す個人戦とブローチを交換しあったグループ戦の2回に分けて行われることになった
兄さんの馬鹿!可笑しなことになってるじゃない!!……ってまさか私のせいかも知れない!?
無表情で考えていると
「ミーシェ、これだと予選があると思うぞ」
アミールの言葉で、予選で負ければ………と思ったが来客をもてなしたりするなら勝たないと無駄に時間をとられることを思いだし
「……そうですわね」
生返事を返しながら内心頭を抱えてたくなった
「本選に出れるのは4人ってとこだな」
「……えぇ、そうですわね」
あぁ~どうしましょう!!兄さんと当たりたくないけどたぶんいいえ。確実に本選に上がってくるでしょうし…………仕方ありませんわね其なりに見映えのする演出を行えば、課題も無くなるわね……きっと
「俺とお前で本選トーナメントの決勝で戦うぞ」
「えぇ、そうですわね」
アミールの話を適当に返事を返していたら後になって気がついた。途中で負けることを許されなくなったことに
◇◇◇◇◇
授業が終わり次第、兄さんを合流地点に送りミーシェは宿に戻るなり小型バックに入るだけの物を詰め込むと外で待機させていた馬車に乗り込んだ
誰もいない森につくと馭者をモントヴルト家に送り届けた。魔法陣を書き時間通りに発動させると、同じ森でも町の光や声が聞こえる場所に移動していた
「ミーシェ、宿までは徒歩で行くけど……疲れてない?」
馬車にある荷物を兄さんが担ぎ上げ
「えぇ、大丈夫ですわ」
「じゃあ行くよ」
「えぇ」
馬車を移動魔法でモントヴルト家に送り届け星と町の光が照らす道を歩きながら本日止まる宿へ向かった




