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銀髪の女神様は優柔不断  作者: 小雪
第二章 セレスと愉快な仲間達!
9/16

セレス新しい生活始めます!

血・・・手に血が付いて・・・。

空に輝く月を見る・・・ここ何処だっけ?

私は何をしてたんだっけ?

わからない、わからない、頭が働かない・・・



体が痛い・・私はどうなったんだっけ?

変態貴族に売られたのかな?

盗賊・・・!!!


私は飛び起きた!


『はぁはぁ・・はぁ・・』


自分の手を見る、血は付いてない体もちゃんとある!

「オイ!大丈夫か?!」


『 !!! 』 男の声!


ビクっとして声の方を見る、其処には見慣れた顔がある。

「セレス落ち着け。」

「ナツ?」

「ゆっくり深呼吸しろ、ゆっくりだ。」

私は言われた通りにゆっくりと深呼吸をする。

「落ち着いたか?」 

悲しそうな顔でナツが聞いてくる。

「うん、大丈夫だから。」

「そうか。」

「私如何したんだっけ?」

「そんなの後だ、今は横になって休め。」

私が言われた通り横になろうとした時ドアをノックする音が聞こえた。

「失礼します!」

鎧を着けた男の人と参謀っぽい女の人が入ってきた。

「目を覚まされたようですね。」

「はい、えと」

「失礼しました、私はこの街の騎士団長をしておりますザックスと申します。

彼女はメリッサ、私の補佐をしてもらっている。」

「はい、私の名前はセレスティア。」

「そちらの方から事情は聞いています。」

「事情?」

私はナツから、私が盗賊に攫われた後ナツとミアで助けに来てくれた事。

助けられた私は内臓を損傷していて事情説明と傷を治すために騎士団のお世話になっている事。

「ごめんねナツ迷惑かけて。」

「何言ってんだよ、迷惑なんて思ってねえよ!!」

ナツのこんな真剣な顔初めて見たかも。

「話し中すまない。これから騎士団として君達に話したい事がある。」

団長さんの話は簡単に言うと。

今回の件は相手側に完全に非があり、殺された盗賊はこの街に行商にくる商人を襲いギルドから討伐の申請があった事、他にも人身売買など色々な余罪のある連中だったのでむしろ報奨金が出る事など。

後は騎士団長さんの個人的な提案で騎士団の本部に近い場所にある家に私を住まわせたい事。

理由は私がダークエルフであり希少な存在なので今後も狙われる可能性が高い事、以前迷宮で起きた事件は今だはっきりとは理由が判明していないが、私が事件に遭遇した事は偶然じゃないのではないかと団長は考えている事、もし可能であれば私達のPTに副官のメリッサさんを入れてほしいとの事。

私は色々な事が重なりすぎて考える時間が欲しいと団長さんにお願いする。

また後日返事を聞きに来ると了承してくれた。


ベッドに寝かされて私はずっと考えていた、この先どうしようかなと。

騎士団の管轄に入るようで気は乗らないけどまたこんな事があったらナツにはまた負担を掛ける事になるだろうし、やっぱり団長さんの言うとおりにした方がいいのかな。

今度ナツが来たら話をしよう、私は疲れて眠りに就いた。


次の日ナツがお見舞いに果物を持ってきた、色々入っていておいしそうだ。

私はどう切り出したらいいか判らず悩んでいた。

「この間の話どうするんだ?」

ナツの方から話をしてくれたのはありがたかった。

「うん、その事なんだけど団長さんの提案どうりにしようと思う。」

「そっか。」

「それでね、あの、私ナツとは・・」

ナツが私が話終える前に割り込んだ!


『俺はお前とこれからも一緒に居るからな!!!』


「パ・・ティ・・・」

「俺はまだまだ頼りないかもしんねぇけどもっと俺を信用してくれ!!」

ナツが私を抱きしめてきた!

「ナツ」

「俺は迷惑なんて思ってねぇし、なによりお前といると楽しいんだ!

