脱出
アミール王子のおかげて闇のフィールドに捕らわれた私と王子。
王子に異空間内に入ってもらった。私は聖霊に借りを作りたくなかったが、生きて出るため聖霊を呼び出した。
「『孤高なる聖霊よ 妾とそなたらで囲いし闇を祓いたまへ』」
これで聖霊が力だけを貸すと私は聖霊に借りを作ったことになるが、ごく稀に聖霊が自分の子と認める場合がある。認めるには必ず試練を与えられ試練を乗り越えればその聖霊の子と認められる。そして借り(対価)を支払わなくてすむ。
『そなた次第じゃ。そなたが、我の力に耐えればこの力を授けようぞ。ただしこの力に呑み込まれれば、跡形もなく消えるであろう。光の子よ健闘を祈る』
と言われた。そして与えられたのが聖霊の力をコントロールすることだった。前世の記憶を思いだしその主人公と同じやり方で聖霊の力をコントロールできた。
こうして闇のフィールドは壊せたがまた一つの問題が発生していた。
◇◇◇◇◇◇◇
私はフィールドに浮かび上がった文字を読み解きながら地面に文字を書き連ねた。
さてと これは厄介だね。どちらかの命が果てるまで解除不能だったんだよね物語では。
物語では、秘密結社がヒロインを誘拐し彼女助けるためアミール王子が秘密結社のリーダーと戦う。
確かこんな感じだったと思う。
『アミール王子ようこそお越しくださいました。』
『彼女返せ!』
『返して欲しければ私と死合しませんか?』
『死合だと?』
『そうです。文字通り生死をかけた死合です。まぁ、王子と言う立場で死に直面したことも無いでしょうがね。』
『リリアを返してくれるなら受けてたつ!』
『ダメですアミール王子!』
『安心しろ必ず生きてリリアを連れて帰る。』
『今生の別れは済みましたか?』
『いいや。これは、再開の挨拶だ。』
と言って秘密結社のリーダーが闇のフィールドを作り出し激闘を繰り広げる。
って言う物語なんだけど……血の契約についてはほんの少ししか乗ってなかったんだよね。
バッドエンドで、アミール王子が死にかけたときリリアが聖霊の力を借りて闇のフィールドを壊す。そして近づこうとするが血の契約のせいで彼のもとへ行けなかった。リリアは一か八かで 洗礼の槍をやるが傷一つつかない。変わりに治癒魔法を外から唱え続けた。そうしてアミール王子はギリギリのところで勝ったが、二人とも魔力つきて死ぬ。
という話だったはず。
だからこれの壊し方を知らないんだよね。この状態でもしアミールを殺せば私は闇を背負うことになる。また私が殺されれば、アミールは闇を背負うことと王としての自覚が問われるだろうし。どうすれば良いのだろうか?
「おい。ミーシェルミツキ闇こフィールドは壊せたか?」
そう言えばまだ異空間の中にいたんだった。
「闇のフィールドは壊せましたけど、もう一つ問題が発生してまして…………」
まてよ。異空間を開けるならその先に他の出口が有るのでは?
「もう一つの問題ってなんだ?」
試してみる価値はありそうね。
「おい!聞いてるのか?」
「えぇ。どうにか解決の糸を見つけましたわ。」
「本当か!」
「えぇ。ですがアミール殿下次第ですわ。」
「俺次第とはどう言うことだ?」
少しは自分で考えてよね!
「アミール殿下がどれだけ闇魔法を使えるかどうかですわ。異空間をどれだけ正確に把握しているかによって、状況が変わりますわ。」
「成る程な。異空間を使いこのフィールドの外に出られたら良いのだな?」
「えぇ。しか………」
「では、付いてこい。」
だ・か・ら!!人の話を最後まで聞けっての!
アミール殿下に手を引かれ暗闇のなかを歩くこと数分?光の粒子が見えた。私がアミール殿下を引っ張りそこから出ると国王様達の目の前に出た。
やっぱりそうだったんだね。血の契約は、血を流せばその者を永遠に隔離できる物であって穴を開けてしまえばそこから出入り自由というパターンだったのね。
「ミーシェルミツキ嬢。愚息が申し訳ないことをした。」
「皆様お顔をお上げくださいまし。」
「しかし!」
「国王。我が娘がそれを望んでいるのだよ。」
お父様の言葉で王族一家は頭をあげた
「この度の騒動は私の咎でございます。私が言葉足らずでこのような事態を招いてしまったのです。どの様な沙汰でも慎んでお受け致します。」
深々く礼をすると
「面を上げよ。この度のことは咎める事はない。我が息子の責任でもある。それに、そなたは、アミールの命もじぶんの命も護ったのだから賞賛することはあっても咎める事はない。魔術師たちに聞いたが闇フィールドとやらに捕らわれたら術者を殺るしかないのだろう。それを覆したのだから新たな魔法としてこれを賞する。」
「ありがたき幸せでございます。」
「これからもそなたには、期待している。」
「ご期待に添えるよう日々精進していきます。」
「疲れただろう。今日は、王宮で休むがよい。」
「いいえ。その様なことは出来ませんわ。明日は用事があるゆえ本日は、帰らせていただきますわ。」
「……そうか、また会おうぞ。」
私は去っていく国王様 王妃様 を見送り未だに呆然としているアミール殿下に
「明日、学園でお会い致しましょう。」
一言だけ告げ移動魔法で自室に戻り布団にダイブした。
あ~あ あれで婚約破棄できると思ったのにな。そう簡単に行かないか。
また何か作戦を考えないとね。




