宰相 side
今回は、少し長めです
私は、いつもの如く与えられた席でバカ─でなくて国王の隣でで書類の仕分けや手伝いを行っていた。
トントントン。
「ファナチーク・マギアです。国王陛下、宰相殿入室を許可頂けますか?」
ノック音とともに入室許可を求めてきたので私は仕方無くとびらの前にいる騎士に目配りをした。彼は、合図を受けとると扉を開けファナチーク殿が入ってきた。
彼は、片ひざをつき謁見時と同じ様に頭を垂れると
「王立国際魔法学園の視察の時間が迫ってきております。本日の目的は、こちらに名を書かれている方々の実力測定になります。」
ファナチークは、移動魔法で紙をこちらまで運ぶと内容を読み上げていった
「先程の事はただの建前であり、本来の目的は ミーシェルミツキ・モントヴェルト様 並びに ヴライアン・モントヴェルト様の実力を再度確認し変更が必要か見直す事が目的です。その為、お2方のどちらかとブローチを交換されたブランドン・ダンドゥリオン様 並びに マックス・ヴィオレット様 が、本当に相応しいかどうかを確認するための企画です。ですので、近衛第一騎士団・魔法師団から上位5名ずつ選抜し連れていきます」
「分かりました。準備が整え次第裏門から出発します。後の準備は頼みましたよ。」
「はっ。宰相様の仰せの通りに」
彼が出て行き扉前に立っていた騎士を下がらせると
「あぁ~!愛しの天使の顔に怒りが点ってしまう!!事前に知らせてしまったら、どこぞかに隠れてしまう。可愛い天使も素敵だけど、凛々しい天使も見てみたいよね。そう思わないかレイ」
「はぁ~。そこまで来たら重症ではすまんな。チェスター、何故 穏和なミーシェ嬢が怒るのだ?彼女の事だから喜ぶはずだろう?」
喜んでくれるなら何度も行ってるはずだろうが。なにも分かっていない友人にため息をついてから
「ミーシェはね、極度に テリトリー内に人が入ってくる事を嫌うんだよ。僕だって、可愛い娘の事なら何でも知りたいさ。だけど、何を警戒しているのか分からないけど彼女─ミーシェは家族でさえも一線引いているんだよ。唯一その一線を許しているのが、専属の侍女の リリー・フリージア と マヤ それと何処から連れてきたのか知らないけど従者の チャーリー・プリュムベル この三人と後 もう一人 アスクル・ローム・レグルス・エマール」
軽く身仕度を始めていた国王は、動きを止め
「……まて、まさか アスクル・ローム・レグルス・エマール と言うとエマール帝国の影の守護者である第二皇子か?」
私でも承認出来るものにサインをしていきながら
「そうです。誰一人姿を見たことがないと言われている幻の第二皇子です。
彼女は、どうやって出会ったのかも言わず『ただ温室でお散歩していたら出会いましたわ』と言っていたよ。その後は、この話をまるで避けるかのようにエマール帝国の事について話さなくなった。」
私は、書類仕事が終わり風魔法で皺や髪型を直し白の手袋と腰に愛剣をさしレイと共に誰もいない廊下を歩き始めた。
「これでは、不味いかもしれん。ミーシェ嬢が、アミール以外の者と婚姻すれば治癒魔法が全国に知られてしまう。」
政略結婚とは言え、昔のように両思いならこんなに罪悪感は無かったんだろうな
「レイ。もしもミーシェがその方を好いているのなら僕は、君の命でも反するからそれだけは忘れないで。僕の一番はレイや国民ではなく家族だから」
「はぁ~、分かってる もしもそうなら一定魔法封じを着けさせればいい。絶対にお前とは殺り合いたくないからな」
重苦しく張り詰めた空気が漂うなか友に微笑み
「僕は、君を殺したりしないから安心して。もしもが現実になれば君を僕の隠し部屋て保護するよ」
「お前は、誰かの死を疎んずるからな。それが身近であればあるほどな」
近衛第一騎士団・魔法師団の隊列を視界に捉え二人とも話を切り上げた。彼らの前に行くレイの左後ろを歩きながらふと思った
