美しき主従
彼に贈るキスの格言は「足の甲なら隷属」です。 #523kiss http://shindanmaker.com/229519
私よりも綺麗な男の子を見た時、憎らしいという感情と、この美しい彼を自分のものにしたいという感情が込み上げた。
パパと執事の後ろに、透明感のある綺麗な子がいた。執事ウールの息子ですって。私よりも綺麗な男がいるなんて、許せないわ。そんな汚らしい感情と一緒に、この美しい男の子を自分のものにしたいという感情が込み上げた。
「アイシャ、彼にご挨拶しなさい」
「ええ。分かったわ、パパ。ジェクサー侯爵が一子アイシャよ」
ママから教えてもらったレディの微笑みを見せると、彼はぽうっと見とれるような顔をした。ほら、ご覧なさい。私の美しさには誰も敵わないのよ。私はくるぶしまで覆い隠していたスカートから、白い足の甲をのぞかせる。
「アイシャ、それは淑女の礼とは違――」
パパが止める前に彼が跪いて、私の足の甲に口づけをした。美しい男が自身の髪が床につくのも厭わず、神聖なものに誓うような姿に私は満足する。
「いつまで口づけしているつもり。結構よ」
「はい、お嬢様」
ウールは息子の変わりように驚いていた。いつもは鉄仮面である彼が、目を大きく見開いて、固まっている。ふふっ、面白いわ。
「もう疲れたわ。私を部屋まで運んで」
彼に手を差し出すと、彼は当たり前のように私を抱き上げた。私よりも年下でありながら、しっかり私を抱き上げているなんて、いい子だわ。あとでご褒美をあげないといけないわね。
「パパ、ウール。ごきげんよう」
彼の腕の中から、レディの微笑みで部屋を退室する。
「我が娘ながら恐ろしいな」
「息子があんな風になるなんて」
戸が閉まる際耳にした言葉に、思わずクスリとほくそ笑む。私は彼を見上げて、美しい頬をなぞった。それだけで彼は歓喜に満ちあふれるかのように目を潤ませ、微笑む。
「あなたは私に仕えるの」
「はい、お嬢様。あなたのお望み通りに」
そう言って笑う彼は春をあらわしたかのように華やかで……、美しい。その美しさが憎らしいけれど、これからは私の僕。
「よく仕えなさい」




