おしかけ嫁は今日もあーんをする
三十代ベテラン冒険者は今、おしかけ嫁によって窮地に立たされていた。
「おじさま、あーんしてくださる?」
冒険者は今とてつもなく追いつめられていた。彼はベテラン冒険者で三十をすぎている。そんな彼は切実に思う。冒険者家業で鍛えた体が、今は薄ければと。ひょろっとしていれば、きっと誰も自分を気にとめないに違いない。冒険者になって積み重ねた十五年を誇りに思うが、今だけは薄くなりたい。
現実逃避をしていると、彼女が今も期待のまなざしで見ている。彼の膝には十代前半の少女が座って、変わらずスプーンを口元に差し出していた。彼は彼女の期待に負け、無言で口を開ける。すると彼女は目をパァッと輝かせ、スプーンでふーふーとしてから彼の口元に入れた。
「美味しいですか? ……もう、おじさまったら。どうして何も言ってくださらないの」
「周りの視線が痛い」
こわばった顔で男は言った。皆、変質者を見るような視線で彼を見ている。
「こんなの些細な事ではありませんか」
「お前が十二歳でなければな」
「まぁ、ひどい。おじさまは年齢で私を捨てるのですね。あんなに優しくして、私をメロメロにさせておきながら!」
わざとらしく涙を拭うような仕草をした少女の発言に、周囲がざわつく。
あぁ、肩身が狭い。任務で護衛しただけなのに、まさか気に入られてついてくるとは思わなかったんだ。しかも彼女は嫁にしてくれと言っている。
『捨てるのか……?』
『優しく、だと?』
『メロメロって』
もはや彼への視線は針のむしろである。彼は頭を抱えた。
「助けてくれ」
「年の差なんて、愛があればですわ」
任務帰りで無精髭が生えた頬に、小さな唇が触れた。
オススメのカップルは『冒険者なおじさま×押し掛け嫁な十代前半、糖分過多』です。 #ossanyojyo http://shindanmaker.com/95626
こちらがお題でした




