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銀髪の女神様は優柔不断  作者: 小雪
第一章 女神の目覚め!
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セレスPT組みます!

迷宮から帰り部屋で休憩。


「ふぅ~、ゴブリン自体はそんなに強くないけど一人だとやっぱり疲れるな。」


ベットに座って息を吐く。

そういえばお金いくら持ってたかな?ゴソゴソと袋を確認する。

え~と銅貨12枚銀貨20枚っと、う~ん宿代は大丈夫だけど装備を買ったりは無理かな。


「そろそろ迷宮2階に行きたいな」

「あ!そういえば2階に行くには見習いを卒業して正式な冒険者にならないといけないんだった。」


試験って何するのかな、まぁ明日にでもギルドに行って試験について詳しく聞いてみようかな。

私はベットに横になるとそのまま着替えるのも忘れて眠りに就いた。



朝食を食べてさっそくギルドに向かう。

私がギルドに入ると相変わらず視線が集中する。男の視線は露骨だから何処を見てるかすぐわかる、胸や太股、お尻をチラチラ見るかじっと見てくる。

こればかりはなかなか慣れないものだ。


「すいません見習いの試験の事で聞きたい事がるのですが。」

私が受付の女性に聞くと周りがザワっとザワついた。

「はい、どのような事でしょうか?」

「試験の内容と試験は何時受けられるんでしょうか?」

「はい、試験は受付で申請していただければ何時でも受ける事ができます。内容については担当の教官と迷宮に入りゴブリンを3体倒してもらいます、戦闘の内容によって合否がきまります。」


「これから試験を受けますか?」

「お願いします。」

「はい、ではしばらくお待ちください。」


受付の人が奥に入る、私は壁の方に移動して待つ事にした。

・・・さっきから周りの様子がおかしいような、入ってきた時は厭らしい視線だったのに今はなんだか含みのあるような変な感じだ。

しならくすると受付の人が戻ってきた。

「先に迷宮の入口でお待ちください、後から担当教官が迷宮に向かいますので。」

「わかりました。」


先に迷宮の入り口で待つ事数分担当教官が走ってきた。

「わりぃ、待たせたな!」

『ダッツ教官!!』

「試験の担当ってダッツさんだったんですね。」

「いや、たまたま俺がいたから頼まれただけだ。」

「そうなんですか、本日はよろしくお願いします。」

「おう、気楽に頑張んな!お前なら余裕だろ。」


さっそく迷宮に入って試験開始!

数分歩くとゴブリンの足音がした。剣をしっかり握り深呼吸して待つ。

ゴブリンが2体向かって来た!

先ず右のゴブリンを切り伏せ距離をとる。追いかけてきたゴブリンに対して魔法を詠唱して火球(ファイヤーボール)をぶち込む。ゴブリンはプスプスと頭が焦げて倒れた。

このゴブリンを倒した時の臭いはなれない、死体は一定時間が経つと迷宮に吸収されるようで装備を残して消滅する、装備も時間が経つと吸収される

以前ボロボロの皮の鎧を放置して休憩していたらゆっくり消えていった。

でも臭いはしばらく漂っていて気分が悪くなる。


「大丈夫だいづれ慣れる。」


ダッツ教官が声をかけてくれる。

慣れるか・・なんだかそれはそれで嫌なような、モヤモヤとした複雑な感じだ。今は試験に集中集中! 私は頭を振って思考を切り替える。



その後数分歩いていると異様な気配を感じた。

教官も感じたらしく私を後ろにまわして前にでる。近づいていくと嗅いだ事のない臭いと何かを粗食するような音が聞こえる。

ゆっくり近づき角を曲がるとそこには『オーク』がいた。


「なんで一階にオークがいる!!!」


教官が叫んだ、オークの方をよく見ると足元に人が倒れていた。

私が動こうとすると教官が手で制した!


『今はオークを倒す事だけ考えろ!前衛は俺がやる、お前は後ろから魔術で

援護してくれ!!』

「ハイ!」


私が返事をするとオークが襲いかかってきた!ゴブリンに比べるとかなり早い!

教官は冷静にオークが振り下ろした斧を両手剣でいなす。

私はその間に風鋭の刃を詠唱する!


『-- 風の妖精達よ 我が声を聞き 我が敵を切り刻め --』


教官は詠唱が終わる直前に横にステップすろ、そこに風鋭の刃を放つ!!

「グゥゥ・・ガウァァ・・・」

風の刃に切られながら体制崩す、そこに教官が渾身の一撃を叩きこむ!!!

