ブローチは道連れ者を求めた?
加速魔法・重力操作魔法を使い学園の西にある魔法実技のため実技室へ滑るように走り向かった。
ふぅ、移動時間が15分あって本当に良かった。流石に学園の中心から西端まで、加速魔法と重力操作魔法を行使しても間に合わないもの。もう少し、1限飛ばすように入れるか移動距離が近い科目を取るなりすれば良かったかな?
髪や制服に乱れがないか確認してからドーム状の実技室へ足を踏み入れた。
「お久しぶりですわ…ブランさん・・とお兄様?」
「ひどいなぁ、なんで疑問系なんだい。まぁ、取り繕うとするミーシェもとっても可愛いけどやっぱり一番は、笑顔かな!!」
抱きついてくる兄さんを剥がし何事もなかったかのように
『ミーシェ!?僕とても寂しかったんだよ!』
「ブランさん、お待たせいてしましたわ。」
『そんなに冷たくしないでよ、ね?ミーシェが家にいない間ずっと気が気ではなかったんだよ?体調を崩してないか・泣いてないか・寂しい思いをしてないか とかとかずっと考えていて全く寝れなかったんだよ。』
「久しぶりだな。俺も今さっき講義が終わったところだから気にすんな。それよりも、あんたの後で縋りついて喚いているのは放置してても良いのか?」
ミーシェは、先程から鬱陶しい兄さんを一瞥すると
「ああ!その冷たい眼差しもゾクゾクするよ!!ミーシェになら足蹴りにされたい!!」
ここまで、シスコンが重症化すると気持ち悪い!それにおかしな方向に向いていってる気がするんたけど?気のせいかしら?
ゴミをみるような目で見るとやはり
「あぁ~~!!とてもいいよミーシェ。僕を足蹴りにしてくれよ。」
「・・・」
「・・・・・ヴライアンってこんなんだったか?」
「・・・そこは、ノーコメントでお願いするわ。」
「これ、どうするんだ?このまま放置していたら、何処までも追いかけてくるぞ。」
「そこは、手を打ちますわ
『万物光の中に現れし星よ我にしたがいて隠れし姿を表さん!我は女神の生れ我は光の守護者。4大神 光煌たるトップの一神 ミカエル 我れはそなたを求める。参られよ‼』」
「はぁ!?嘘だろう古代語詠唱を行うなんて!?」
「あぁ!ミーシェに後光がさしている!!その暖かい光に包まれたい!」
『は~ぁい!入学式以来だね♪何々?僕にキスしてくれるつもりになったの?……それとも、国を滅ぼしたいとか?僕、退屈だったんだよね~』
相変わらず脳内にチャラ神の声が響いた。
「ねぇ、お願いがあるのよ。そこにいるお兄様を家に送り届けてくれるかしら?」
『?どっちの人間かな?』
「私を拝んでいる方よ。ついでに、頭がもとに戻るまで催眠魔法でもかけておいて欲しいのだけど・・頼めるかしら?」
『別にそれくらい良いけど・・何かご褒美ある?』
あんたのせいで、ここに転生したんでしょう!何故代価を求めるのよ!
「いいわ、何か作るわ」
『やった!!ミーシェ手作りだ』
兄さんの姿が消え実技室にはミーシェとブランそして、いつから入ってきてたのか密かにコンタクトをとり友になった マックス・ヴィオレット が 出入り口で突っ立っていた。
「………」
「…………」
ブランもマックスもその場に固まっていた
詠唱しない方が良かったかも?でも、名を呼ぶだけだったらよけいにハイテンションで鬱陶しいから仕方なかったんだけどね。
『パンパン』
ミーシェは手を二回打つと
「ブランさん・マックスさん。いつまで呆けているのですか?」
「………わ、わるい。」
「…………モントヴェルト先輩は何処へ行かれたのですか?」
・・・そう言えば、コースが違ってもブローチを交換した先輩が来るの忘れていたわ。
「暫くすれば戻ってくると思いますわ。」
『チャラ神!兄さんをさっさともとに戻して。そしてすぐに連れてきて!』
『え~~。せっかく寝させたのになぁ~僕も疲れたんだけど?』
『チャラ神代価を払ってあげるのだから、これぐらい簡単ですわよね。』
『………わかったよ、やれば良いんでしょやれば!』
『そうよ。』
「そう言えば、この科目に先生または教授の方はおられないのですか?それに来ているのが私達だけなのはどうしてですか?」
「普段はいるが、今日だけは来ないらしい。ペアによって使える日が違うが、普通は3ペアが使う。今日は、俺達だけらしい」
なんでだろう?普段来るのなら今日も来るはずよね。
「ミーシェル嬢。ご存じではないのですか?」
マックスからの質問に頭を軽く傾け
「……知りませんわ。」
「本日は、国王様とモントヴェルト宰相と近衛第一騎士団・魔法師団各5名来られるそうですよ。」
「…………」
はぁ!?嘘だよね、だって父さんなんにも言ってなかったしアミールだって言ってなかったのに?いったい何のために来るんだろうか?
