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そこでふと、わたしは思ったのだ。
正解は何処にもありはしないのではないかって。
何故。と問われれば、そこにシロが居ないから。シロが居たあの道は、そこに彼の姿がなければ成り立たなかった風景だ。だからそう、あの日の道はもうどこにもない。
シロの居ないここに、シロを見つける術はない。
そんな結論を自分の中で出してしまったんだ。振り出しに戻ってしまったのは、いうまでもないこと。
でも、あの日のことばかりが鮮明に思い出されて、他の記憶などあてにならない。どんなに楽しかった記憶でさえも、それに比べればなかったも同然に霞んでしまう。
だから私は、待ってみることにした。
そのことに明確な理由なんてない。感覚だ。第六感。勘。
あてもなくがむしゃらに探し回るより、何故か効率よく思ってしまったのは、きっと神様のイタズラ。




