共犯者の笑み
貴方は『共犯者の笑み』をお題にして140文字SSを書いてください。 http://shindanmaker.com/375517
姫様の護衛である私は、男に買い物に連れだされる。連れだされたその先で、侵入者の気配を察知した。
「ちょっと買い物に行こうか」
姫様の護衛である私を連れだした男に、苛立ちから手を払う。しかし首筋にピリついた感覚がしたことで、侵入者の気配を察知した。彼は気づいているのかと視線をよこせば、余裕たっぷりに笑っていた。知っていたのか。この男、食えないやつだ。
「何も知らない僕らのお姫様を守ろう」
「付き合いましょう」
彼が剣をスラリと抜刀するのにならって、私も剣を抜く。私達が気づいたと分かったのか、侵入者が姿を表して私達を取り囲む。ピンチであろうに、彼は世間話でもするかのように話す。
「僕らは城下町一番人気のグレーテルに買い物に行ったんだ」
「ですね、それはもう行列がすごくて」
今みたいに、と心の中で呟く。
彼の明るい声に肩の力が抜けるのを感じた。敵の数が予想以上に多くて、柄にもなく緊張していたようだ。彼は黒尽くめの男達を見据えて、共犯者の笑みを浮かべる。
「姫様には内緒だよ」
私はもちろんと、堅く頷いた。姫様が待っている。早く片付けなければ。
「もう、あなた達どこまで買い物に行ってたのよ。おかげで退屈だったじゃない」
この姫君のすねた顔を見ていると、今日も守れてよかったと思う。
「城下町一番人気のグレーテルに買い物に行っていました」
「行列がすごくて、売り切れてました。すいません」
「まぁ! グレーテルの!? 今後こそは買ってきてね」
姫様が顔をほころばせる裏で、私達は密かに目配せをした。
『次こそは買いに行こうか』
『もちろん』




