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即興短編集  作者: 花ゆき
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年賀状パニック

お題:裏切りの年賀状


新年、私は年賀状を楽しみにしていた。クラスの気になる男子から住所を聞かれたからだ。


(重複投稿しています。 http://sokkyo-shosetsu.com/novel.php?id=256653 )

 新年明けたら、どこを確認するか。郵便ポストである。


 冬休みに入る前、同じクラスの那須くんに住所を聞かれた。その那須くんは私の気になっている人だった。私はすぐにOKして住所を教えた。だから、きっと彼から年賀状がきているに違いない! 親にバレないように高速で宛名を仕分けて、自室にこもった。


 年賀状を見ていくと、毎年送っている同性の幼馴染と、クラスメートからの年賀状があった。こちらはすでに今日届くように送っているからバッチリだ。そして那須くんの年賀状を見つけた。


『新年明けましておめでとうございます。受験勉強、頑張ってください。塾でいつも先輩を見ていました。先輩が志望校に受かりますように。でも、もう塾で見れないんだなと思うと寂しいです。 那須 蓮太郎』


 ん? 今、おかしいところが何点かあったね? 塾は那須くんと一緒じゃないはず。むしろ一緒なら私がすぐに気づく。それに、先輩じゃなくて、同じクラスなんだけど。


 再び最後まで目を通すと、名前に気づいた。那須 蓮太郎……。同じクラスの那須くんの名前は、那須 竜太だ。えっ、弟くんから年賀状がきてたの!? とんだ那須違いだ。しかも、私は気づいてしまった。すでに兄の那須くんに年賀状を出した後だということに。


 つまり、彼は弟が出したはずなのに自分に年賀状がきたと思っている。何これ、恥ずかしい。住所を聞かれたから、彼から年賀状がもらえると勘違いしたのがいけない。とにかく、弟くんに年賀状を急いで書こうと思う。




元旦の那須家


「あれっ、浜田さんから年賀状きてる」

「兄貴さー、ちゃんと俺からって言った?」

「あっ、忘れてた。すまん」



三日の那須家


「いよっしゃあああ!! 浜田さんから年賀状きた! 今どき手書きで書く人なんだ。綺麗な字」

「だよな。俺も思った」

「兄貴は煩い」

「えっ、可愛い弟のために住所聞いたのに! これって反抗期!?」

「この年賀状、大事にしようっと」

「俺の話聞いて!」

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