ファナチークとシャークアは各団長だから居るのは分かるが、その他の者たちはミーシェの教えを説いている者が過半数を越えているとはね。流石ミーシェのファンクラブ。実力もかなりの者だしね
レイは、ファンクラブの事を知らないのか
「ミーシェル嬢の顔見知りが多い気がするが?」
ファナチークとシャークアは、苦笑いを浮かべ
「上位のうち副団長は、内容を伝えると倒れてしまい 5位の方も同じく倒れてしまいました。」
「こちらも情けないことに、腹が痛いと仮病まで使いだしたものがいたので特別訓練を与え雄志を募集したところこうなりました」
チェスターは予想通りの結末に頭痛がするが、眉を少し動かすだけで事を終えた。
「そうか。ミーシェル嬢大勢の者に好かれているのだな。」
と言い残し馬車に乗りチェスターも同じ馬車に護衛として乗り出発を促した。
王城から王立国際魔法学園までは、馬で5分少々で馬車では15分ぐらいで到着する以外に近いところに存在している。
レイは、ミーシェに会うのが久しぶりなためかいつも以上に浮かれて本当に鬱陶しいがチェスターも娘の学園生活や実力をこの頃見ていないため浮かれていた。
王立国際魔法学園に着くなり学園長殿の挨拶を適当に聞き流すレイに呆れ。学園長室で、水晶に魔力を注ぎミーシェの授業を覗いた。そのとたん僕は、怒りに任せレイと学園長を殴りそうになったがどうにか抑えた。己の行いのせいでもあると思ったからだ。
『ようやくサボリ二人組が来たか。私の授業を受けるつもりがもとからない者が暇潰しに来た。』
ミーシェは、流す事を選んだがアミールは椅子から立ち上がった。
『お前が誰かなど興味はない。だが、俺も彼女も国王様に変わり外交を行っていただけだ。その為、初回の授業に出席出来なかった それだけの事だ。けして、俺も彼女もサボっていた訳でわない。』
冷めた視線を向けるとレイは、珍しく青ざめていた
『ふん!その様なことどうでも良い。出席したかしていないかただその結果のみが重要で、それ以外は付属品にしか過ぎない。この際だ、お前ら二人を試してやる。』
王子の教育し直しが必要だ。と心に刻んだ
『30問中一問でも答えられなければ、退学してもらう』
何故可愛い天使にまで矛先を向ける!
はぁ。さて、王子はどこまで答えられるかな?
『では、質問だ。魔法の原理を述べよ。』
『はぁ!?授業でも習ってないぞ!』
『卑怯だろう!!』
『教科書にも載ってねぇぞ!』
今の教科書では記載されていないことを聞くとは中々の鬼畜だな。
ミーシェが事の原因に近づき何かを話していたがバカは、不安な表情をしていた。
『魔法の原理は、食物等に含まれる極僅かな粒子の更に細かい粒に宿っているもの。それは、体内に取り組み構成することにより無いところから水や火を出すことができる。』
その答えでは、及第点すら貰えない。可愛い愛娘は、どうカバーするのかな?
『しかし、魔法の原理を説明するとなれば魔法回路や何故人間が魔法を使えるようになったか・自然現象を人的現象として操れるようになったか 等をご説明しなければいけないためこの授業中に全てを話すことは不可能ですわ。簡潔にご説明しますとアミール様がおっしゃった通り、全ての動植物には素粒子と言うものにより構成されており、その中の極一部が変化した為 魔法回路が造られた。以上が魔法の原理です。』
完璧な模範解答だね。
「流石僕の可愛い天使だね。」
「お前、楽しんでないか?」
「何をいっているのさ。君の息子アミール王子は、後でみっちり教育のし直しを行うからね♪」
『お前は鬼畜か?』
と思ったが誰も言わなかった
『次の質問だ。では、なぜ我々は魔法と剣 共に扱えないか。』
この質問に学園長室にいた誰もが固まりチェスターの方を見ていた。ついでに言うと学園長は失神し保健室に運ばれた。
当のチェスターは、笑顔を張り付けたまま彼らの回答を聞いていた
『……分からない。ミーシェは、わかるか?』
愛娘は淡々と答えていく
『なぜ、両方を同時に扱えないか……
