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偏見と和解

第8話


演習場に辿りつく、見れば周りは既に野次馬で埋まっている。

ギルドマスターが調子に乗った新入りを潰すと噂が噂をよび、ここまで人が集まったということだ。

目の前にギルドマスターが立つ、その距離三メートル

俺はステータスを開き、まだ使ったことのない神技をタップする。この距離なら誰にも見られない。


(へぇ……こりゃまたふざけた能力だな)


内心ほくそ笑む功


(俺を笑ったことを後悔させてやるよ……そして、もう弱い俺じゃない……自分自身でそれを証明する)


マスターがこっちを睨む、俺も睨み返ししばし時間が硬直する


「おいガキ、テメエが気絶すんかもしれねえからよ、言い訳なら今のうちに考えたほうがいいぜ」


「さっきからギャーギャーうるせえな、男ならさっさとやるぞ」


「ちっ……何処までもムカつく野郎だぜ」


マスターの身体から何かが溢れ出る、そうか、あれが魔力か


「そんならよ、俺から行かせてもらうぜ……!」


マスターの周りから溢れる魔力がさらに濃くなる


「肉体強化魔法……!」


魔力がマスターの体を覆う


「絶‼︎」


魔力の波動が周りに伝わり空気がビリビリと震える、見れば野次馬達もマスターの魔力に気圧され後ずさる物もいる


そんな中、功は誰にも聞こえない声量で呟く


「神技…………草薙ノ剣……」


功の右手に刀が現れる


「それが何だっていうんだっ!はぁぁぁ!」


右腕に力を入れ、功に接近しようと試みる


「オラァ‼︎」


足を前にだし、踏み出そうとした瞬間ーーーー








「遅いな」


功はマスターの背後に立っていた


「なっ!」


誰もが驚きを隠せない、何故なら誰一人として功の動きが見えたものがいないのだから


「こないならこっちからだ」


俺は右脚でマスターの腹に蹴りを入れる


「ぐあっ!」


そのまま横に吹っ飛んでいくが、先回りしまた蹴りを入れる


「ぐうぅ……」


反対方向に飛ばされたマスターはそのまま壁に激突、

血を吐きながらも何とか立ち上がる


「ありえん……肉体強化魔法を施してる筈……」


「俺の方が上ってことだよ、オッさん」


草薙ノ剣をオッさんに突き立てる


「この勝負、俺の勝ちだ」


ここにいる誰もがポカーンとしている、こんなこと有り得ないといった顔をしている

あのギルドマスターが殆ど何も出来ずに瞬殺されたという現実に戸惑っている


「ああ……テメエの勝ちだよ小僧……」


ぐっと口ごもりながら立ち上がる


「ミュウちゃん、いるか?」


ざわつく演習場の中に手を上げる受付の女の子


「さっきのクエストを受理してくれ、この強さならゴブリン何て何匹いたって大丈夫さ」


「……以外だな」


こうゆうタイプは何が何でも自分を主張すると思っていた


「冒険者の世界は単純に腕っぷしの強さでもある、そして俺はお前に負けた、悪かったなおめえには無理だと決めつけてな」


頭を軽く下げるマスター


「でもよ、だからといって上のクエストを無理に受けようと思うなよ、わざわざ上のランクに上がる為にクエストを沢山こなすのは経験を積む為なんだからよ」


まあ、たしかにそうだ


「それもお前なら直ぐに上へいけるはずさ、頑張れよ」


そう言って俺の肩を叩き去っていくマスター


「おうお前ら!いつまで見物してんだ!さっさとクエスト受けやがれのんだくれ共‼︎」


へいへーいと撤収してく野次馬


そんなマスターを見て功は思った、大人だと


(恥ずかしい、俺は何てガキなんだ……)


マスターや受付の子が止めたのは単に俺のことが心配だったからだ、それなのに俺は自分の意見しか通さずワガママに戦えなどと言って無理に意見を通した、それにあったばかりの俺がいくら大丈夫などと言ってと安心するはずなんてない、ろくにお互いのことを知ってないのに俺は何を言っていたんだ……


「まってくれ、マスター」


俺はオッさ……マスターに声をかける


「俺のほうこそ……すまなかった、自分の意見しか通さないガキみたいな俺の事を本気で心配してくれて」


功は続ける


「悪いのは俺だ、すまん」


頭を下げる


「そのことならもういい、それにお前がそれを自覚してんのらお前は立派な冒険者だ」


マスターはそういって手を差し出す


「グスタフだ、これからよろしくたのむぞ」


「俺はアラガミコウ、こちらこそ」


2人で握手をする


すると、周りから拍手が鳴り響く


「ははっ、いいじゃねえか新入り!気に入ったぜ!」

「これからよろしくなー!」


などとあちこちから飛び回る、手のひら返し早いなぁ


「目立ち過ぎたな、ギルドに戻るか」


「ああそうだな、と、その前に」


功はもう一人、謝らなければならない人物の元に向かう


「すまん、俺が悪かった」


俺は受付の子に頭を下げる


「もう、これからはこんなことしないでくださいね、マスターも!」


「わかったよ」


苦笑いするマスター


「へえ、ちゃんと謝れるんだ」


ミュウの隣にいる赤髪ポニーテールの子が呟く


「あっ、私のことはミュウでいいですよアラガミさん」


「ああ、よろしくミュウ」


「とりあえず、受けます? ゴブリン狩りのクエスト」


笑いながら張り紙を差し出すミュウ


「ああ、頼む」




今の功は、初日からこのギルドに馴染み始めたと言っていい状態だった




















戦闘描写少なくてすみません……その分次のゴブリン狩り頑張ります。

草薙ノ剣もその時明かします。

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