「………い………おい!!」
「なんでしょうか?」
「何固まってんだ?お前なら陛下にもお会いしたことがあるだろう、何緊張してんだ。」
暗にトップ二人を知っているくせに何怖じ気づいてるんだ
と聞かれた
「いいえ。ただ、疑問に思っただけですわ。たとえ、お父さ………いえ。宰相様であっても私やお兄様がいるときには、来られない筈だったので少し気になったのですわ。」
「そっか。」
『ふう!宅配便だよ~~』
『ようやく収まったの?』
『ようやくって!頑張って急いだんだからね!!』
『ありがとう。じゃぁね。』
チャラ神との念話を切ると
目の前に兄さんが現れた
「ミーシェ酷いじゃないか。せっかく驚きの情報を手に入れたのに私室に送るなんて!まぁ、愛しき天使だから許すけどね。」
「お兄様。その情報って、お父様と陛下・近衛第一騎士団・魔法師団 の事ですか?」
「そうだよ。ブラン達に聞いた通りだよ。」
兄さんは柔らかい雰囲気を消すと
「陛下と宰相である父さんが来るのは、俺たちの実力を測るためだ。そして、近衛第一騎士団・魔法師団は殆どが戦闘狂者ばかり集めたところだよ。」
「あの、お兄様。もしかして…………」
「そうだよ。陛下は、僕たちを試すつもりだよ。」
「はぁ!?」「えっ!?」
「困りましたわね。」
「ミーシェと僕は、必ず1・2人は倒さなければいけない。1人も倒せなければ……………。」
「ええ。必ずあの地獄が舞い戻ってきますわね」
「ああ。」
二人揃って身震いした。外野にいた二人が
「どう言うことだ!?お前らはその戦闘狂者を1・2人倒さなければならないって。」
「そんなこと、不可能です!近衛第一と言えば過酷な試練と訓練を乗り越え、死者や脱落者が山ほどでた最強の中の最強集団ですよ!?もしも、彼らのうち1人でも倒せたら近衛第一に入隊できのですよ!」
ミーシェは遠い目で
「それは、存じておりますわ。その方々を育てたのが、鬼の宰相 私たちのお父様なのですから。その、子供である私たちも地獄の訓練を幼い頃から受けておりましたもの。」
兄さんは明後日の方を向きながら
「一人でも倒さなければ、僕達は卒業までフルプレートと重り500キロ×10で魔法を禁止された状態で登下校や授業・実技をこなさなくてはならない。お風呂以外取り外し不可のあの地獄に舞い戻るのだけは、嫌だよ。」
「「…………」」
「久しぶりだな。ヴライアン殿・ミーシェルミツキ嬢」
悪魔に呼ばれ機械仕掛けのように二人揃って振り向き すぐに兄さんは片ひざをつき頭を垂れた。ミーシェは、制服のスカートの裾を軽く掴みカーテシーをした。
後の二人が慌てて兄さんと同じ様にしたのを感じると兄さんが
「お久しぶりです、国王様。この様なところへお越しいただけるとは、とても光栄です。」
「お久しぶりです。陛下におかれましては、ご機嫌麗しく何よりでございますわ。先日は、外交後のご報告に登城出来ず申し訳ございませんでした。」
「学園に参ったのは、我の気まぐれだ気にするな。」
「はっ。」
「そして、ミーシェルミツキ嬢。」
「はい。」
「その事は、チェスターから聞いている。こいつが、ミーシェルミツキ嬢を軟禁していたってな。」
「陛下、軟禁はしておりません。ただ、部屋で休ませていただけです。」
「お前の場合は、それが軟禁になるんだろう!まぁ それは置いとくとして、外交ご苦労だった。」
「はっ。もったいないお言葉です。」
「それで、ここにいる4人がグループということか?」
「陛下、確認聞いてませんでしたね。ヴィオレット殿 は、ヴライアンとダンドゥリオン殿とブローチを交換し。私のかわいい天使ミーシェも ダンドゥリオン殿とヴライアンと交換していると。」
「そう言えば、そんなこと言ってたな。」
父さんは、こっそりと
「戻ったら仕事の量増やしてやる。」
「?何か言ったかチェスター」
「いいえ。何も申しておりません。それよりも、後でウズウズとしているバ……第一騎士団・魔法師団を紹介してはどうですか?」
『『『『『今、馬鹿って言おうとしたよね!?』』』』』
考えが一致した。
「そうだな。ヴライアン殿とミーシェ嬢は、知っていると思うが我の右にいるのが宰相のチェスター・モントヴェルト。
