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銀髪の女神様は優柔不断  作者: 小雪
第三章 魔族の進行!
13/16

魔族と戦争します! 2-3

戦闘開始から12時間ついに城門は突破された!

騎士団の精鋭が城門から侵入してくる魔族を押し返す。



王都から騎士団が救援に来ていたがクレタの後方の平原で待機している。

「メリッサさんあの人達はなんであそこで待機してるんですか?」

「王都の騎士団の最重要任務は王都と王都の民を守る事です。」

「じゃあ今街に残って戦ってる人達を見捨てるんですか?」

『セレス!!!』

「俺達も逃げる事しかしてねぇんだ、彼らを責める資格はねえ。」

「ナツ…」

馬車の中を重苦しい沈黙がながれる。


隣を見ると小さな女の子が震えて母親に抱きついている。

私はどうすればいいのかな?今から戻ればまだ間に合うかもしれない。

でも間に合っても助けられないかもしれない、ただ殺されるだけかも、あの冒険者のように。


遠くで何かが破壊されるような音が聞こえる。

私は耳を手で覆い何も考えないようにする、でも何も考えないと思えば思うほど頭は混乱して。

どうすればいい?なにが正解?私はどうしたいんだとそんな事が頭の中を駆け巡っていく。


ふと過ぎる、ハンナさんやナッツさんミナツキさんは逃げられたのか…

まだ街に残ってるかもしれない、でも逃げられたのかも。

そういえば私達が馬車に乗る時もまだ大勢の人が残っていた、あの人達も逃げられたのだろうか。

私は顔を伏せて助けに行きたい気持ちと助けに言っても無駄に終わり死ぬかもしれない恐怖に迷っていた


『セレスが助けに行くなら俺もいくぜ!』


ナツが唐突に言った。

「ニャにいってるニャ!」

「そうです、今戻っても…」

「俺には何が正しいかなんてわからねぇでもな、後悔したくないなら自分の好きなようにするべきだ。」

ナツは優しい、今までもそうだしきっとこれからもそうなのだろう。


『私、助けに戻りたい!』


「お姉様…」「セレス様」

「ごめんね二人とも、でも二人はこのまま王都に…」

「あたしも付いて行くニャ!」

「私も御一緒いたします!」

「二人ともなんで、戻ったら死ぬかもしれないのに!」

「それをお姉様が言うのニャ?」

「それをセレス様が言いますか?」


「そうだよね。」

自然と皆に笑みがでる。

「あたしはお姉様の為に」

「私はセレス様を守る任務…使命があります。」

「行こうぜセレス!」

「うん!」


「でもどうやっていくニャ?」

「これだよ、これ。」



ーー 城塞都市クレタ ーー


「怪我人を運べ!」

前線の指揮を任された男は声を張り上げる。

「重歩兵は前に出ろ!弓兵はありったけの矢を撃ちまくれ!」

重歩兵が敵の侵入を拒み、弓兵が雨のように矢を放ち敵を撃つ。


「はぁぁぁああああ!」

「グッは…!!」

「しつこいのよ!」

「調子に乗るな魔族が!」

「グガァァァァアアアア!」


前線にいるのは身の丈2m以上はあるミノタウロス。他にオークやケルベロス、サラマンダーまでいる。

精鋭達は全身に魔力を行き渡らせ強化した力でミノタウロスを斬り倒す。

だが次から次へと襲いかかる魔族の群れに苦戦を強いられる。

「はっ!」

矢がオークの眉間に刺さる。

稲妻(ライトニングボルト)

氷槍(アイスランス)

大勢の人の死体と魔族の死体で街は地獄絵図に変貌する。


「現在の状況を」

騎士団長ザックスは指令室で指示を出す。

「城門前で敵の侵入を阻んでいます、敵は城門からしか侵入できない為現在も押し留められています。」

「こちらの損害は?」

「現在千人の死傷者が出ております。」

「敵の損害は?」

「敵の損害は三千に上ると思われます。」

敵に三千もの損害を出したのはいいが此方も千人もの被害が…

しかもヤツらの後方にはまだ本体と思しき部隊が残っている。

「敵の本隊の数は?」

「およそ三千です。」

「避難の状況は?」

「現在住民の殆どが街道側の門から外に順次避難しています。」

これなら住民の避難はどうにかなる、王都の騎士団も後方に布陣している。

後は街道まで後退していき王都の騎士団と連携して魔族を殲滅できれば。

「伝令!伏兵が街道側に現れました!」

「なに、数は?」

「およそ二千と思われます。」

街道側にはまだ大勢の市民がいる、護衛に騎士を配置してはいるがとても耐えられないだろう。

街道側を占拠されれば今現在城門で戦う騎士達が挟撃され、乱戦になれば消耗戦を強いられる。

「兵を千人街道側に回す。とにかく無理に応戦はせず市民の避難を優先しろ!」

「はっ。」



ーー セレス ーー


「指示に従って避難をお願いします、動けるものは手を貸してくだい。」

街道側では騎士団が必死に退路を守り続けている。

「伏兵なんて小細工を!」

「これ以上進ませない!」

市民を逃がすためには門を閉じる訳にはいかない。

平原で迎え撃つが、人間と魔族の力の差がジワジワと彼らを追い込んでいく。


伏兵による襲撃から二時間ようやく避難が終わろうかという時、城内に侵入していた飛龍が市民に襲いかかる。

氷槍(アイスランス)

