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"犬"を拾いました  作者: しおん
犬を探しています
24/42


ムカデの足のように無数に伸びた細道はどれも本当にそっくりで、間違い探しすら成り立たない。


あの日の道は何処の道か。

私がすべてを記憶しておける人間だったとしても、苦戦しかねない難問だ。


意識して入った訳でもない暗い裏路地。建物を避けるようにして生み出されたそれは、元来人の歩くために作られていないことを思わせる。


はぁ。


一つため息をついて深呼吸。

あの時の私がわかったんだ。今の私がわからないはずがない。だってどちらも、同じ私なのだから。そういって気を紛れさせて、焦りをなかった事にする。

わかっていたのだから、わからないはずがない。根拠のない理論を慰めにたくさん生み出した。


何本も、何本も、踏み入っては(きびす)を返した。


違う。

違う。

違う。


焦燥が私の中でぐるぐると渦を巻く。

どこへ行っても、何も見ても。違う。


何が違うかなんてわからない。

何かが違うのだ。


ここじゃない。

そこじゃない。

あっちじゃない。

こっちじゃない。


もうすぐ道はなくなってしまう。

もう、すぐそこに出口が迫っていた。



よんでくださり、ありがとうございます。

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