転生先
柔らかく包む感じのベッド。
眼を開けた瞬間見えたのが!どんな女の子でも憧れる天蓋付きベッドですよ❗!広々とした部屋。まるでお嬢様ですよ❗冷静になって考えると………えっと……
ここはどこ?ってなるんですよ。
私は『椎屋 深津希20歳』確か大阪の専門学校からの帰りだったはずよね?その後寮についていつも通り部屋に入ったときに……あっ思い出した❕不法侵入者がいたんだ。でそ男性が刃物をもって襲いかかってくるから投げ飛ばそうとしたけど、背後からもう一人の男性に捕まり……返討で刺されたんだった。まだ20歳で彼氏もいないしやりたいことが残ってたのに❗ そんなこと言ってられないよね。
そしてもう1つお話がありまして
ここは私が気になってやってたゲームの世界のようです。何故分かったかと言うとですね、私の中のわたくしのいままでの記憶が流れてきたんですよ。言わば転生って言うやつですね。この世界での名前は『ミーシェルミツキ・モントヴェルト』姓が後で名が先ね。公爵令嬢でお父様がよくあるパターンで宰相で名前が『チェスター・モントヴェルト』家族構成は、お父様・お母様・お兄様・私 の四人家族で領地の別邸にはお母様が使用人といる。お父様・お兄様・私は本邸で暮らしてる。理由は簡単よ、だってねお兄様と私は学園に通わなければならないからね。お兄様は3年で私が今年入学だから2年しか被っていない。
ノック音がしたのでそちらを向くと私専属の侍女『マヤ』が入ってきた。私が起きていることに気付くと、いつもお淑やかなマヤがタオルを落とした。
「ミーシェお嬢様!お目覚めになられて良かったです。❗旦那様にご報告を!!いえそれよりも欲しいものはありませんかお嬢様」
私はかれた声で
「…み ………ず……………う………い」
「少々お待ちください❗」
マヤがコップに水を入れて持ってきてくれた。令嬢らしくないがそれを一気に飲み干し「マヤ、もう一杯貰えるかしら?」
「はい!」
コップをうけとり飲みきって
「ありがとう。」
「!!いえ、あっそうだ。旦那様にご報告しに行って参ります。」
マヤが部屋から出て直ぐに……本当に伝えたのかと言う位の早さで戻ってた。勿論お父様を連れてね。お父様は、私の元に来ると厳しそうだった顔が瞬時にほっとした顔になり
「ミーシェ。良かった、目を覚ましたんだね。」
「はい、お父様。ご心配をおかけしましたわ。」
「良いんだよ。お前が元気でいてくれれば。」
「お父様、1つお伺いしてもよろしいですか?」
「なんだい?」
「私が寝込んでからどれくらい経っていますか?」
「5日だ。」
お父様が答えた瞬間私の横に光が現れそこからお兄様が出てきた。
「ミーシェ!やっと目覚めたんだね‼入学試験の最中に他の生徒の魔法が直撃してからまったく目が覚めなかったんだから心配したよ‼」
といって抱きついてきた。
そう、妹に甘いこの人が
『ヴライアン・モントヴェルト』私の兄でお父様と同じで整った顔に厳しめな眼をしている。それに鍛えられた身体どんな女性でも魅了させてしまう兄だ。そう思うとお父様も結構美形なんだね。
抱きつかれたまま
「お兄様、ご心配お掛けして申し訳ございませんわ。」
「ミーシェが目覚めただけで十分だよ!」
「兄妹仲が良いのは分かっているのだけどね、私もミーシェとお話がしたいんだけどいいかしら?」
お兄様は振り返らず
「まだ私が話してます。後にしてください!」
「まぁ!」
このままではブリザードになりそうな気がする。
「お兄様、私はお母様ともお話がしたいです。」
お兄様は困った顔をしながら
「お母様は、領地にお居れるからこちらに来られるのは明日になると思うよ。それにお母様は、ミーシェよりも仕事を優先するだろうからね。」
お兄様の後ろにいるお母様の目が鋭くなった。
ヤバ!教えた方がいいよね?
「……お兄様、お逃げください!!」
「どういう――――」
きっと 『どう言うことなんだい?』って言いたかったんだろうな……。
途中でお母様の鉄拳が降ってきた為言いきれず、お兄様はギリギリで避けお母様のお顔を見るなり慌て出した。
「!は 母上どこから聞いておられたのですか⁉」
「そうねぇ。」
と考えながらニコッと笑い
「貴方がミーシェに抱きついたところからかしら?」
お兄様の顔色が青くなり
「……始めから聞いておられたのですね。」
「えぇ、そうよ。だから私も我慢して兄妹のお話の邪魔をしないようにチェスタ―と共に見守っていたのよ。」
お兄様は私を見るなり
「何故教えてくれなかったの?」
「そ、それは……」
流石にこの場で、『お母様の冷たい視線に笑みが張り付いていて、怖くて言えなかった。』なんて言ったら後が怖いので言いよどんだ。
お父様は、会話を変えるように
「そう言えば、ミーシェが気を失っている間に魔法操作を誤った子息が謝罪に来てたぞ。」
お父様達にいろいろ言われ無かったかしら?気づくのが遅かった私のせいでもあるのだから、追い詰められてなければいいのだけど。
「お父様、その方はなんと言うお名前なのですか?」
「…確か伯爵の子息で名前が
『マックス・ヴィオレット』とか言ってたと思うが、聞いてどうする気だ?」
「ただ、お見舞いに来られたのですからお礼の1つはしたいと思いましてね。」
「流石、私の娘だ!心が広いし家族として誇りに思うぞ!」
少し冷気を含んだ空気が回りにあるような……
「あらあら、流石ミーシェですわ。私が産んだ子だけありますわ。」
「ミーシェは誰よりも心が広くて可愛い僕の妹だね。」
最後にハートが付きそうな気がしたのだけど気のせいだよね?