アミールが!!
確保した男性を引きずりながら、誰もいない静まり返った廊下を歩いていた。
この帝国は、寝床に就くのが早いのかな?誰も廊下を歩いていない。この音にも気づかないなんて、よほど平和ボケしているのかな?
「……やっぱり、一緒に行くべきだったかしら?」
1人愚痴ると静かな廊下に響いた。すると誰もいないと思っていたが突如声が聞こえた。
「それでは、私と参りませんかミーシェル嬢?」
何処かでこの声聞いた事が有るような?兎に角、この男性を隠さないと。
ミーシェは、救急魔石に男を入れポーチに 突っ込んだ。
「何方ですの?」
「昼間にお会いしたのに もう、お忘れですか?ミーシェルミツキ・モントヴェルト嬢。」
声の人物が視界に入った
「貴方様は、アクアジェンニ・ローム・レグルス・エマール 皇子様ではございませんか。この様なところで、何かございましたでしょうか?」
「覚えてくれてましたか。それは、良かったです。とくに何もありませんよ。ミーシェル嬢は、この様な夜更けに、お一人で外出をしていたのですか?」
あたかも今、気づいたかのように振り返り
「1人では、ございませんわ。侍女と従者を連れて………いたのですが、何処かに置いてきてしまったのかしら?」
「そうですか。それでは、私がエスコートさせて戴いても構いませんか?」
「まぁ!光栄ですわ。ですが、アクアジェンニ様にその様なことをお頼み出来ませんわ。」
「この様な慣れていない薄暗い所で、令嬢を置いて行くなど紳士の美意識に欠けます。」
「あら!お優しい事ですわね。ですが、余計なお世話と言うものですわ。」
アクアジェンニ殿下とミーシェル嬢の間に火花が飛びっちっている様だった。どちらも引くことなく
「しかし、お客をもてなすのは私の役目です。」
「いいえ。お気に為さらず。もう少ししたらアミール殿下が参られますので。」
「それまで、お一人で居られる気ですか?」
ミーシェル嬢は、儚げに
「たまには、一人で居たいときもありますわ。」
いきなり空気が冷たく張り詰めた
「それでは、俺の部屋に来るか ここで俺と待つかどっちかを選べ。」
どちらにしろ、誰かに知られたり・見つかれば国際問題になるって言うの分かってて言ってるでしょう!
「……。では、部屋までエスコートしてくださいますか?」
「俺は二択しか与えていない。」
「申し訳ございませんが、少し眠くなってきたので自室に帰らせてもらいますわ。」
「眠いのなら俺の部屋で寝ればいいだろ。」
「婚約者が居ますのに、この様な時間帯に他の男性の元へ行けるはずがありませんわ。」
言い合いをしていると、遠くから足音が聞こえた。
◇◇◇◇◇ その頃残された3人は◆◆◆◆◆
静まり返った廊下に何か引きずる音が微かに響いた。その音に始めに気づいたのは、やはりと言うべきかジアンだった。
「……殿下。暫くここでお待ちいただけますか?」
明日の予定を確認していたアミール殿下が顔をあげ
「何かあったか?」
ジアンは腰に添えられている剣の柄に手をかけ、扉に近づいた。
「先程から何かを引きずっている音がしているのです。ですので確認しに行きます。」
アミール殿下は、神経を研ぎ澄まし魔力波を捉えようとした。
「殿下?どうされましたか。」
「………この魔力は、ミツキのものともう1つ近くに知らぬ魔力がある。」
「モントヴェルト嬢の魔力ですか。それならこの音もあの方が原因でしょう。」
「何故そう言える?」
アミール殿下の不機嫌そうな問を
「あの方なら何をやられてもおかしくないからです。」
「……確かにミツキなら何でもやりそうだが、近くにある魔力が気になる。」
アミール殿下は、上着を羽織り腰に剣を添えミツキの魔石を眺めているエクスドに
「エクスド。お前はここに残り、さっさと水晶からやつをほり出せ。」
「できる限りは、急いでおります。」
「どこがだ。まぁ、いい。ジアン。お前は、俺と来い。」
「は!」
無言のまま歩いているとミーシェル嬢ともう1人の人物がいた。
「あの方は、何方でしょうか?モントヴェルト嬢ととても親しげですが?」
「………彼は、この国の皇子アクアジェンニ・ローム・レグルス・エマール。一刻ほど前にミツキが言っていた相手だ。」
「では モントヴェルト嬢は、あの方に好意寄せているのでしようね。この時間に話し合っているのだから、逢い引きでしょうね。」
アミール殿下はジアンに怒りを込め
「ふざけるな!ミツキは、俺の婚約者だ。彼女を貶す言葉は、俺を貶しているのと同じだ。」
ジアンは、膝まづき
「申し訳ございません。要らぬ事を申しました。」
「……」
アミール殿下は、無言のままミツキの元へ近づくと
『……。では、部屋までエスコートしてくださいますか?』
『俺は二択しか与えていない。』
『申し訳ございませんが、少し眠くなってきたので自室に帰らせてもらいますわ。』
『眠いのなら俺の部屋で寝ればいいだろ。』
『婚約者が居ますのに、この様な時間帯に他の男性の元へ行くはずがありませんわ。』
と言う会話が聞こえた
ミツキにしては、珍しく怒っているな。俺の前では、絶対に見せない素顔なんだろうな。俺が居なければ、ミツキは彼奴のもとに行くのか?俺が縛っているのか?
更に近づくと二人がアミール殿下の方を向いた。
◆◆◆◆◆ ミーシェ視線 ◇◇◇◇◇
アミール!来てくれたんだ。もう少しで、声を荒らげる所だったから助かったわ。
ミーシェル嬢は、アミール殿下の元に向い
「アミール殿下!迎えに来てくださってありがとうございます。」
「ああ。構わない」
「それでは、アクアジェンニ様お引き留めしてしまい申し訳ございませんでした。それでは、参りましょう?アミール殿下」
「ああ。」
アミール殿下とミーシェル嬢が歩き出すと
「ミーシェル嬢。明日、謁見を楽しみにしています。」
彼は、笑顔を浮かべて歩き出した。
その笑顔が何故か怖く感じアミール殿下に身を寄せた。
今まで、上の空だったアミール殿下がミーシェル嬢が震えているのをしり
左手で彼女を抱き寄せ
「どうした?震えているぞ」
震えてる?私が?そんなわけ………。
自分の手を見てポツポツと話始めた
「……あの方から、感情が……読み取れなかった。何か……えたえの……知れない……感じがしたわ。底知れない………闇に…取り……残された……様だった。」
「そうか。お前は良く堪えたよ。ミツキ、彼奴は側にいない。いるのは俺だ、だから安心しろ。」
徐々に落ちついてきたミーシェル嬢は、現状に気づき顔を赤くしながら
「……!!アミール殿下。も、もう だ、 大丈夫ですから!!」
「ふっ。慌てるお前も可愛いな。ほら着いたぞ。」
キャ~~~~!!アミールがアミールが!!
「あ ありがとうございます。」
「いつでも頼れ。それじゃ、もう眠れ」
「はい。」
ミーシェル嬢は、扉を閉め体を清めてからベッドでもがいた。
甘すぎる!!砂糖を吐くかと思った!!
物語では、こんなに甘い笑顔を浮かべていた?いいえ。浮かべていないわ。フラグを無意識に折ってるの?




