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真っ赤な服を着た、白いお髭のおじいさん。そんなイラストが増えてきた。街路樹には色とりどりのリボンが施され、星空の下鮮やかにライトアップされている。
もうすぐ、クリスマスなのか。
世間一般で言う所の楽しげなイベントであっても、今の私には何の魅力も持たせてはくれなかった。
帰ってきても、シロはいない。
無愛想な「おかえり」も、賑やかなテレビも私を出迎えてくれはしない。
冷めきった我が家。
そういえば。
ふと、私は思った。半年ではないかと。
梅雨の時期シロを拾って、クリスマスで浮足立つこの季節で6ヶ月。
いろいろなことがありすぎた。
出会い、別れ。
言葉にしてしまえばそれしかないかもしれないけれど、その過程が、思い出が、今の私に何より重くのしかかる。
一人きりの寂しさを誤魔化すようにつけたテレビでは、クリスマスでのデートスポットを紹介していた。
夜景の見えるレストラン。
今頃は予約が殺到しているのではなかろうか。まあ、そんなところに連れて行ってくれる人などいない私にとっては、関係のないことだけれど。
でも、豪華なディナーを紹介しているシーンでカップ麺を啜るのは、何となく悲しかった。
20話突破。10000文字突破。
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