ダブルクロスリプレイ無印の感想。
記念すべく一回目は、「ダブルクロスリプレイ無印」の二冊から行きます。
ダブルクロスとしては、多分、二本めなこのシリーズ。
「力なんていらない。」日常を愛する、檜山ケイト。
「はにゃあぁ!また全滅ですか!!」こいのぼりな、薬王寺結希。
「0,02秒遅い」すっとこヒットマン、上月永斗。
「ざ、残高、さんじゅうにえん」薄幸のイリーガル、上月司。
こんな4人ときくたけさんで送るダブルクロスリプレイ。
一応、リプレイ中の時間を素直に受け取るなら、2巻は、サードエディションな時間軸になるが投げよう、うん。
この二冊のうち一冊めは、プレイヤー側が勝ったルートが、基本ステージになり、負けたルートが設定上はステージ《エンドライン》に繋がる仕様なのは中々にスリリング。(後付け設定ながら、知った上で読むと結構クる)
作中もそうですが、雰囲気で言うなれば、冬な作品です。
特に一回目クライマックス直前は。
しんしんと降る雪。
さくさくと踏みしめる雪。
十年来の親友との袂を分かつ別れの言葉。
そして、向かい合う刃!
違うRPGの台詞だが、ケイトの心境を示すなら、この台詞。
「もういないお前の為に!」
――ジャーム化すれば、戻らない。
そして、ジャームは日常を食い荒らす。
ロイスを結んだ相手から最初に食い荒らすのだ。自分が執着した相手から。
それを差し引いても、ジャームには通常『理性』はない。
数少ない例外が、FH上級幹部だったりするんだけども。
満腹と言う概念がある分、動物園から逃げ出した猛獣の方がマシだろう。
或いは、2話目。
―『わたし、ひっこすんだ』
―『おとなになったらまたあおうよ』
―『やくそくよ』
そんな淡い恋とも呼べないような幼い火の約束。多分、「神崎葵」の研究、設定に整合性を求めるなら、親父さん(初代日本支部長)や日本支部は関わってないと思う。
いや、関わってたら本末転倒よな。
関わってても、『アダムカドモン計画』までにして欲しいわ。
何つか、敵役であって悪役や敵ではないんですよね、神崎葵。
あ、前述のエンドラインステージの分岐は2話めクライマックスになります。
・・・なんつか、メインラインイチャラブ過ぎて、結希とケイトが分かれる(誤字に非ず)のが解らないのが、エンドラインステージ。
三話四話は続き物で、2話の一年後。
ケイト(の中の人)が、結希との一年のデートをつらつらと流すシーンがあるんだけど、うん、結希(の中の人)には拷問だろうな()
シナリオ的にはきくたけさん的にはオーソドックスな『世界が危ない!』系のシナリオ。
きくたけさんといえば、『うわー、もうダメだー。』と『週一回は世界滅亡の危機』だけども、この話しも例によって、世界滅亡の危機。
何と言うか、きくたけさん容赦ないな。
後々語るけども、矢野先生も大概容赦ないけど、『初期ロイス』を『わざわざ、それを転用して名前までつけさせといて』、ああいう展開は中々に好みですね。
最近のストーリーテーリングだと、敵だ敵だ!!怒涛の物量で押してきたぜ押してくるぜ、おおっと、敵の大ボスまでやってきたぜ、ひゃっふーなノリというか、捻ったのが多いんですが。
敵雑魚(と言いつつ、ベ-スは二話ボス取り巻きっぽい)は、ともかく、謎紳士が静かに怖すぎる。
言い方悪いが、ピカレスク物かなんかでソファーに座って膝の上に猫乗せてブランデー燻らせてるオジサマ的な静かな威圧感。
静かな悪のカリスマと言うか。
(※何が正義か何が悪かは投げる。)
しっかし、この時の結希嬢。
『全滅支部長』に対してあわあわしてたのに、今は・・・。(全力で眼をそらす。)
割合古いが、軽快で読みやすいリプレイ。
入門としてもオススメです。
そして、間違ってもご飯食べてる時や口にモノ含んでる時に読んじゃダメです。
特に、へっぽこスナイパー、もとい、上月兄の行動含めて噴き出す率高いのです。