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解毒魔法

ミーシェは、怒り狂う魔力を感知されないように抑えながら急いで森へ向かった。


リリーに行かせなければ良かった。例えクミトを護衛に着けていたって、大勢相手は相当きついはず。そのせいで、連絡を取ることが出来ない可能性が高いかも。あぁ~後悔しても仕方がない!兎に角大急ぎで向かわないと!!


森は、薄暗く更に奥は辺り一面が暗闇に呑まれているようだった。空は夕陽が沈み、新月で星の光を頼りにミーシェは森を突き進んだ。


ほ 本当にここにいるのかな?


ミーシェは、鳥の囀ずりや飛び立つ音にびくびくしながら更に奥へ。


『ガサガサ』


茂みが動いた


「キャッ!!!」


ミーシェは、短剣を急いで構え警戒心MAXで茂みを見ていると


『ミーシェお嬢様!?どうされましたか?』


ミーシェは知っている声だったから警戒心をとき、姿は見えない知り合いに声をかけた。


「貴女こそここで何をしておるの?」


『それは、ここに誰かが入って行くのを見たからです。』


「そう。ところで、リリーを見なかったかしら?」


『リリーですか?いいえ。見ていませんがどうかしたのですか?』


「ええ。紅茶を貰いに行った後帰って来なかったのよ。侍女に聞いてみると『森に入った』って言われたから迎えに着たのよ。」


『……そうですか。この奥には小屋は在りませんでしたが、もう少し奥を探してみます。。貴女様は、お部屋でお待ちください。私が探して参りますので。』


「そう言うのなら、貴女にお願いしますわね。」


『はい。お任せくださいませ。』


ミーシェは、歩いてきた道を戻り始めた。

その直後


『キーッン』


と言う金属同士がぶつかり合った音が静かな森に響いた。


ミーシェは、何事も無かったように


「何か用かしら?」


『……チッ』


わたくしの邪魔をしないで下さるかしら?お相手をして欲しければ、別の日に改めてくれるかしら?私は、今とても機嫌が悪いのよ。」


『………』


ミーシェは、リリーが本当に歩いた道の方へ向かった。


『カキーン』


再び金属音が響いた


はぁ。虫の居所が悪いって言ったのにしつこい!いっその事息の根を止めてやろうかな。


いつもの服装ではないため暗器が少なく、短剣で防ぎながら歩みを止めることなく歩いた。


回りには、クミトが殺ったと思われる魔獣等の死骸が所々端に寄せられていた。


この様子は、二人とも大丈夫そうね。


ミーシェは、小蝿を払いながら森の奥にある小屋に着いた。


『ミーシェ嬢。』


彼は木上から降りてミーシェの前で膝を着いた。


「クミト無事で何よりよ。」


クミトを労うと彼は、悔しそうに


「俺は、お前からの任務を遂行出来なかった。」


頭に冷や水をかけられた感じになった


「…どう言うこと?」


動揺を隠しながらいたって冷静に聞く。


「魔獣に囲まれたとき、暗殺隊に同時攻撃された。それで、彼女は気絶した。抱えながら躱していたが彼女の腕にナイフが掠った。………」


クミトが唇を噛んでいる姿を見下ろしながら彼が濁した言葉の続きを言った


「そのナイフには毒か神経に影響を及ぼす何かが仕組まれていたって事ね。」


「……ああ。」


「なぜ、そうだと分かったの?」


「彼女が目を覚ましたときに

『体が動かない!?どうして?それに、ここはどこなの?』と始めは言っていたが徐々に熱が出たように苦しみだした。一応処置はしたが、早くしねぇと死ぬ。」


「………そう。悪いけど、クミト。貴方は、この雑魚どもの始末をお願いするわね。」


「それは、良いが……お前はどうする?」


ミーシェは、立ち上がったクミトに微笑みながら


「私は、あの頃の私では無いのよ。貴方は、よく堪えたわ。後もう仕事お願いするわね。私は、リリーを絶対に助けるから安心して殺って。でも、一人だけ残しといてね。」


茫然自失しているクミトを残し小屋に入った。


奥の寝室に横たわる青い顔をしたリリーに


「待たせてごめんね。苦しかったでしょう?怖かったよね。……こんな思いを……させて………ごめん……なさい。」


泣きながらリリーの手を握り《回復魔法》ではなく前世の記憶からイメージし《解毒魔法》を無詠唱で唱えた。


ミーシェはふらつく体を無理矢理動かし、心地よく寝ているリリーを見てから防音魔法を張り外に出た。


数十分の間に片付いたのか彼が一人だけ、間接を押さえ込みもとの位置に膝を着いていた。


「全て全滅してきた。」


「そう。早かったわね。」


「それで、お前の方は?」


「大丈夫よ。ちゃんと生きているわ。」


「……そうか。」


「あとは、貴方に頼んだわ。リリーを寝室に運んだらしばらく様子を見ててちょうだい。私は、取り調べをするからその間頼んだわよ。」


「……はっ?俺が聞き出すからお前は、彼女の側にいろ。」


「出来ないわ。彼らの雇い主は、私に挑戦を仕掛けているのよ。クミトは、二度と同じことが起こらないように気をつけてね。」


再び寝室に入りクミトにリリーを預け、夜道を歩きながら


「貴方も毒に殺られているのに、よく平気ね。」


「お前いつから気づいてた!?」


ミーシェは悪戯が思い付いたように


「貴方が木から降りてきたときよ。クミトお・兄・様?」


首を傾げながら言うと


「ばっバカ!お兄様と呼ぶな!!クミトって呼べ!」


と真っ赤にしながら叫んだ。


「あらあら。そんなに叫んでは、リリーが起きてしまうわ。クミトお兄様」


「だっだから!!」


「うっ う~ん。」


タイミングよくリリーが寝心地のいい場所を求め動き出した


「ほら、危なく起きてしまうところだったわよ。」


まぁ聞こえるわけないけどね。防音魔法をかけているからこちらの声は、全く耳に入っていないけど。慌てるクミトを見るのは楽しいわ。


ミーシェは、引きずっている男をどう調理するか考えながら拷問室まで行くのだった。



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