どんな事があっても俺が助けに行くからセレスの傍にいさせてくれ!!!」

「ナツ・・ナツ・・」

私は涙が枯れるまでナツの胸で泣いた、涙が枯れた後はナツの腕の中で安心して眠ってしまう。

この日私達は正式に仲間になった!


その後団長さんに話して家の事など諸々の準備をしてもらった。

まかせっきりなのもどうかと思ったが向こうが言って来たんだからとナツが言うので私もお言葉に甘えてすべて任せる事にした。


傷も完全に治ったので早速これから住む家を見学させてもらう。

家は二階建てで一階は広めのホールに客間や書斎、ダイニングとキッチン、お風呂まである。

二階は部屋が8室かなり多い、これならPT全員で暮らせるね。

もしかしてその為にこの家にしたのかな

私としては不満はない、むしろこれ以外ありえないって感じだ。

ナツも嬉しそうだし後は色々小物を買わないと、楽しくなってきた!!

一通り見終わって帰ろうと玄関を出た。

「セレス~♪」

「へ、きゃぁぁあああ!!」

ミアが飛び掛かってきた。

「セレス、セレス、セレス~」

「ぁははは、くすぐったいよ。」

「あたしもPTに入れて!」

「え!えぇぇぇぇええええ!」


いきなりPTが4人、これから大変そうだな~なんて他人事のように考えている私がいる。



新しく始まった生活はやる事が山積み。

まずは掃除、定期的に手入れをしていたらしくそんなには汚れてないけど一応ね。

次に食材や生活用品など、なんだかんだとお金が掛かります。

そうそう一応この家は借家って事になるので毎月金貨5枚が家賃になる、まあこの家の大きさでこの値段は破格なので問題ないかな。

そして準備している段階で気づいた大問題!私以外誰もまともな料理ができないという事実!

これはマズイ、私も人に自慢出来るほど得意なわけでもないのに。

ハンナさんに教わるしかないかなこれは。

そうそう、ミアとメリッサさんも当然この家で一緒に暮らします、まさにPTの拠点になるわけだ。

メリッサさんは普段経理のチェックもしているらしく値切りが上手。

色々まとめ買いしたのにだいぶ安く上がりました。

ミアは・・・大人しくしてくれれば十分かな。何かやらせると問題が増えるから・・

そんなこんなの新生活、皆が楽しく生活できるように頑張らなきゃ!



「ふう。」

ハンナさんに料理を教えてもらいどうにか毎日のおいしい料理が確保された。

でも毎日作るのは大変、そのうち侍女さん雇いたいな・・

「うまいぞセレス!」

「おいしいニャ!」

「問題ないと思います」

皆が美味しそうに食べてくれるのでしばらくはこのままでもいいか。


今の生活は迷宮を探索し魔術ギルドで手伝いと魔術修行、ハンナさんに料理を教えてもらい、家の掃除。

なかなかの重労働、メリッサさんは掃除が得意なので大助かりなのだがナツとミアはダメ!

今日もヘトヘトに疲れたけどお風呂には入りたい。

以前のような桶にお湯を入れてタオルで体を拭くんじゃなくちゃんと浴槽にお湯をはるのだ。

準備が面倒だけど魔術で沸かすだけなので体力的には問題ない、精神的には少し疲れるが。

「ふぅ・・・」

お湯に浸かって暖まればもう他の事などどうでもいいような気分になる、極楽です!

「良いお湯でした~。」

下着を履いている時誰か入ってきた。

 『ふぁ~あ!

  わ、わりぃ!!!』

ナツが顔を真っ赤にして出ていく、プププ可愛い所あるんだな。

翌日からナツが私の顔を見る度顔を赤くしておたつく、面倒くさいので普段どうりにしろと怒った!


