婚約者!?幽閉ルート回避策
暫く寝たっきりだったため体力を戻すことにした。マヤに動きやすい服を選んでもらい……(そうとう言い合ったけどね!)公爵邸の間取りを自分の目で見て確認したいため歩きまくった。始めに向かったのは、図書館。
うわ~広すぎでしょう⁉学校の体育館の3倍の広さだよ。学校の図書館の6倍は有るかな?ダンスホールにもなるんじゃないってほど広々してたし所狭しと黒い革で覆われている高そうな本やカバーに入った本 魔法参考書に国の歴史・地図に生物・植物図鑑 公爵家の歴史・志し 何てものもあった。
次に向かったのがお父様の書斎。
仕事に行ったとのことでこっそり覗く事にした
見た瞬間 ここは教室ですか?と思った。
左右の壁には本棚がずらっと列べられていた。各地の地図 領主の写真と名前家族構成 秘密書の在り処等本当に有るのか?と思うものが多かった。そんな中木製の机と黒の椅子が堂々と一番奥に堂々と置かれていた。机の上に一束の書類が置かれていた。『治癒の開発』と書かれていた。内容は次の通り
『いまのところ、治癒魔法は光魔法の一種だと考えられる。当日使われていた治癒魔法は、無系統魔法とされていた。そしてその魔法が使用者が10万年前の『モントヴェルト』家当主だと言うことが発覚。しかし魔法属性診断結果は チェスター・モントヴェルト宰相は光属性を持っていない
第1児 ヴライアン・モントヴェルトも光属性を持っていない事が発覚。第2児 ミーシェルミツキ・モントヴェルトはまだ幼いため検査は出来ない。』と書かれていた。
ふん~確か治癒魔法が使えたのってヒロインの子爵令嬢と私だけだったはず。子爵令嬢の方が私より先に治癒魔法を習得したためお父様の命令で、お兄様が子爵令嬢と仲良くする姿にやきもちをやいて、嫌がらせをし始めたんだった。ブラコンだな私。先に治癒魔法を習得したらそんなことも無くなるんじゃ!一つめのバッドエンドグラフが回避出来るじゃん‼早速行動有るのみ。
書類をもとの位置に戻し振り返ると、怖い顔をしたお父様がドアの前で仁王立ちしていた。
ひぃ~!何でいるの?仕事に行ったんじゃ無かったの?兎に角令嬢らしく落ち着いて
「お父様?お仕事に行かれたのでは無かったのですか?」
「机に置いてある書類を忘れたから取りに戻っただけだよ。」
いまはその笑顔や優しさが怖い!
「これですね。」
さっきまで読んでいた書類をお父様に渡しそのまま部屋を出ようとすると
「 ミーシェ。」
「はい、何でしょうか?」
「お前は、治癒魔法についてどう思った?」
完璧にばれてる!
背筋に冷たい汗が流れた
「是非使えるように成りたいですわ。そうすることで大勢の人々を癒やせるのですから。」
本心を伝えるとお父様は複雑な顔をしながら
「受けに行くか?」
一瞬 何を?と言いかけたけど直ぐに診断の事だと分かった。
「…ええ、お父様。私受けに行きたいですわ。使えるのであれば、皆さんをお助けしたいもの。」
「………分かった。ミーシェ私の腕に捕まれ」
大人しく腕に捕まるとふわっとした感覚の後落ちる感覚がした。まるで飛行機の離着陸のようだった。
目を開けると白い壁に囲まれた部屋の中にいた。
そこには、沢山の魔法道具が置かれていた。
お父様に連れられ奥の部屋にはいると5人の男性と4人の女性がいた。お父様はそのうち年配の男性に話しかけ私を紹介した。
「 ミーシェルミツキ・モントヴェルト 私の娘だ。」
お父様の紹介のあと令嬢らしく裾を少しあげ
「 ミーシェルミツキ・モントヴェルト と申します。以後お見知りおきお」
年配の男性は
「これはこれは 、ミーシェルミツキ様お初にお目にかかります。治癒魔法の研究をしております『クラル・ネモフィラ』と申します。」
ネモフィラは、お父様の方を向き
「お嬢様が来られたと言うことは、受けられるのですね。」
「そうです。」
「では、ミーシェルミツキ様こちらへ。」
着いていった先には複雑な模様をした陣が書かれその陣を囲むように様々な魔法石が置かれていた。
例えば水色の魔石は水属性 緑は風属性 と色によって異なる。