氷槍が敵を刺し貫く!

「大丈夫ですか?」

「は、はい(め…女神様)」

「私達が市民を守ります、あなた達は防衛に専念しなさい!」

「メリッサ副官!」

騎士団の人達の士気が僅かだが上がった、さすがメリッサさんです。


「ナツ、ミア、メリッサ、いくよ!」

『光の加護(レインフォース)

光の加護で強化された力が敵を薙ぎ払う。

騎士団が苦戦を強いられていたミノタウロスもナツがあっさりと両断した!

「こんなもんか魔族さんよ。」

ミアの槍がケルベロスやオークを薙ぎ払いサイクロプスの目を貫く!

「どんどん掛かってくるニャ。」

メリッサさんが鞭剣で周囲の敵を切り刻む!

「皆さん此処が踏ん張り所です。」

私が魔術で広範囲の敵を殲滅する!


『炎帝の暴風(イフリートストーム)


避難する人達に襲い掛かる魔族のみならず騎士団に襲いかかる魔族をも炎が瞬く間に飲み込む!

「市民の護衛の者はこのまま街道を走り抜けなさい。残りは門前まで後退!」

メリッサさんの指揮で騎士団は連携の取れた見事な動きをみせていた。

「セリス様魔術で援護をお願いします。」

「まかせて。」


「 怒り狂う精霊達よ 汝の往く手を阻む愚か者を 塵も残さず焼き刻め 」

『雷の暴風(サンダーストーム)


後退をする騎士団を殺そうと襲いかかる魔族を暴風が吹き飛ばし切り刻む、さらに追い打ちを掛けるように雷が魔族を撃ち貫き外からも内からも焼き焦がす。

「凄えぇぇぇぇ!!」「これなら勝てる!」「女神様のお怒りだ!」

その光景に士気を上げた騎士団は瞬く間に魔族を殲滅する事に成功した。



「はぁ…はぁ…」

「こちらは何とかなったね。」

「はい、ですがまだ迷宮側の戦闘は終わっていません。」

「そうだったニャ。」

「とりあえず団長さんに会いに行くか?」

私達は疲れた体に鞭を打つ、まだ戦いは終わってない。


「失礼します。」

「なぜ君が此処にいる。」

「私だけではありません。」

「まさか…」

「まぁそういうこった!」

「なぜ逃げなかった!」

「一度は逃げました…でも私は皆を助けたい、守りたい、後悔したくないんです!」

「・・・・・」

ザックスは迷ったこのまま戦わせていいのかと、だが誰かを助けたい守りたい、その心は彼のいやこの場に残る者が持つ共通の思い!

「此処に残り戦う全ての者に感謝いたします!」


その後私達は街道側の報告と今後の作戦を聞く。

まず城門前で交戦している部隊を援護、これを倒した後、後方にいる部隊の殲滅。

事態は急を要するため作戦はすぐに実行された。


『炎帝の暴風』

密集している敵を焼き尽くす。

敵の大勢が崩れた隙に重歩兵が津波のように魔族を城外へ押し出す。

私はその間に城壁に登り、上から魔術と弓で援護する。

激しい戦闘の末、如何にか魔族の群れの大半を倒す事に成功するが休む暇もなく後方に布陣していた魔族の本隊が動き出す。


現在戦える者はセレス達と残っている冒険者五十名、騎士団が三千名そして敵も三千名。

絶望的と言って差し支えない状況だ、くわえて城門が破壊されている今では籠城する事もできない。

かといって今からでは撤退も無理…

最前線で指揮を取る団長の顔も曇っている。


大勢の魔族が目前に迫って進行してくる様に皆の心に諦めが過ぎる。


『あと一息です、私達は魔族に勝ち平和な日々に再び帰るのです!!!』


セレスが城壁の上から声を張り上げ剣を空に掲げる!

その光景に諦めかけていた騎士団も士気を取り戻す。

「格好つけすぎだろ。」

「さすがお姉様ニャ!」

「セレス様凛々しいです!」

進行する魔族を皆睨みつけ身構える。

最後の戦いが幕を開けた!


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