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料理作り

ミーシェは、昨夜の事を思いいつもより早めに目を覚ましていた。


簡易な服装に着替え、髪も軽くあげてからマヤには告げずに厨房へと向かった。


「あの、少しよろしくて?」


中から中年の男性が出てきた


「今、陛下やご客人の朝餉の準備で忙しいんだ。用件はなんだ?」


「少し厨房を使わせてもらえないかしら?」


「見かけない顔だが、ダメだ。頼まれた物があるなら、言え作ってやる。」


「では、トマト雑炊をお願いできるかしら?」


「なんだ?その とまとぞう とか言うやつは?」


えっ!この国には無いのかしら?まさかトマト事態がないのかしら?


「赤い色をしている夏の野菜よ。」


「いいや。そんな野菜はこの国にはないな。お前の母国では、有ったのか?」


そう言えば、トマトを見ないわね。一度調べてみましょ。


「それじゃ、卵の雑炊に梅干しを乗せてちょうだい。」


「だからそのぞうなんちゃらって何だよ。梅干しは趣味で浸けてるから有るが……お嬢ちゃんが作ってくれ。俺らでは、分からない。」


あら、雑炊を知らないのかしら?でも、使う許可もらえたから良いにしましょう。早く作らないと、彼らが起きてしまうわ。


「では、失礼するわね。」


「材料は好きに使ってもいいからな。あと、その………」


中年の男性が視線をさ迷わせながら


「あーえっと。」


……あ。彼は雑炊の作り方が知りたいのね。私と一緒だわ。知らない料理があれば知りたいものね。


「雑炊を作るの手伝ってくれたら、レシピを書くわ。でも、大体は目と舌で覚えた方が覚えやすいわよ。」


男性は目を輝かせながら


「良いのか!ありがとうよ。お嬢ちゃん名は?俺はエマール帝国王宮料理人 バルド よろしくな。」


「私は、アルヒアン王国 チェスター・モントヴェルト公爵 が父 の娘 ミーシェルミツキ・モントヴェルトと申します。」


「って!言うことは、アルヒアン王国から連れてこられた公爵令嬢ってあんたの事だったのか!」


連れてこられた って事になっているのね。まぁ、事実そちらの方が正しいけどね。


「堅くならないでちょうだいな。私の事は、ミーシェと呼んでちょうだいな。貴方の事もバルド と呼ばせてもらうわ。」


「本当に良いのか?」


「ええ。同じ料理を作るのが好きな者同士 滞在期間中 よろしくね。」


「それじゃミーシェ、こっちに来い。」


彼に案内され厨房へ入っていった。


「この上が冷蔵庫で下が冷凍庫だ。」


上下で分かれているのね。前世の自宅にあった冷蔵庫を思い出すわ。


「中には色んな食材が入ってる。使い方の分からねぇ物から高級食材もな。冷凍庫には、余った魚介類を入れて一斉に処分してる。」


勿体ないわね。鮮度は多少落ちるけど美味しく食べられるのに。


「そんじゃここを好きに使ってくれていいぜ。」


あらまぁ。一番広い所を貸してくれるのね


「ありがとう。早速だけど、お米は何処に有るかしら?」


「こめってなんだ?ライスの事か?」


あら前世で言う英語なのね


「ライスって言うのね。それを器に入れて2人分持ってきてちょうだい。」


「分かった。」


鍋はどこかしら?


