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とりあえず、ハクをハクでなくしてみよう。自分で言っておいて意味がわからないけれども。
ハクと言ったら、某アニメ映画に登場する少年が頭に浮かんでくるけれど、彼は黒髪でないし和服など言語道断。破り捨てる勢いで着る事を拒むだろう。
ハク…はく…吐く…。
薄?
拍?
博?
迫?
どれもしっくりこないのは、音と彼の印象が結びつかないから。
いっその事、バクという名前なら良かったのに……暴でも、爆でも好きにしたらいい。名と体が完全一致。
はく……ねぇ。
他にどんな漢字があっただろうかと、携帯で試しに変換してみる。
はく……ハク……白。
そうか、単純に白ではくと読めるのか。
じゃぁもういっそ、ハクではなくてシロと本当に犬のように読んでしまうのはどうだろう。
正に名案。
真に妙案。
これ以上のしっくりはまる呼び名はない。
「よし、じゃあ君は今日からシロね」
意気揚々と、指差し命名したのだが、当のシロは眉間に深いシワを寄せた。
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