模擬試合の仕組み
各自自主練が始まる中 ミーシェは自宅に戻っている兄さんに会いに行った
『トントントン』
「お兄様、ミーシェです。ご相談したいことがあるので入ってもよろしいですか?」
ガタン と言う音と共に
「僕の愛しいミーシェが僕に相談!?何があったんだいミーシェ!!今開けるよ……グハァッ!?」
何があったのかな?いつもと変わらない出来事に『グハァッ』ておかしな音が聞こえた気がするのだけど?きっと気のせいね。まさか自分が張った結界魔法にぶつかったなんておかしな真似はしないだろうしね
「お兄様?」
「………か、鍵は……開け、たよ…………」
『ゴトン』
今の音聞かなかった事にして出直そうかしら?………でも、もし瀕死なら助けないと
「お兄様、失礼致しますわ」
扉を押して中にはいると兄さんそっくりの物体が転がり床とお友だちになっていた
あら、兄さんは何処へ行ったのかな?あんなに瀕死そうな声を出してたから治療にでも行ったのかな。まぁ勝手にソファに座って戻ってくるのを待っておこう
兄さんの部屋は、余り物がおかれてなくゆったりとしたスペースになっていた。
きっと奥の部屋に本類が沢山積み上がっていると思うけど……にしても兄さんがあの後から何も策略してなければ良いんだけど、修正が掛かっているならなにかしでかすかも知れないから見ておかないとね。兄さん遅いな~かれこれ10分はこえてるって言うのにまだ戻ってこないなんて
「お兄様、いったいどこに行ったのかしら?」
「…………シェ。ここ……」
あら近くで声がするわね
ミーシェは辺りを見渡し先程の兄さんにそっくりな物体に目を向けた
「お兄様?」
「ミーシェ………」
………えっ?まさか本当に兄さんなの!
ミーシェは扉の近くに転がっている人形に近づき
「お兄様、何があったのですか?」
「……ぼ、防犯、装置………が」
なるほど防犯装置を設置していたことを忘れて扉を開けようとして電撃を喰らったと
ミーシェは治癒魔法をかけ兄さんが無事に起き上がったのを見てから腰にてを当て
「お・兄・様!あれほど私は言いましたわよね!防犯装置を着けるならうちからの攻撃でなく、外側からの侵入ようにした方がいいと!」
兄さんはその場で正座しながら
「確かに言われたけど……窓から入って物を盗まれても中で閉じ込められるから……ね?」
上目遣いで可愛くコテっと首を横にする兄さん。ミーシェは即座に扇子で顔を隠し
………ナニコレ!可愛い!!女の子がするとあざとくて可愛いって言うけど、兄さんがやってこんなに可愛いなんて!!
こちらの気も知らずに兄さんは、うるうる目で
「それにね、可愛い僕の天使が出るときに解除し忘れて怪我をしたら嫌だから………」
シュンとする兄さんをちらっと見ては内心で悶え脳内パレードが収まるのを待ってから扇子を下ろし
「お兄様、まず一つ目。防犯装置は外部から入って来る者に対して反応するのであって、登録してある人に関しては反応しませんわ。
二つ目は、私お兄様ほど鈍くさくありませんわ。装置に含まれている魔力は、私の魔力なので創作者に対して攻撃はしてきませんわ。
……三つ目 いい加減に魔力登録してくださいな!それをしない限り永遠と黒こげに成りますわよ!!」
「………僕、そこまで鈍くさいかな?そんな事言われたこと無いんだけど…この頃の可愛い天使は冷たい気がするんだけど………ブツブツブツ」
はぁ~またいらないスイッチ入ったかも。このままだと模擬試合の話の対策が進まないじゃない
ミーシェは彼の前にしゃがみ兄さんの両手を包むように握りしめ今にでも泣き出しそうな表情で
「お兄様、先程は言い過ぎましたわ ごめんなさい。お兄様の事が心配できつく言ってしまったのです。大切な親愛なるお兄様がお怪我を為されたからとても悲しいですもの」
ミーシェが下を向くと兄さんが手を離し抱き締めてきた
「ミーシェ!?泣かないでおくれ、僕の事をそこまで心配してくれてたんだね!!」
彼はミーシェをソファに座らすと紅茶とお茶請けにショートケーキを彼女の目の前に置き
「これミーシェが好きな店で買ってきたやつなんだけど、これを食べて機嫌を直してくれるかい?」
私、女優目指そうかな?兄さんの変なスイッチが切れたし好きなお店でわざわざ並んで買ってきてくれたんだから、これを食べたら話だそう
そう思っていると
兄さんが隣に座りフォークでケーキを一口サイズに切って彼女の口元へ持ってきた
へっ?ちょっとやだ!これって俗に言う『あ~んしてハート』って言う恋人達がやるやつ!?私にはハードル高すぎ!
