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"犬"を拾いました  作者: しおん
思いを伝える日
40/42

 



 フロアをもう一周して、いろんなものを目に入れる。やっぱり寒さ対策の商品やキラキラしたものやロマンチックなものばかりが店頭に並んでいる。


 そして、そのなかでもやっぱり目につく物はマフラーだった。


「うー。マフラーに取り憑かれてるー」


 独り言すら勝手に零れ出てくる始末。


 なにせあっちを見てもこっちを見ても、マフラー、マフラー、マフラー、マフラー。マフラーだけがくっきりと浮き出て見えるのだ。


 これはマフラーを買いなさいという天からのお告げなのか、それとも私の心が執拗にマフラーを求めてしまっているだけなのか。どちらにしてもこんな状態になってしまっては、マフラー以外を選択することはできなくなってしまった。まるでマフラーの呪い。


 そしてやっぱり戻ってくるのはさっきのお店。他のお店のマフラーを見ても、ここのマフラーが一番シロに似合いそうなのだ。


 赤......緋色もいいけど、紅色もそこそこ。一言で赤と言っても明るいものから暗いものまで沢山あるのだ。どのくらいの時間そのお店で悩んでいたのか、ラッピングの済んだ商品を片手に家路につく頃には空に紺が混ざっていた。


「さすがにシロも帰ってる頃かなぁ」


 右手にケーキ、左手にプレゼント。両手の荷物は幸せの塊だからか全然重みを感じなかった。静かに光るイルミネーション。くすぐったいような恋人たちの囁き。誰も彼もがこの雰囲気に酔っているようだった。


 それは私も例外じゃなくて、浮き足立つ気持ちを押さえきれない。


 ケーキはまぁ食べるとして、問題はプレゼント。いつ渡そうか、ハラハラする。


 サンタさんらしく夜中に枕元に置くのがいいかな......いやいや、ケーキを食べるときに一緒にあげるのも捨てがたい。


 さて、どうしたものか。

 楽しい悩みはまだつきない。




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