と言う質問ですが 魔法を発動・構築するために頭脳の殆どが占領され、相手の行動を読み魔法を指定するだけで精一杯に成るからですわ。無理矢理行うと魔法が暴れだし命に関わるため、誰一人行わない。』
「規格外には規格外の娘ができると言うことか。」
レイの呟きにチェスターは冷たい笑みで頭をしばいた。
「失礼だよね君は。ちゃんと仕付けないから可愛い愛娘は巻き込まれている言うのに」
「確かに甘やかし過ぎたとは思うが、お前の教育の仕方はどうなってるのだ?」
「どう?って1歳になる前から昔の書籍や教科書類を全て読まし、意味や己の意見を言えるように教育しただけだよ」
「一歳前の幼児がそんなことわかるわけ無いだろう!?」
「なに言ってるの?ヴライアンもミーシェも2歳には、辞書並みの書物を普通に読んでいたよ」
「アミールが、ちょうど這い這いし始めた頃だぞ!」
「すでに読み書きも短距離であれば歩くこともしていたよ。君の子どもは、君に似てバカなんだね。」
「ねぇ!?それひどくない?これでも学園卒業は5年だったんだよ!?」
「たった1年飛び級したぐらいで優秀とは言えないね。」
「お前は、飛び級してなかっただろう!?」
「当たり前だよ。友人を放置して卒業できるわけがないでしょう。ついでに言うけど、ヴライアンとミーシェはすでに卒業可能レベルに達しているらしいよ。それなのにヴライアンとミーシェは、学園生活を楽しみたいからって……はぁ~。」
「………それって冗談だろう?ミーシェル嬢に関して言えば、入学して1ヶ月経ったぐらいだろう?何故卒業できる」
「ミーシェの成績でも見るかい?」
何処からか取り出した入学時のテストと外交に行く前と現地で行われたテスト。その3枚をレイに見せると
入学前 97点 外交前 98点 外交中 100点
「……………なぁ。これ本当に彼女が一人で解いたのか?」
「そうだよ。10人の監督者に見られながら解いたんだからね」
『『『『『 それは、もはや監視としか言えなくないか!? 』』』』』
と思う面々とウキウキするチェスターであった。
『ラスト問題だ。回復魔法である治癒魔法が、今世紀に至っても誰一人使えずにいる事についてだ。どうだ?此ばかりは、流石のお前でもわかるまい』
チェスターは無感情で向けられる視線を無視した
『回復魔法は、主に光属性の持ち主に現れるが、治癒魔法は他の魔法とは異なり特別な魔法回路を持って産まれた者のみが使用可能です。しかし、大昔にとある王家に生まれた治癒魔法使いは、己の命とり引き換えに使っていた……と言う伝承が残っております。』
『『『『 ………うまく逃げた!? 』』』』
事実を知っている チェスター、レイ、シャークア、ファナチークの4人の心は一致した瞬間だった。
その後、ミーシェ達が移動しているのを眺めながらレイが
「お前たち、彼女は前回よりも格段に強くなっている。心してかかれ!さもなくば瞬殺されお前たちが宰相によって地獄の訓練が始まるぞ」
「「「「「 はっ! 」」」」」
「「「「「 ………… 」」」」」
黙る面子とミーシェと戦えることに喜ぶ5人に分かれた。
ミーシェに近衛第一騎士団・魔法師団が来ることが伝わった頃。彼らは実技室に向かいながら闘志を巡らせていた。そして、到着するなりレイは
「久しぶりだな。ヴライアン殿・ミーシェルミツキ嬢」
我が子ながら予感が鋭いなぁ~、一勝も出来なければ再び訓練しないとね。それに後ろの二人とも硬直が溶けるのも早いね
「お久しぶりです、国王様。この様なところへお越しいただけるとは、とても光栄です。」
「お久しぶりです。陛下におかれましては、ご機嫌麗しく何よりでございますわ。先日は、外交後のご報告に登城出来ず申し訳ございませんでした。」
やっぱり凛々しい天使も可愛いよね。このまま嫁には行かさずに家に閉じ込めておこうかな?
「学園に参ったのは、我の気まぐれだ気にするな。」
「はっ。」
「そして、ミーシェルミツキ嬢。」
「はい。」
「その事は、チェスターから聞いている。こいつが、ミーシェルミツキ嬢を軟禁していたってな。」
……ふふふ。レイ僕に喧嘩を売りたいのかな?