「お、お兄様」
「うん?なんだい」
「じ、自分で食べれますわ」
「これはお詫びなんだからね。さぁ、 えんじょしないで お口開けて?」
これって食べ終わるまで続ける気?余計に進まない!!女は度胸よ!
「うん」
「はい、あーん」
うぅぅ~恥ずかしすぎる!兄さんは無駄に美形だから余計に恥ずかしい!!
「ミーシェ、美味しい?」
「う、うん。美味しいですわ」
本当は恥ずかし過ぎて味が分からないけど!!
「そう!良かった~はい、次ね。あーん」
これだけで精神ぼろぼろだよ。この後まともに話し合いができるかな………まぁとにかく今は、我慢してこの苦行を乗り越えることが先決だね。それにしても兄さんが何でこんな性格になったのか一番気になるよね~前までは、ここまで酷くなかったと思うんだけど………あっ!確か家出から帰ってきた後からおかしくなった気がする。でも、なにか変わるような出来事ってあったかな?
「ほらミーシェ、これが最後の一口だよ。ほらあーんして?」
ミーシェは無意識のうちに口を開け苦行を乗りきった
「ミーシェ、今日の学園生活はどうだった?」
兄さんの珍しい言葉で現実に戻ってきた
ミーシェは、キョトンとしながら
「今日の学園生活ですか?」
「そう!なにか面白いことがあったとか、気になることや勉強で分からないところがあるとか無かった?」
はて?今日の授業と言えば、魔法理論と実技。あと歴史学とHR だけだったはず……あっ!そう言えばHRの時、学園長が来ていた!
「お兄様、そう言えばHRのきと学園長先生が─────」
とあったことを話すと兄さんは笑顔で
「学園長潰してやろうかな?」
と恐ろしいことを言ったが、聞かなかったふりをして本題に入ることにした
「お兄様、その事でご相談があって参りましたの」
「へぇー学園長を潰すことの相談?」
あら~空耳かしらね?お兄様の口から怖い言葉が聞こえた気がするわ~~~きっと気のせいね
ミーシェは仕切り直して
「模擬試合で、お兄様と当たる可能性が出てきてしまうのです。その場合どうすれば良いのか、お兄様にご相談したくて……」
「大丈夫だよミーシェ。僕たちはブローチを交換しているからトーナメントで当たることは確実にないよ」
「そうなのですか?それは良かったですわ」
ミーシェは胸を撫で下ろし
「でも、どうしてブローチを交換した者同士が当たらないのですか?」
兄さんは珈琲を一口含むと話始めた
「それはね、ブローチを交換することで学年が上である先輩方が優位であることを示す為だよ。交換したもの同士は、他学年とは戦わないが同学年とは戦えるんだよ」
「それじゃ、高学年のお兄様達はブローチを交換した後輩がどれだけの実力があるか見ているのですか?」
「う~ん 観ている って言うよりも 競ってる って言うのが正しいかな?交換した後輩の実力が僕達先輩の実力だからね」
「どう言うことですの?」
「どう言ったらいいんだろう? 僕達が見られているのは どれだけ相手を見て育てることが出きるか それを今回のような技術で見る場合もあれば、頭脳を使ってやる場合もある。例えば、入学時の実技が良くても勉強がダメダメだったA君がいたとしよう。A君とブローチを交換した僕は、後期にある文化祭までにA君に学力をつけささなければならない。もし身に付かなければ、僕の指導者としての才はないまた人を見る目がないと言われる」
「と言うことは、ブローチを交換した後輩の失敗は先輩に被害が行くってことですか?」
「まぁそうだね。その逆もしかりだけど」
「と言うことは、ブローチを交換した者同士は味方のグループ戦ってことなのね!」
「そう言うことだね。僕と当たることは無いから安心して、試合を行ってね。……あっ!でも怪我だけはしないように気を付けてね?」
「ふふふ、分かっていますわお兄様」
「それなら良いけど」
ミーシェはソファから立ちあがり
「それでは、お兄様失礼致しますわ」
「気を付けてね」
兄さんはハグをすると頭を撫でてくれた。そして扉に触れ…………
『バタン!』
「………」
「……」
やっぱりこうなるのね
「……お兄様、自業自得ですわよ」
「…………」
再び床とお友だちになったお兄様を今度は放置して部屋を出た
さあ、どうやって戦おうかしら~魔法だけで行く?それとも剣だけ?魔法を剣に纏わせてもいいかも!
ミーシェはウキウキ気分で領軍の訓練施設に木刀と刀を持ち手合わせに向かった
手合わせを始めて8分後7000人以上いた領軍が床に屍の残骸のように転がっていた