オークは言葉にできない声を出しながら地に伏せる。

「はぁ・・はぁ・・」

「死・・んだ?」

「の、ようだ。」

安堵して息を吐く、そこではっと思いだし倒れてる人の所に行く。

「大丈夫ですか?」

そこで気が付く倒れている人はもう死んでいる事に。


「ウ・・グッ・・」


吐き気がして口を塞ぐ、死んでいる人の顔は半分グチャグチャだった・・・

教官が死体を運ぶ、私はこみ上げてくる吐き気を我慢して運んだ。

外に出た時私の意識は途切れた。



気がついた時私は宿屋のベットに寝かされていた。


「んぁ・・・ここは?」


頭がぼ~っとする、誰かいる?

「大丈夫かい?」

ハンナさんがこちらを覗いて聞いてくる。

「はい、ちょっと頭がぼ~っとしますが。」

私の声を聞いてハンナさんが安堵の息を吐いた。

「セレスが迷宮で倒れたって冒険者の人が運んでくれてね・・」

「迷宮・・・はっ!あの、教官はどうしました?倒れていた人は?!」

「どうしたんだい?!私はセレスが迷宮で倒れたとしか聞いてないけど。」

「人が・・あ・れ・・えと顔が?!・・・」

「大丈夫だから今はとにかく落ち着きなさい。」

ハンナさんが優しく抱きしめてくれる、ハンナさんのおかげでひとまず落ちついた。



しばらくしてナッツさんが教官を連れて来た。

「すいませんハンナさん、ナッツさんお店があるのに。」

「バカいってんじゃないよ!!!あんたは今自分の事だけ考えてればいいんだよ!」

ハンナさんの優しさが心に沁みた。


「もう大丈夫か?」


二人が気を利かせて出ていく。

「はい、大丈夫です。」

しばらく沈黙が続いた・・・

「あの時いた冒険者な・・身元が解ったからいずれ家族のもとに帰るだろう。」

「やっぱり死んでたん・・ですね」

「ああ・・でもセリスが気にする事じゃねぇ、冒険者である以上誰にでも起こることだ。」

「はぃ」


教官が空気を変えようとカード手渡してきた。

「これでセリスも立派な冒険者だ!」

私はありがとうございますと言ってカードを受け取った・・。

その後は何を話したかハッキリとは覚えていない、ただ近々騎士団が調査と掃討作戦をすると言ってた事だけは覚えていた。



あれから4日が過ぎても私は何処にも行かずシーツに包まっていた。

しばらくモゾモゾとしてベットから起き一階に降りた。


「お腹空いてるだろイスに座って待ってな。」


初めてここに来た時と同じだなって思ってちょっと可笑しかった。

お腹が膨れると悩みも薄まった、私って単純だな。

食事を終えて果実酒を飲んでいると私の前に男が座って来た。


「よう!色々大変だったみてえだな。」

「誰・・ですか?」

「おっとそうだったな、俺はナツってんだよろしくな!」

「私は・」

「知ってるよセレスティアだろ?有名人だもんな」

「有名人?」

「ああ、超絶美人にして妖艶、そんでもって強くて美しい戦姫ってな!」

初耳だ、そんな事聞いた事もない。

「知らなかったのか?まぁ人の噂は止められねえからな。」

「えっとそれで何か御用ですか?」

「ああ、なんだ・・その、俺とPT組んでくれねえか?」

「PT?なんで私と?」

「実は俺も最近冒険者になったばかりでさ、誰か信頼できるヤツを探してたってわけだ」

「それが私って事?」

「そのとうり!」

「今初めて会話した相手がなんで信頼できるって事になるの?」

「う~ん、最初は一目見た時、コイツはいいかもってビビっとキタ!

簡単にいうと勘だな。」

「勘って・・」

「でも今はその勘が確信に変わった。」

「なんで・・」

「今回の迷宮の話を聞いてね、コイツになら背中を預けて戦えるって思ったからな。」

「・・・・」

「嫌か?どうしても嫌なら無理強いはしねぇ、残念だけどな。」

「私あんまり強くないし・・まだまだ冒険者としては解らない事も多いし、役に立たないかも・・」

「俺はな役に立つとか立たないとかで決めてるわけじゃない。一緒に居たいかどうかだ!」

「えっと、あの、」

「ダメか?」

「しばらくPTを組んで様子を見てそれでもお互いに異存がなかったら正式にPTを組むって感じでいいかな?」

「えっとつまり、ひとまずPTを組むって事でいいんだな?」

私はコクっと肯いた。

「よっしゃ!!これからよろしくなセレスティア。」

「セレスでいいよ。」

「じゃあ改めて、セレスよろしく!」

「よろしくお願いします、ナツさん!」

「なんだよ呼び捨てでいいよ。」

「ハイ、ナツ!」

こうしてわたしはPTを組んだ。



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