辺りを見渡すとこちらを見ている人と目があった。


「あの、そこの貴方。鍋を2つ欲しいのだけど、何処に有るかしら?」


若い男性が


「貴女様の上にある棚の中にあります。」


「そう。ありがとう。」


……届かないわね。魔法を使いましょう


魔法で棚の扉を開け赤茶色の一人用鍋を2つ取り出した。


水で洗ってからコンロに一つずつ置き


だし汁は、作るべきかしら?元から作ったもの無いかしら。


「ミーシェ。ライス持ってきたぞ。」


「ありがとう。作ってあるだし汁は無いのかしら?」


「これを使うか?」


バルドが下の棚から瓶に入った液体を取り出した。


「これは?」


「カツオから取り出した出汁だ。昨日カツオ節をすって作ったんだ。」


カツオ出汁ね使えるわね


「それ使うわ。」


「使い道がなくてな。良かったよ。」


鍋に勘で だし汁 250・料理酒 大さじ1 ・薄口醤油 小さじ1 ・みりん 小さじ1 後は、塩を少々。


コンロに火魔法を放つと丁度いい火の大きさになった。


魔法石が無いのが残念よね。


沸騰したらご飯を入れて5分待つ。


そうだ!卵を取りに行かないとね


先程の奥にあった冷蔵庫から卵を2個取り出し、別の容器に割って溶いた。


約5分経ったら火を弱めてっと、溶いた卵を入れて軽く混ぜる。そして火を消して……うぅ。上手く消えない。


「貸してください。」


先程の男性が火を消してくれた


「ありがとう。お陰で焦げなくてすんだわ。」


「手順は、危うく無いのに何故魔法供給を停めることが出来ないのですか?」


「…………」


「火を弱めることは上手に行っていたはずですよ。一番難しい火加減を調節出来ていたのに何故?」


「放つ物の調整は出来ても、消す と言うやり方をやったことがなくて。」


「徐々に馴れていってください。私の名は、ハルト 。お嬢様なのに料理が出来ることについては、素晴らしいと思いますけどね。」


彼は、そう言うと自分の持ち場に戻った。


気づけば バルドも自分の仕事におわれていた。


後で何かお礼を作らなくてわね。


鍋をカートに乗せそこにお水とバルドが置いてくれた梅干しを二人分乗せて、部屋へ向かった。



先にアクア様の所に持っていきましょう。


『トントン』


「…………。」


『トントン』


「アクア様。ミーシェです。入りますよ。」



部屋に入りテーブル付近にカートを置き水とコップを持って寝室に繋がる扉を開けると、真っ青な顔をしたアクア様がベッドに座っていた。


「アクア様。あんなに飲まれるから悪酔いをするのですよ。さぁ、お水をお飲みください。」


「………あぁ。」


「さぁ。次は、お食事をお取りになってくださいな。」


「………いや。今は、なにも食べたくない。」


「食べやすいように雑炊を作って参りましたので、お召し上がりください。そして、お薬もお持ちしてありますのでお飲みになって暫くお休みください。」


「はっ!ミーシェお前が作ったのか!?」


いきなり立ち上り、案の定よたり転けそうになるアクア様を支えベッドに座らせた。


「これでも、料理は出来るのですわよ。さぁお行儀が悪いけど、今回は致し方ありませんわね。こちらにお持ちいたしますわ。」


テーブル付近に置いたアクア様のカートを寝室まで押して入り、外の温度は下がった鍋とレンゲを渡し


「これは、卵雑炊と言う物ですわ。悪酔いや体調が優れないときは、これを食べると良いのですわ。お熱いので気を付けて召し上がりくださいな。」


アクア様は一口


「………美味しい。」


「それは、良かったですわ。こちらの梅干し を入れると目が覚めますわよ。」


恐る恐る一口


「…酸っぱいが、スットするな。」


「こちらにお水とお薬を置いておきますので、お食事が済みましたらお飲みくださいな。」


「どこか行くのか?」


少し嫌みを込め


「えぇ。誰か様と同じ様に悪酔いをした婚約者様にもお届けに行くのですわ。」


「…………」


黙り込んだアクア様を放置し、再びカートを押しながらアミールの部屋へと向かった。



扉の前にたっている騎士に会釈してから


『トントン』


「何方ですか。」


この声は、エクスドかしら。


「私、ミーシェルミツキです。」


声の主エクスドが扉を開け


「モントヴェルト様、どうぞお入りください。」


「失礼するわね。」


ミーシェがカートを押して入ると


エクスドが扉を閉めてから


「そちらのお食事は、殿下にですかな?」


「えぇそうよ。昨晩、相当な量を飲んでおられたから悪酔いしているかと思ってお腹に優しい食べ物を作ってきたのですわ。」


「なんと!モントヴェルト嬢みずからお作りになられたのですか!?」


「えぇ。こう見えて料理は得意なのよ。」


「なんと!お優しい事で。限度も知らず、馬鹿みたいに飲んで潰れてしまった誰か様には出来すぎた婚約者殿ですね。」


珍しく、エクスドが怒っているわね。


「うっ。」


「あぁー殿下!そんなところにおられたのですね!寝室からどやって出てこられたのでしょうか?」


………これ絶体わざとだわ。アミールに何があったのか聞く前に分かってしまったわ。この拘束魔法を見ればね。


ミーシェは遠い目をした。


「どっかのエセ魔法師のお陰で這って、ここまで出てきた。」


「それよりも、それは何ですかな?」


私、何処かで好感度上げてしまったのかしら?


「これは、卵雑炊 と言う物ですわ。それと、こちらは梅干し ですわ。酸っぱいので、雑炊に………」


最後まで聞かずにエクスドが


「ほう。これは梅干し と言うものですか。殿下口を開けて下さいな。」


「今、ミツキが むぐむぐ!!」


「どうされましたかな殿下?お顔が真っ赤になって目が潤んでおりますぞ。」


エクスドってこんなキャラだったかしら?


「スッパ!!水、水をくれ!」


「どうぞ、お水ですわ殿下。」


「…………エクスド~お前わざとやっただろう!!」


「何の事か私には、存じ上げませんな。」


「覚えてろよ!絶てぇ仕返ししてやる!」


「ふん。出来るものならやってごらんなさい。」


「お元気そうなので、私は戻りますわね。エクスド、程ほどにしてあげてくださいね。」


「ミツキ!!」


「分かっていますよ。」


二人の声を背後で聞きながら与えられた部屋に戻った。公爵令嬢としてのドレスに着替えマヤを呼ぶと雷が落ちたのは言わなくても分かることだった。


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