私は陣の中央で立ち年配の男性こと ネモフィラが言う通りに合図と共に魔力放出をした。
魔力放出は己の中にある魔力や属性を関係無く解き放ち相手への威嚇や実力差を知らせるために使われる。
空を飛んでるような解放感や自由な感じで体内から溜め込まれてた物が解き放たれた清々し感じだった。ふと現実に戻り魔力放出を止めると、先程まで眩しく輝いていた魔石が光を失いもとの色に戻った。1つの魔石を除いて。
ネモフィラがなにも言わないので、1つだけ神々しく輝いてる魔石に触ると光が弾けて私の中に放出した魔力が戻ってくるような感じがした。
何となく、本当に何となくだけど移動魔法を使い大怪我を被った騎士の元に移動した。
展開する前にお父様とネモフィラの声が聞こえたが気付いてなかったふりをした。
目の前には大怪我を被った騎士と死ぬのを待っている一頭の馬がいた。(ここは、戦場の救護班テントの中。)そこにいた誰もが私に警戒向していたが、名前と歳・出身国を告げ家紋を見せると警戒を解きその代わりに驚きや驚愕が読み取れた
その中で救護班の リーダーらしき女性が
「何しにこんなところへ来られたのですか?ここは、戦場の真っ只中の救護班テントの中です。公爵家のご令嬢が安易に来ても良いところでは有りません。ただちに戻りなさい。」
私は彼女の忠告に
「このままではこの人も亡くなってしまいます。私なら彼らを助けることが出来ます。」
「助けられる訳がないでしょう⁉そんな魔法なんか知らないのに。」
安心させるように
「私の家系は昔治癒魔法を使ってたの。そしてその検査で、唯一使えるの。」
見ててと言うように馬に手をかざし前世の乙ゲーでヒロインが唱えた言葉を発した。
一瞬瞬くほどの光が馬が怪我したところに入っていった。光が消えた瞬間傷は癒えた。
回りからどよめきや拍手が鳴り響いた
良かった!何となくただ感に近かったけどちゃんと治せた!
救護班のリーダーの謝罪を受け入れ重傷な人がら傷口を癒し生命に関するほどの大怪我を被った人は、直ぐには目を覚まさなかったが次の日には目を覚ましたと報告が来たそうだ。
全員を治癒魔法で治し、休憩をしていたら兄さんがテントに表れた。
「ミーシェ!こんな所にいたのか!?
どれだけ探したと思ってるの。皆ちなまこになって探して国王様が危なく騎士を派遣するところだったんだぞ❗」
………いま何て言った?国王様がたかが公爵家の令嬢のために騎士を派遣するって聞こえたような?
「……お兄様、先程何と仰ったのですか?騎士を派遣するって聞こえたのですが」
「そう言ったんだよ。国王様が第1王子の婚約者にミーシェを選んだんだからその王太子妃に何かあったらいけないからね。」
待て待て!このままでは幽閉ルートに成る気がする。王子は私の才能に疎ましく思い、いつも様々な表情を見せてくれる保護欲を感じさせる伯爵令嬢に好意を寄せる。私が伯爵令嬢に嫌がらせをした事を言いふらすことで邪魔な私との婚約破棄が出来る。婚約破棄を告げる日は王子の誕生日で発表し私の治癒魔法を欲しがる国王様は、私を側室として幽閉される。
絶対に回避しないけないじゃない!
きっと治癒魔法の事は既に広まってるだろうし、それなら魔術騎士になれば幽閉されなくても回避出来るんじゃ!
お兄様やお父様に魔術騎士成るためにいろいろと教えてもらわないと。
気がつけばお父様とお母様の説教も終わっていた。
そんなに長く考え込んでいたかしら?
早速お父様に許しを貰うために話しかけた
「お父様、お願いがあります。聞いてくださいますか?」
不安そうに聞くと
お父様は笑顔で
「何でも叶えてあげるよ。言ってごらん」
「はい。私に魔法や剣・乗馬を教えてもらえませんか?」
お父様は顔をひきつりながらも
「どうしてやりたくなったんだい?」
「自分の身は自分で守りたいのと馬に乗って王子様と駆け回りたいからです。」
お父様は沈黙のあと
「………分かった。家庭教師を雇おう。それでいいね。」
「はい!お父様。ありがとうございます❗」
と言って自室に戻りながら少しでも幽閉ルートから逃げる手だてを考えた。