なんだかんだで一月が経ち新生活にも落ち着いてきた頃ミナツキさんから連絡があった。

なんでもグリモア王国にいる知り合いから古代文字で書かれた魔術書を手に入れたので手伝ってほしいと。

私は急いでギルドに直行した。

「早かったね、まずこれを見てくれ」

その本には文字がびっしり書いてあるが古ぼけて読みにくい。

「いやー、まだ少しだか解読してみるとこれは聖魔術について書かれてるみたいなんだよ。」

私は本をじっと見る・・・あれ?私この文字知ってるかも?

「あぁぁぁ、こんな珍しい物が手に入るとは!」

「あ、あのミナツキさん?」

「まずは解読をいや・・さき・・・・で・・・・・ま・・・」

ぶつぶつ呟きながら自分の世界に没頭してる。


『 ミナツキさん!!! 』


「へ?な、なんだい?」

「なんだじゃないですよ、呼んでるのに。」

「ごめんごめんつい夢中に。」

「ミナツキさん私これ読めるかもしれません!」

「ほんとかい!?」

「ちょ・・あの・・おつ・・つ・・・!!!」

肩を掴まれて揺さぶられる、目がまう、やめて。



ようやく落ち着いてくれたミナツキさんと解読を開始!

ミナツキさんが言うにはこの文字はエルフでも知っているのはごく少数しかいないと説明された。

なら何で私は読めるんだと考える、ミナツキさんは私の失われた記憶にはとても重大な事が関係してるんじゃないかと推測を説明してくれる。

記憶のない私には実感がないけど少し自分が普通じゃないのだと自覚して落ち込んだ。


まだ全部は解読できないが本のなかには聖魔術の詠唱が書き込まれていた。

ミナツキさんがもしかしたら私になら使えるのではと言うので試しにやってみたら出来てしまった!

今回試したのは光球を作りだす魔術、やっぱり私は普通じゃないのだと喜びはしゃぐミナツキさんの隣で落ち込んだ。


それから迷宮探索以外はミナツキさんの手伝いを優先する事になり、ナツ達に話すと驚かれたが俺らも手伝うと今は一緒に魔術ギルドに通っている。

「しかしなんでセレスが聖魔術を使えるんだニャ?」

「失われた記憶が戻らない事には解らないのでは。」

「そうだね、セレス君の事を知っている人でも見つけられればいいが、今の時代街で暮らしてるエルフはハーフばかりで純粋なエルフは数が少ないからね。」

「まぁ、記憶があろうがなかろうがセレスはセレスだ、気にすんな。」

「うん、ありがとナツ。」

「しかしこの事は秘密にした方がいいだろうな。

「世間に広まれば何時この間のような事が起きるか判りません、団長には私が連絡しておきましょう。」

なんだか大変な事になってきたけど変わらず皆一緒にいてくれて少しまだ落ち込むけど安心できた。


ひとまず聖魔術の「光球(スフィア)」「隔離(アイソレーション)」「光の加護(レインフォース)

の三つを習得した。




ーー 騎士団 団長 ーー


「以上がこれまで判明しているセレスティア様の情報です。」

「報告御苦労。」

ふむ、聖魔術か・・

私としては迷宮の異変を解決する切っ掛けになればと思ったんだが。

なんだか嫌な胸騒ぎだ、彼女に悪意があるとは到底思えないが聖魔術、昔の戦争で使われた未知の力か。

王都に報告するべきなんだろうが王都のバカ貴族どもに知れ渡れば彼女の身柄を力尽くで拘束しようとするだろう、ダークエルフを保護していることはこの街の貴族から伝わっているだろうしもう少し様子を見るべきだろう。


迷宮・・

今現在騎士団が把握できている階層は40階まで、どの国から迷宮に入ろうと必ず30階で合流する。

他の三国の情報が欲しいが貴族共のくだらん利権争いでそれもままならぬ。

魔族共が再び進行してくるなど考えてもいないのだろう、何事もなければいいが。

ザックスは考えても考えても拭えない胸騒ぎに顔を顰めた。


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