いざ王国へ
第6話
「隊長‼︎モンスターの全滅確認しました!」
「ご苦労、よし、この少年を保護して国へ戻るぞ」
「はっ!」
茶髪の青年は規則正しい動きで他の騎士達の元へ向かい、今言われたことを説明する
「さてとモンスターも倒したことだしそろそろお前のことを聞かせてもらうぞ」
そう言ってセレンは俺の目の前に立つ
「まず名前を聞こうか、いつまでもお前じゃ悪いからな」
俺の名前か……別の世界から来たってバレないようにしないとな
功は神様から自分が別の世界から来たとは決してバレるなと言われている、まあ神様は暗殺が難しくなるとのたまっていたが功も目立つのは避けたい
「えっと、コウ・アラガミと言います」
「ふむアラガミ殿か、では聞こうアラガミ殿、何故貴様はあの森にいた?あそこは冒険者と騎士以外立ち入り禁止なのだが」
マジかよ……でも俺こっちに来たばっかりで知らないし……
「えと、旅をしていてこの森に迷い込んでしまって…………」
よし、これでどうだ
「旅の者か、何故旅を?」
うわぁ……そうくるか……めんどくせぇ…………
「その、冒険者になりたくて……」
こうなったらヤケクソだ
「確かに王国には冒険者ギルドがあるな」
冒険者ギルド?
「あの冒険者ギルドって何ですか?」
「へ?」
セレンが驚いた顔で問いただす
「貴様……冒険者ギルドも知らずに冒険者になりたいと?ギルドならば子供でも知っている常識……怪しいな……」
セレンが俺に疑いの視線を向ける
ヤベェ‼︎地雷ふんだ!
「いやその!俺が住んでた所すげえ田舎でギルドなんてもの無かったんですよ‼︎ははっ!」
作り笑いをうかべて取り繕う
「そんなに田舎なのか、それならばこの森について知らないのも無理はないか……いや失敬、最近は物騒でね、人に化けたモンスターや魔族もいるんだ許してくれ」
とりあえず疑いがはれたと思って安心する
が………………
「だからといって信用することはできん、冒険者になりたいならギルドにいって適性審査を受けてもらうぞそこで正式に判断してもらう」
「うへぇ……」
ああもう疲れた
「隊長!馬の準備終わりました!」
「うむ、では出発だ、アラガミ殿も来い」
「ありがとうございます」
まだ疑われているとはいえ王国?に連れていってくれるのは嬉しいことだそれにギルドにいけば疑いも晴れる
俺はセレンの馬の後ろに乗せてもらい、ふとさっきセレンの発言が頭をよぎる
「あの、セレンさん?」
「何だ?それにタメ口でいいぞ堅苦しいのは苦手でな」
「分かった、それじゃセレンさっき言った勇者の護衛って?」
そう俺が気になったのは勇者という言葉、護衛とはどういうことだろうか
「ああそのことか、実は先日王国内で魔族に対する切り札、勇者召喚が行われてな」
なるそど、先に勇者達……俺を苛めてた奴らは先にこっちに来ていたのか
「同盟国のサンロック王国へ挨拶にいくんだが勇者殿のレベルはまだ低いし戦闘経験もない、そこで我々が行きの護衛を任されたということだ」
そういうわけか……あいつらならいきなり召喚されて魔王を倒せ何て言われても、ノリノリで受けるだろう
「そろそろ出発するな」
先頭の馬が走り出す音が聞こえる
とりあえずこれからは冒険者ギルドに登録して冒険者になり、当面の生活費を稼ぐとするか