チェスターの後ろにいるのが ファナチーク・マギア 。
左にいる厳ついのが シャークア・スハラ。マギア、スハラ 挨拶が終わり次第始める。」
「「はっ。」」
「陛下からご紹介されました ファナチーク・マギア です。魔法師団体長を勤めております。ヴライアン様にミーシェルミツキ様に再びお会いできて光栄です。彼らの紹介は、後程行います。」
「お嬢!ヴライアン久しぶりだな。ちゃんと食ってるか?相変わらず細っこい腕だなぁ。そんなんじゃ勝てねぇぞ!おっ!そこの小僧は中々の筋肉じゃねぇか!その隣にいるやつは、もっと食って鍛えろよ。」
「マギア殿・スハラ殿お久しぶりです。」
「ファナ、いつも私の我が儘聞いてくれてありがとう。」
「いえ。私共の、勉強になっております。」
「クアラ、その呼び方どうにかなりませんの?それに、これ以上筋肉がつくとドレス越しにばれてしまいますわ。」
「どうにもなんねぇですよ お嬢。それに、筋肉がついた方が凛々しいですぜ。」
「もう、相変わらずですわね。そうでしたわ!お二人にご紹介いたしますわ。
こちらが、ブランドン・ダンドゥリオン先輩そして、その横にいるのが マックス・ヴィオレット ご学友ですわ。」
「そうでしたか。」
「よろしくな!ヴィオレット・ダンドゥリオン。」
「「よろしくお願いいたします。」」
みな、各自で交流を深めていると
「ミーシェ嬢少しよいか?」
ミーシェは、兄さんから離れ
「はい。何でございましょうか陛下。」
「ミーシェ嬢は、息子のお気にいりである リヒト・ヴァイオ という者を存じておるか?」
リヒト・ヴァイオねぇ。アミールの友達だったよね。知った直後にこれだと何かあるよね。
「多少なら存じておりますわ。
1‐C 5クラスに在席されていますわ。名簿は24 身長168 体重52キロ 水魔法を得意とする大剣使い。母方がもと貴族の男爵で父方は、商人だったが婚約をきっかけに子爵位を買い取った。
婚約者または、好意を寄せている女性はいません。回りの方々の評価は、優秀で優しい。裏表のない平民にも優しい。好評価ですわ。
そして今では、アミール様のお新しいご学友で勉学を教わっているそうですわ。」
陛下は引き攣った表情で
「・・・どこで、そんな個人情報を手にいれた?」
「……我が娘ながら末恐ろしい。まぁ、そこもかわいいから良いけどね。」
陛下が、こそりと
「親バカもドが過ぎると恐ろしいものだな」
「陛下、何かおっしゃいましたかな?」
「…いや、気のせいだろう。それよりもだ、どうやってここまで集めたんだ?」
「ふふふ。それは、秘密ですわ。陛下、あまり時間がないので先に進めませんか?」
「それもそうだな。」
陛下と父さんがうなずきあうとフィナが
「これから行うのは、ヴライアン殿とミーシェルミツキ嬢がどれだけ成長なされたか、を確認するため。もう一つは、ヴライアン殿に教えを請う資格があるか または、ミーシェルミツキ嬢の先輩に相応しいかどうかを確認するためのものです。これは、一年間に3回行います。」
クアラが続きを受け継ぎ
「お嬢とヴライアンには、6回戦い1度も勝てなければ地獄の特訓が開始します。
ヴィオレットとダンドゥリオンに関しては、勝てなくても構わないが宰相殿と国王様が戦いぶりを見て、相応しくなければ今後一再二人に近づくことは許されない。」
最後に父さんが、
「ルールは簡単だ。好きな者と戦えばいい。6人全員と戦い終えればそれで終了。相手に後遺症や命にか変わる傷を与えてしまわぬように近衛第一団は、気を付けるように。」
「宰相殿。それは、無理と言うものです。この中でヴライアン殿やミーシェルミツキ嬢に手を抜いて勝てるものは半数もいません。」
「ミーシェの顔や体に青アザを付けたものは、いつもの訓練の5倍をやってもらう!」
「「「「鬼か!!」」」」
「お父様。それでは、試合の意味がありませんわ。全力を出しあってこそ、本当の力が分かるのですわ。それに、そんなことをしてしまっては可哀想ですわですわ」
「「「「女神だ!!」」」」」
「分かったよ、かわいい私の天使。」
「コホン。それでは開始!」
ミーシェは、陛下のもとへいき
「私と試合してくれませんか?」
「「「「「「……………はぁ!?」」」」」」




