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駆け引き

《アルヒアン》王国は、どちからか言うと発展途上国で貿易も3ヵ国間でしか行われていない。中世ヨーロッパ並み。


一方 エマール帝国も、王制であるが貿易も数十か国と取引をしている。そしてこの帝国は、先進国である。機械工業が発達し、国立魔法学園もアルヒアン王国の倍ある。


道も整備されほとんど揺れる事がない。


「お嬢様。」


窓越しにチャーリーが話しかけてきた


「分かったわ。彼らにも伝えといて、きっとその辺にいると思うから。」


「何の事だ?答えろ。」


「行きなさい。」


「おい!答えろ」


「はい。行って参りますお嬢様。」


チャーリーが一礼してから隊を離れた。


「答えろ!ミーシェルミツキ・モントヴェルト」


怒りを露にした殿下が鬼の形相睨みつけてきた。


「…………」


ミーシェは、どこ吹く風で答えなかった。


「おい!答えろって言ってるだろう」


ミーシェは、景色を眺めていたが冷やかな眼で殿下を見た。


「それは、王子から臣下への命令ですか?次期、王になられる方から未来の王妃に向かっての話ですか?」


ミーシェの感情が消えかけた目を見た殿下は


「俺は、普通の友人として話してるんだ!」


前回と同じ答えを返した。

それにミーシェは呆れ


「アミール王太子殿下。わたくし達は、一般としての観光ではなく視察に王の代理として参っているのです。」


殿下は、たじろぎ


「分かってる。分かってるが、お前の様子がおかしいから気になっただけだ。………悪かったな。」


「頭をお挙げ下さい。私の方こそ申し訳ありません。何しろ初めての視察で殿下に恥をかかせない様に気を張りすぎていました。」


殿下は、頭をかきながら


「なんだ。その お前でも緊張することが有るのか。」


「あら。私も人ですもの緊張ぐらい致しますわ。」


「なぁ。二人でいるときだけで良いから、俺を名で呼んでくれないか?ミーシェ。敬語も不要だ。」


ミーシェは慌てて、扇子を顔の前に広げた。



な なんか アミール殿下が甘い!甘過ぎる!!何処で好感度をほぼMAX近くも上がる要素があった!?

私のお気に入りの一人だからってこんなに萌える?


「あ あみーる ……………殿下。」


「アミールだ。」


「……あみーる………様」


「ミーシェ。いやミツキの方がしっくり来るな。様も殿下 もいらない普通のアミールだ。」



アミール殿下が前世の名前を呼んでくれた!?うそ!嬉しい。家族さえもミーシェとしか呼んでくれないのに ミツキ って呼んでくれた!!


ミーシェは顔を隠したまま


「…………アミール。」


「~~~。」


アミール殿下改めアミールが何も言わないことに不信になり覗き見すると


手で顔を隠していた


あら?顔が真赤になってる!熱でも出たのかな?それなら少しでも休んでもらった方が良いわね。明日は帝王様との謁見や歓迎会がありそうだもの。


「アミール 顔がリンゴのように真っ赤よ。熱があるかもしれないわ!一寝入りした方が良いわ。」


「…………。そうだな少し仮眠を取らせて貰うよ。」


ミーシェは、側にいる騎士を呼び


「あの。」


「はい。何でしょうか?モントヴェルト様」


「このハンカチを濡らすため魔法を使っても良いかしら?」


「お待ちください。魔術師殿に聞いて参ります。」


アミールは、壁に体を預けすやすや寝始めていた。


こう見ると年相応で可愛いんだけどね。口を開けば、俺様口調。そんなにいじを張らなくても良いのにね。


「モントヴェルト様。」


「はい。」


「少しの魔法ならば大丈夫だそうです。」


「ありがとう。」


「いえ。何か有りましたら何なりとお申し出下さいませ。」


彼は、一礼して元の位置に戻った。


ミーシェはカーテンを閉めハンカチを水魔法で濡らした。

そして、アミールの横に座り彼の頭を自分の膝に置いた。

額に先程のハンカチをのせ


「ゆっくりお休みなさいませ。」


慈愛の目で彼を見つめていたことも気づかず、エマール語と作法の確認をし始めた。


ほどなくして馬車が止まった。


「アミール。着きましたよ。」


「……あっあぁ。」


アミールは寝ぼけ眼で起き上がろうとして動きを止めた。


「なっ! わ悪い!」


勢いよく起き上がったアミールは顔を真っ赤に染めていた


「まだ体調が思わしくないのですか?お顔が………「だ っ 大丈夫だ。」」


そんなに慌ててどうしたのかしら?


「あ 足は大丈夫か?痺れてないか?」


「?えぇ。大丈夫ですよ。お気遣い痛み入りますわ。」



「王太子殿下ならびにモントヴェルト公爵令嬢様。お開けしてもよろしいですか?」


「あぁ。」


扉が開いた。


アミールが先に降り中にいる私に手を差しのべた


ミーシェはその手にそっと自分の右手をのせ無事にエマール帝国の地に足を踏みしめた。


アミールにエスコートされながらエマール帝国の従者に案内された部屋に向かった。


うぅ~ん何か見覚えのある景色。それに何か忘れているような違和感。何だったかしら?


