迫られる選択とステータス
2話目です、よろしくお願いします。
第2話
(何を驚いているの?)
神様は酷く冷静に言う
「何をって勇者を殺すって何なんですか?第一そんなことする理由は」
(んー、今はちょっと話せないんだよねぇ……でも大丈夫、私が今から上げる力を使えばすぐに終わるよ)
「話せないって……それにすぐ終わるとかそう言うこと言ってるんじゃないです、人殺しは犯罪ですそんなこと出来ません。」
(その勇者が君が憎くてしょうがない相手でも?)
「えっ……」
どうゆう意味だ?憎くてしょうがない相手?そんな俺にとってあいつらしか…………いやまて
「もしかして勇者として召喚されたのって……俺を苛めて奴ら……?」
(正解、察しがいいね)
瞬間、ドクンと俺の心が激しく揺れる。
神様は言っていた、あいつら……勇者をすぐに殺せる力を俺にくれると言っていた
(どう?やる気でたでしょ)
「…………」
(沈黙は肯定ととるわ、さてでは早速力を君に授けてーー)
「まってくれ!俺はまだ決めてはいない!」
そうだ、幾ら憎い相手だからって自分の都合でそんなことをしてしまったら奴らと同じだ
(まだそんなこと言うんだ、優しいんだね)
神様が優しい声で語る
(でもね、考えてみて?もし君が異世界で勇者を殺せば私の願いを聞いたとなって君は元の世界に帰れる、そしてそこには君を苛めてた奴らいない、だって君が殺したんだから、どう?一石二鳥でしょ?)
「それでも……俺は……」
(もう分かったよどうするかは向こうに行ってからよく考えてね、でも一つ言っておくよ、そんなに残された時間は少ないから)
「それってどうゆう意味ですか?」
(今から貴方が行ってもらう世界……その名は『エグリスタワールド』そこはね少なくともあと二年で滅ぶのよ大きすぎる魔力のせいでね)
「何だよ………それ……」
(だから君が勇者を殺さなくても二年後には君も含め全員死ぬんだよ)
俺が何もしなくてもいずれ世界は滅びて皆死ぬ
はは……何だよそれ……
(貴方に迫られた選択は二つ、勇者達を殺して元の世界へ戻るか、何もせず世界の滅びをまって死ぬかどちらかよ)
神様は冷徹に言い放つ
「分かったよ……とりあえずそのエグリスタワールドとやらにさっさと送ってくれ……そこで考える」
(問題を先送りにしてるだけかもしれないけど、まあそれも君が選んだ道だからね、それじゃ転送する前に私が与える力とかさっき言った魔力とかの説明をするよ)
功はモヤモヤしたものが胸に残りながら黙って神様の話を聞くことにした
「しかし、魔力か……魔法とか使えるのか?」
その手の小説を読んだことのある功にとっては『魔法』というものは正直心踊るものだ
(うん、エグリスタワールドに住んでいる生物は全て体に魔力を宿しているんだ、でも異世界から来た君には魔力が宿ってないだ)
「えっ……じゃあ俺魔法使えないの?」
(そっだから私が使えるようにしてあげるわ)
と、神様がいった瞬間目の前に紫色の光る玉が出現する
(その玉に触れて)
「ああ」
若干警戒しながら玉に手を伸ばす
「行くぞ」
玉に触れるするとふっと玉が功の体に入り込む
(はい、これで君の体に魔力が宿ったよ、普通の人より多めに入れといたからね)
「これで魔法が使えるようになるのか?」
(うん、多少の修練が必要だけどね、あとそれからもう一つ私からのプレゼントがあるんだ)
「まだ何かくれんのか?」
功からしてみれば見知らぬ世界に連れてかれるので強い力があるにこしたことはない
(うん、でもその前にちょっと調べたいことがあるんだ)
「何だ?」
(えっとねそれじゃあ心の中で《ステータス』って念じてみて)
「何だそりゃ?」
ステータス?意味が分からない
(ほらいいから)
「分かったよ」
そして功はステータスと念じる
(ステータス……)
コウ・アラガミ Level1
H100/100
A50/50
B30/30
S90/90
MP/250/250
SP0/0
【魔法属性】光、闇、火、風、土、水、雷
【装備】異世界の服
【使用可能魔法】無し
【スキル】異世界人