「陛下、軟禁はしておりません。ただ、部屋で休ませていただけです。」
レイ。後で、その喧嘩買ってあげるよ
「お前の場合は、それが軟禁になるんだろう!まぁ それは置いとくとして、外交ご苦労だった。」
可愛い愛娘を愛でるためなんだから君には関係ないよね。ちゃんと僕が報告したんだからさ
「はっ。もったいないお言葉です。」
「それで、ここにいる4人がグループということか?」
はぁ。あのときの紙さえも読んでなかったって訳?本当にバカだね君は。
「陛下、確認聞いてませんでしたね。ヴィオレット殿 は、ヴライアンとダンドゥリオン殿とブローチを交換し。私のかわいい天使ミーシェも ダンドゥリオン殿とヴライアンと交換していると。」
「そう言えば、そんなこと言ってたな。」
「戻ったら仕事の量増やしてやる。」
そうすればミーシェを愛でるための時間がとれる
「戻ったら仕事の量増やしてやる。」
「?何か言ったかチェスター」
「いいえ。何も申しておりません。それよりも、後でウズウズとしているバ……第一騎士団・魔法師団を紹介してはどうですか?」
早く終わらさないと今日も定時で上がれないじゃないか。
「そうだな。ヴライアン殿とミーシェ嬢は、知っていると思うが我の右にいるのが宰相のチェスター・モントヴェルト。
チェスターの後ろにいるのが ファナチーク・マギア。
左にいる厳ついのが シャークア・スハラ。マギア、スハラ 挨拶が終わり次第始める。」
「「はっ。」」
「陛下からご紹介されました ファナチーク・マギア です。魔法師団体長を勤めております。ヴライアン様にミーシェルミツキ様に再びお会いできて光栄です。彼らの紹介は、後程行います。」
「お嬢!ヴライアン久しぶりだな。ちゃんと食ってるか?相変わらず細っこい腕だなぁ。そんなんじゃ勝てねぇぞ!おっ!そこの小僧は中々の筋肉じゃねぇか!その隣にいるやつは、もっと食って鍛えろよ。」
相変わらず馴れ馴れしいけど、まともにミーシェと渡り合えるのがこの二人しかいない悲しさだね。
お互いの挨拶が終わると直ぐに始まるかと思いきやレイがミーシェを呼び出した。
いったいミーシェに何の用事があるのかな?それに今聞かなければならない事なんて無いはずだ。
「ミーシェ嬢は、息子のお気にいりである リヒト・ヴァイオ という者を存じておるか?」
……リヒト・ヴァイオ。確かこの頃バカ王子の学友になったって言う最近爵位を買った子爵家の長男で、周囲の評価は高いってだけのはずだが?まぁいいか、ミーシェの情報力を試しているだけだろうしね
「多少なら存じておりますわ。
1‐C 5クラスに在席されていますわ。名簿は24 身長168 体重52キロ 水魔法を得意とする大剣使い。母方がもと貴族の男爵で父方は、商人だったが婚約をきっかけに子爵位を買い取った。
婚約者または、好意を寄せている女性はいません。回りの評価は、優秀で優しい。裏表のない平民にも優しい。好評価ですわ。
そして今では、アミール様のお新しいご学友で勉学を教わっているそうですわ。」
「……我が娘ながら末恐ろしい。まぁ、そこもかわいいから良いけどね。」
「親バカもドが過ぎると恐ろしいものだな」
レイの呟きは聞こえていたが敢えて聴かなかった事にした
「陛下、何かおっしゃいましたかな?」
「…いや、気のせいだろう。それよりもだ、どうやってここまで集めたんだ?」
それは、僕も知りたいけどきっと教えてくれないだろうね。
「ふふふ。それは、秘密ですわ。陛下、あまり時間がないので先に進めませんか?」
ほらね、必ず隠してしまうんだよね。
「それもそうだな。」
試合の流れを確認しているあいだ、物が壊れないようにフィールドを結界で覆い被害がでないように作り替えた。
「ルールは簡単だ。好きな者と戦えばいい。6人全員と戦い終えればそれで終了。相手に後遺症や命にか変わる傷を与えてしまわぬように近衛第一団は、気を付けるように。」
主にミーシェを傷つけないようにね
