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過去編 影の護衛

殿下と私が会ったのは5歳の頃だったわ


幼いなからにして礼儀作法は完璧で勉学も、習う範囲も終えてしまい時間をもて余していた。いつもなら図書にある魔法関連の本を読んでいたけど、この日は外に出たくなり侍女のマヤを連れてお母様の部屋の前を通り過ぎようとしたとき


『ヴライアン魔物討伐に東の森に行ってちょうだい』


『分かりました 母上。』


そのあとも会話は続いていたが一度部屋に戻り


「マヤ。動きやすい服装に変えるわよ」


「お嬢様!魔物討伐に参加されるつもりではありませんよね。」


「東の森へ行くつもりはないわ」


「それならいいのですが。」


マヤによって動きやすいとても令嬢とは思わない服装にストレートに伸びた髪の毛を頭の上でお団子にしてもらった。


「念のため人数を増やして参ります。」


「大袈裟よ。」


「いいえ!もしお嬢様何かあれば一大事でございます。」


「………分かったわ」


「絶対にこの部屋にいてくださいよ!勝手に出歩いたら奥さまにお伝えして謹慎にしてもらいますよ!」


「分かったわ。」


マヤが外に出たあと私は短剣を2本を装着し元の椅子に座った瞬間


「お嬢様 準備は終わりました。」


「では、行きましょう。」


今回の護衛人数は マヤ とお父様がお育てになった影の2人 兵士5人


といつもより人数が多いが気にせずに家を出ると庭に1グループ 15人 編成で計8グループと120人 が整列していた。


今回は多いのね。20人で行っていたのによほど大量発生したのでしょうね。お兄様は、魔法が使えなくても剣は一流だから大丈夫でしょう。


「ミーシェ!ああ、僕のかわいい天使よ。どこへ行くんだい?」


……あ 捕まってしまったわ


「少し外に出掛けてきますわ。」


「魔物が大量発生しているときに危ないよ!愛しのミーシェが怪我をしたらどうするの?いっそのこと僕もミーシェについていこうかな。」


「お兄様。民を守るのがわたくし達のお役目ですわ。領民を疎かにしては、生きては行けませんわ。」


「……分かってるよミーシェ。気を付けるんだよ。」


「はい。お兄様もお気を付けて。天の御加護がありますように。」


お兄様は苦笑いを浮かべながら彼らの前にたち


「今回の出没は東の森。前回よりも大量発生している。誰一人欠ける事なく戻るぞ!」


「「「おお!」」」


次は私の出番ですわね


お兄様の横に立ち


「皆様に神の御加護を!!」


いつもと同様白魔法を使うとこの日だけ金色に光る光の粉らしきものが降ってきた。兵士達は驚き


「奇跡だ!」「神の御加護だ!」「お嬢様は女神だ!」


と言っていたがお兄様も もちろん私も それどころではなかった。


何が起きたの?皆様に薄い金色の結界が張られているわ。今までこんなことは無かったはずよ。


ミーシェが困惑している横でヴライアンはと言うと


こんなに暖かく守られている。それにとても安心する。……………まさか!これが光魔法だと言うのか!?ミーシェが……こんなに幼いミーシェが光魔法を使えるなんて天才だよ!


魔法波が分からないヴライアンは直感的にそう感じた。


「ミーシェが僕たちに加護をくれた!恐れる事なく暴れてから戻ってくるぞ!」


「「「「おお~!!」」」」


先頭の馬に乗って進行して行くお兄様を見送り姿が見えなくなった


「さて、私達も行きますわよ。」


「はい。お嬢様」


マヤが連れてきたスティーブンの綱を握りながら


「スティーブン。今日は忙しくなりそうよ。」


と言い頭を撫でると頷くように頭を振った。




ミーシェはヴライアン達とは真逆の西ノ森に向かった。

その理由は 心がそちらに行けと叫んでいるから。


心が叫んでいるときは大抵重要な出来事が有るからだ。


駆ける事四・五 十分 西ノ森に着いた


いつも入り口にいる小動物が一匹も見つからなかった。


これは何かあったのね。この森にも魔物が発生した可能性が高いわね。


護衛の彼らに注意をするよう促し静かな森の中へ足を踏み入れた。


おかしいわね。大型動物の気配も無ければ、鳥や蟻の姿も見えないわ。


更に奥に進むと1頭の馬が瀕死常態て倒れているのを見つけた。


私は直ぐ様近づき白魔法で少しでも痛みを無くそうと魔法を発動させた。


また あのときと同じだわ。金色の光がこの子に降り注いでるわ。


「マヤ!この子をあそこに連れていって!助かるかもしれないわ。」


「しかし、お嬢様!あそこは……」


「大丈夫よ。この子は魔物にはならないわ。」


マヤは訝しげに移動魔法で馬と一緒に姿が消えた。


「さぁ行くわよ。」


更に奥へ行くと魔物の死体が転がっていた。


仲間同士の殺し合い?……………いいえ。これは人が使った魔法ね。でも、水魔法で魔物を殺すことなんて出来るのかしら?


影の護衛である魔術師か私の横に来るなり


「これは、相当魔力が強い者の仕業でしょう。ミーシェ嬢と同じくらいかそれ以上か。一度お会いしてみたいですの。」


「あら!珍しいわね。 クラさん が興味を持つなんてね。」


「おや!?ミーシェ嬢は、私の姿が見えるのですか?」


「?えぇ。見えているわ黒いマントを被り白色髭を生やしているわ。見た目は30前後に見えるけど………それも魔法で偽っているから60ぐらいかしら?」


「……………!!おぉーー流石 ミーシェ嬢じゃ!この老いれの姿を見抜くとわさすがじゃ!」


「貴方の姿を他の人は見えないってことかしら?」


「そうじゃ。この声さえも聞こえている者がいるかどうかじゃな。」


「いつも貴方はお父様とお話をしていたわよね?」


「あの方は特別じゃ。わしを常に意識しておったからな。」


「その事はあとで聞くわ。今は先に進みましょう。」


「そうじゃな。」


森の中心部に近づくにつれて闇の気配が強くなってきた。


護衛のなかには気絶する者や闇の気配に飲まれかけている人も出始めた。


「闇が強くなってくるわ。耐えられないものは、入り口まで戻りなさい!」


「しかし!……」


影の2人と私以外は顔色が青ざめているのが分かった


「これは命令よ!倒れた者を一回一回入り口まで戻すのに時間がかかって邪魔なのよ。5人とも入り口に戻りなさい。」


「…………お嬢様。ご無事でお帰りください。」


「えぇもちろんよ。」


彼らが入り口に向かったのを確認してから


「さてと、クラさんとクミトさんは大丈夫かしら?」


「ホッホッホ~。わしだけでなくクミトまで見つけるとわ流石じゃな。」


「二人とも始めから着いてきていたのは知っていたわ。」


「だ そうじゃ」


「せっかく まともに《影の護衛》として気配もふざけもなしでやったのによ~!

始めからばれていたなんてな。」


「貴方は16かしら?」


「おうよ!俺は16でお前の影の護衛を任されている。コードネームがクミト。

よろしくな!ミーシェ嬢。」


「クミト様?くん?…………クミトお兄様!よろしくお願いいたします。」


「なぜ お兄様呼び!?」


「呼びしては可笑しいでしょう?様 は 少し違うわ。くんは あわないわ。 年上だしお兄様見たいに優しいもの! だからクミトお兄様!私の2人目のお兄様よ。」


ミーシェは無邪気に説明するが、クミトもクラもこの先の行方を気にしていた。


そして3人は闇の気配をものともせず中央に到着した



次回も過去編です。

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