「……。」


「…………嬢」


「ミーシェル嬢。」


「はい。何でございましょうか王太子殿下。」


アミールはどこか心配そうな表情をしていた。


あれほど顔に出してはいけないと言ったのに、直ぐに顔に出すんだから。


彼は小声で


「疲れただろう。だが、もう少し耐えてほしい。」


ミーシェは大丈夫だと言うように笑顔を見せた。



「こちらがモントヴェルト様のお部屋になります。足りないものがございましたら、侍女にお申し付けください。」


「分かりました。」


ここで、アミールとミーシェは別れた


「お荷物は、お部屋にお運びしてあります。」


「ありがとうございます。マヤお願い。」


「はい。畏まりましたわ。」



マヤは部屋中をこまめに確認し


「どうぞお入り下さい。」


ミーシェはうなずきリリーと共に中に入った。


リリーとマヤが荷物ほどきを始めた。



この景色やっぱり見覚えがあるのよね。いつ見たのかしら?


リリーが淹れてくれた紅茶を飲みながら考えているとノック音がした


マヤが扉に近づき


「何方でしょうか?」


「エマール帝国 第一皇子 《アクアジェンニ》 と 申します。モントヴェルト嬢 中に入れてもらえませんか?」


マヤの視線にうなずいた。


ミーシェは立ちあがり、アクアジェンニ様を出迎えた。


「エマール帝国へようこそ。お疲れのところ突然押し掛けて申し訳ない。私の名は《アクアジェンニ・ローム・レグルス・エマール》と申します。以後お見知りおきを。」



あっ!《アクアジェンニ・ローム・レグルス・エマール》って!続編キャラに出るって言ってた!結局発売前に死んじゃったから内容が分からないけどね。



「お会いできて光栄です。アクアジェンニ・ローム・レグルス・エマール様。わたくしの名は、ミーシェルミツキ・モントヴェルト と申します。


こちらこそ、いきなりの視察を受け入れていただきありがとうございます。」


2人ともソファに腰を下ろしマヤが入れた紅茶をひと口飲んだ


「ミーシェル嬢とお呼びしても?」


「はい。構いませんわ。」


「では、私のことは、アクア とお呼びください。」


「いいえ!愛称でお呼びするわけにはまいりませんわ。」


「そうですか。……では、二人だけの時は良いでしょう?」


上目使いは卑怯よ!


「………分かりましたわ。アクア様」


「様も敬語も無しにしませんかミーシェル嬢。」


「お許しください。」


「分かりました。今は、ここで引かせてもらいます。それで、本題ですが。」


先程の穏やかな空気が張りつめた刺々しい空気に変わった。



油断ならないわね。


彼から目をそらさずに


「マヤ・リリー。少し席を外してちょうだい。」


「……分かりました。何かあればお呼びください。」


マヤが何か言いたそうなリリーを連れて外に出た。


「それで、本題はなんでしょうか?」


「話が早くて助かるよ。これは、君の知り合いかな。」


彼が懐から取り出した小型の水晶クリスタルをミーシェに渡した。

ミーシェは水晶 《クリスタル》 にかかっていた阻害魔法を消すと


なっ!チャーリー!?


「彼が絡まれていたから助け出そうとしたら、言葉が通じなかったから これ《クリスタル》 の中で大人しくしてもらっただけだよ。彼を知っているかな?」


顔は笑っているのに一つ一つの動きを見られている。ミーシェは驚いた顔を作り


「まぁ!途中で隊を離れてしまった方ですわ。彼を探していたのですわ。ありがとうございます。」

..

「偶々街の視察に出ていたら出会っただけだよ。気にしなくて良い。」


..

偶々ね。本当腹黒。上手く考えが読めないわね。


「本当にありがとうございます。お礼と言っては、なんですがこちらをどうぞ。」


「これは、そちらの国の名産物で手に入るのが5年後と言われてる品ですね!この様な物を良いのですか?」


「はい。私の護衛を助けていただいたお礼です。」


「では、ありがたく頂きます。」


ミーシェは水晶クリスタルをポーチに入れ紅茶をひと口飲んだ。


「あぁ~そうだ。ミーシェル嬢はアルヒアン王国で珍しいく魔力が多いと小耳に挟んだのですか。」


「まあ!その様なでたらめの噂が流れていた だなんて、お恥ずかしい限りですわ。極普通の魔力ですわ。それに、もし仮にそうだとして自国から視察の為だけに出してもらえるでしょうか?」


お互いに探り会いをしていたら………


「それもそうですね。では、これもただの噂でしょう。《ミーシェルミツキ・モントヴェルト公爵令嬢は 光魔法を使える》

て言う事を聞いたもので。」


ミーシェは引きつりそうになる笑みをかろうじて堪え


「まぁ!その様な嘘まで流れていたのですか!?アクアジェンニ様は、まさかそれを信じていた なんて事有りませんわよね。」


彼の瞳に炎が揺らめいた気がした。


少し煽りすぎたかしら?


「ただ気になっただけです。信じてなどいませんよ。」


「そうですよね。」


「レディーの部屋に長居をしました。では、また明日お会いしましょう。ミーシェル嬢。」


アクアジェンニはミーシェの左手の項にキスをしてから外に出た。


ほどなくして、マヤとリリーが戻ってきた


「マヤ、戻ってきたところ悪いけどアミール殿下にお伺いしても良いか聞いてきて欲しいの。」


「分かりました。」


「リリーは他の服を出して」


「分かりました!」




渦巻く不審な影に足を踏み入れる事になったとは、思いもしなかった。


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