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一人暮らしに戻ってからしばらく経つけれど、シロが帰って来る様子はない。前回とは状況が違うのだから、帰ってくるはずもない。
今日のご飯も、カップ麺でいいや。
怪我人がいるわけでもないし、健康管理なんて考えるだけ無駄無駄。私は添加物と共に生きてくよ。
別に以前の生活に戻っただけだ。食費も光熱費も少なくて済むし、何より気を使う事がなくなったんだから楽だろう。
だというのに、私の心にはぽっかりと穴が空いてしまった。
何故。
そう問われたら返事に困る。
だって認めたくはないから。あんなものが私の生活に必要だなんて考えたくないから。
お湯を入れて3分。
たったそれだけで出来てしまう夕食を、無我夢中で啜った。味の濃いそれは、食べるたびに喉を痛くする。けれども、そんなものを感じている余裕はないんだ。
考えたくもない、あの日の事は。
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