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どうやら第2王子と遭遇したようです。

「僕の名前は、ロン。」


「私の名前はジルと言います。」


茶髪はロン、黒髪はジルらしい。

ジル、か。どう考えても第2王子の名前のジルクハイドの略称じゃねえか、おい!


「君の名前は?」


「佐藤です。」


「サトウ?変わった名前だね。」


この名前に、この格好ならマリア・シャルティアスとは思われないだろう。


装備一式には武具と黒髪ショートカットのカツラを用意していたのだ。ああ、そういえばカツラと言うとウィッグだからと訂正する友達が前世にいたなぁ。


「それで、サトウさんはこんなに朝早くからどうしてダンジョンにいたのですか?」


ジルが不思議そうな顔で尋ねてくる。


「さん付けとかなくていいですよ。まあ、ちょっと気晴らしに。」


「私のこともジルと呼んでください。」


かわいい笑顔でそういったジルを見て顔がにやけそうになるのをなんとか堪える。ショタコンってわけじゃないけど、ジル、可愛すぎるだろ!


「気晴らしにしても、1人でここまで倒してくるなんて、普通の男の子には無理だよ、普通。」


あ、れ?これって、もしかして?もしかしてだけど?!

男の子と勘違い、されてる?

これは、ラッキーかもしれない。


「運が良かっただけですよ。ロンさんこそ、お二人だけでここまできてるじゃないですか。」


「僕もさん付けしないでね。君が倒したからだろうけど、僕らんとこには殆ど何にも出てこなかったからね。」


「それはすみませんでした。お二人こそどうして、こんな時間にここへ?」


「私たちも気晴らしかな?そしたら、死亡フラグなう?みたいな叫び声が聞こえてきたから駆けつけてきたんです。」


うわぁああああああ!がっつり聞かれとる。恥ずいぜ。ただ、死亡フラグなう?でハテナつけて首を傾げてるジル、まじかわなんだけど!!


「ちょ、ちょっとした掛け声ですよ。」


ジルたちと喋りながらダンジョンの安全地である泉の近くで、水を飲みながら休憩する。




「ぐぅ〜。」


……。


「…サトウお腹空いてるんですか?」


うわぁああああ、乙女にあるまじき行為!

今は乙女とは思われてないだろうけど顔がすごくあつい。



「僕たち朝食持ってきてるから、サトウも一緒に食べる?」


そう言いながら、ロンがパンを出す。

空腹は最大のスパイス。

めちゃめちゃうまそうだ。


「…お言葉に甘えて、いただきます。」


今度から、装備一式に保存食もいれとこう。

そう決意した瞬間だった。



「じゃあ、サトウ。僕らはもう少し先に進むけど、君はどうする?」


「一緒に行ってもいいですか?」


「もちろんです。サトウがいれば私たちも心強いですしね。」


ジル、いいやつだよ、本当に。

いつも仮病使って会わずにいてごめんよ。

と言ってもこれからも仮病使うけど…ごめんよ…



「前方よりゴブリン三体です。」


「サトウ、索敵魔法も使えるんだ。すごいね。」


「ありがとうございます。」


どうも独り言が過激なもんだから、索敵魔法覚えて人が来たらやめるようにしようとしたんだけど、どうも独り言言ってる時は索敵魔法使うのを忘れちゃって意味がなかったんだよな。


「俺は近接型なんで、援護お願いします。」


そう言ってナイフで右側のゴブリンをぶった切る。


「ライジングボルト」

「ウォーターボール」


魔石を刈り取って、残りを見ると倒れたモンスターがダンジョンに喰われている。どうやら瞬殺だったらしい。


「ジルは珍しい光魔法持ちなんですね。驚きました。」


ナイフについた血を拭き取りながら、そう述べる。


この世界には四大魔法がある。


火魔法、水魔法、土魔法、風魔法の四つで、生まれつき持つ属性により得意魔法が決まる。

ちなみに索敵魔法は無属性魔法なので、鍛錬と才能次第で使えるようになるのだ!


ふっふっふっ、私は才能があるのかもしれん…!



そしてそして。光魔法と闇魔法だが、これは後天的に使えるようにはならない。

生まれつきに1つだけ備わるタレントというものなのだ。

だからこそ、光魔法持ちと闇魔法持ちは極端に少なくなる。



「はい。ですが、まだまだ使いこなせませんから。」


「一発で熨してるでははないですか。ご謙遜もほどほどにお願いしますよ。」


光魔法持ちの第2王子か。

結構ヒントっぽいけど、全く原作を思い出せない。私の脳みそはやっぱりポンコツだ…でも、仕方ないんだ…なんかすごい王子様っていっぱいいたんだもん…仕方ないんだよ…たくさん物語読むことって悪いことじゃないし!というか逆に良いことじゃないか?!つまり、どのストーリーかわからん私は素敵なジェントルマンってことかもしれない!ふっふっふーさすが私だ!



「サトウこそ、ナイフさばきが上級冒険者並だよね。」


「あ、ああ、そういうタレントなのですよ。」



魔法は属性がばれやすいから、身バレ防ぐためにも使用を制限しないと。ちなみにマリアの属性は風魔法だ。


「ナイフのタレント持ちなんですね。」


「はい。」


正式にはナイフではなく武器なんだけど、いろいろバラすと、マリアとして会った時にサトウ=マリアじゃね?と思われてしまうかもしれない。



「じゃあ、どんどん進みましょうか。俺は今日は暇なので。」



「私たちは昼頃までは空いてますので、もう少しおりて、ひと段落したら切り上げましょう。」


そっか、第2王子だもんね。忙しいよね。

私も今日は歴史の先生がやってくる日だ。ぶっちしてすまん、先生。




「右の道にスライムがいます!」


こうして、私は家出していることも忘れて、ジルとロンとダンジョンで暴れるのであった。





もう、隠しきれない王子オーラが溢れ出しちゃってますよ、ジルさん!!

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