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ハクをシロと命名した翌日、シロは私と共に家を出るようになった。
なんでも、出席日数の計算上そろそろ学校に顔を出さないとまずいらしい。私としてはそんな計算に力を入れる暇があったら、毎日学校にいけばいいと思ってしまう。
シロの考えている事はやっぱり分からない。
サボる事が生きがいなのか、純粋に学校というものを忌み嫌っているのか、そのどちらも当てはまりそうで当てはまらない気もする。
不良さんだから、素直になれないのかもね。
まあ確実に、家に引きこもっている事に比べれば、学校へ行く事は健康的で世間的にも好まれる事だろう。
シロにそう言ったら好まれたくてそうしている訳では無いと否定されてしまったけれど、これは所謂照れ隠し。ツンデレってやつかね?
とにもかくにも、あのまま家に居続けたなら今頃ソファと融合していたかもしれない。
それはそれで面白そうだし、見てみたい気もするけどね。
隣を歩くシロが制服も身につけずにどこの学校へ行くのかは知らないけれど、駅までの道のりは同じらしい。一人とぼとぼと歩き続けてきたこの道も、どことなくいつもと違うように見えたのは気のせいだろう。
駅に着いて、改札をくぐって、私は上り、シロは下りのホームへ足を運んだ。
いつも通りの出勤だけど、今日はウキウキ、ワクワクと気分が高揚する。
今日はいい事があるかもしれない。
読んでくださりありがとうございます。