「宰相殿。それは、無理と言うものです。この中でヴライアン殿やミーシェルミツキ嬢に手を抜いて勝てるものは半数もいません。」
そんなもの知るか。ミーシェが第一で君達が青あざ作ろうとも僕には関係ないからね。
「ミーシェの顔や体に青アザを付けたものは、いつもの訓練の5倍をやってもらう!」
「「「「鬼か!!」」」」
「お父様。それでは、試合の意味がありませんわ。全力を出しあってこそ、本当の力が分かるのですわ。それに、そんなことをしてしまっては可哀想ですわですわ」
「「「「女神だ!!」」」」」
こいつら、近衛第一にいるくせに甘いことを。まぁ、ミーシェが言うなら仕方ないけど。戻ったら鍛練の構成を変えよう
「分かったよ、かわいい私の天使。」
レイが苦笑いを浮かべながら
「コホン。それでは開始!」
レイと僕は、共に観客席に行こうとしたがミーシェがレイを呼ぶなり
「私と試合してくれませんか?」
「………」
はぁ。相変わらず規格外な愛娘だよ
息子がどれだけ止めれるか見守っていると
「ミーシェ。どんなに陛下がまともに仕事しないからって、実力行使に移ってはいけないよ。それにね。アミール王子の成績が悪いのは自業自得だと言うのに、可愛い天使に責任をもって教えるように言ってきた陛下がどれだけ罰を望んでいても手を出してはいけないよ。」
……相変わらず僕に似て毒舌で容赦ないね。それなら僕も参戦しないとね
「このバ… 陛下が可愛いミーシェを雁字搦めにして王太子妃の座につけようと企んでいても、ミーシェにいたぶられたいと思ってるへん……変わった性癖を持った人に近づいてはいけないよ」
愛娘は、悲愁を帯びたように
「……そうですわね。陛下に臣下としての忠誠は誓っておりましても この様な行いはいけませんわよね。例え、陛下が文武共に貧弱であられても モントヴェルト家であるがためにお支えしなければなりませんわよね。ふぅ~」
流石教えただけあるね。完璧な演技だよ
「ミーシェ嬢、けしてソナタにいたぶられたいとか思ってないからな?」
……相変わらず君は、バカなんだね。言う言葉が違うだろうに!
「分かりましたわ。それでは、改めて陛下。私と試合致しませんか?」
今度は、下がるだろうね
その予想は正しかった
「と申したいところですが、それは次回にお願い致しますわ。それでは、どなたとやりましょうか?お父様では、手を抜かれるか本気でやられてしまっては勝ち目は有りませんし。お兄様とやるとどちらかが一敗したことになってしまいますし。」
何故かな?近衛第一の人達が可哀相に思えてきたよ
「それで、ミーシェ決まったのかい?」
「はい、お父様」
………うん。この目はなにか起こすつもりだね
「ヴライアン、お前はどうだ?」
「ミーシェと同じに方々になると思います。」
お前の読みはまだ甘いね
「そうか。ミーシェはどの方々とやりたいんだ?」
ミーシェは、ファナの影に手を突っ込むと芋蔓式にバラバラの服装を纏った4人の男性を引っ張りあげた。
だと思ったよ。愛娘の相手を勤められるものなんて2人いるかどうかだしね。それに本気を出したら愛娘に勝てる者なんて僕ら二人しかいないだろうしね
ミーシェが引っ張りあげた人達のうち2人は、上下ともに漆黒の服装をしている3・4十代前半の男性。残り二人のうち一人は、迷彩柄の男性で最後の一人は真っ白な上下に所々銀色でラインや刺繍が入っている。
軍部や騎士の幹部はともかく、よりにもよって暗部の二人を連れてくるなんてね。しかも、僕が直々に育てた20人中上位の4人だし
彼らは揃いも揃って、僕をチラチラと見てくる
皆の視線が外れているうちに近づいてきた暗部の一人が
「チェスター様。」
「相手してあげなさい。お前たちはこれを付けるように。」
「はっ!」
チェスターが、渡したものは高位魔力を抑え相手を殺る業を封じる腕輪。
彼らが密かに利き手に着けるのを確認するなり第一戦 ファナチーク VS ミーシェの魔法対決が幕を開けた




