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銀髪の女神様は優柔不断  作者: 小雪
第三章 魔族の進行!
12/16

魔族と戦争します! 1-3

体がだるい。

また隣に誰かいる。

私はもぞもぞと隣にいる誰かに抱きついた。

誰かは私のお尻を触ってくる、そっと目を開ける。

ニヤけた顔のナツがこっちをみてる!


「この変態!!!」

「グェハ!!!」


取り合えず顔面に拳をおみまいしといた。

「いってぇ~、何すんだよいきなり!」

「あんたが他人のお尻触るからでしょ。」


「というか何でいるのよ!」

「何でってそりゃ…」

私は思い出す、昨日の出来事を…

なんて事をしてしまったのか、塞ぎ込む。

「そんなに嫌だったのか?」

ナツが悲しそうな顔で見る。

「嫌なわけじゃないけど、自分の行動に驚いてるというか。」

「俺は最高に幸せだったぜ!」

セレスの顔は耳まで紅くなり、犬の尻尾のように耳が忙しなく動いている。

「ねぇナツ?」

「ん?」

「なんで私とこういう事したの?」

「セレスが好きだから」

「ふぐっぅぅぅ!」

心臓がバクバクいってる死ぬのかわたし!

「俺はお前のどんな事でも受け入れるつもりだし何時でもお前の傍にいる。

それを分かってもらうには行動しかねぇと思ってよ、俺は気持ちを上手く言葉にできそうもねぇし。」

そう言いながら頬を照れくさく掻くナツを私は可愛いと思った。

「でも私は元々男だったかもよ?」

「なんだそれ?」

私は記憶がない事は話していたが自分がなぜか男なのではと時々思う事。

女の子が好きで男のように女の子のお尻とか胸とか好きな事、恥ずかしくて死にそうだけど全部話した。

「・・・・」

「だから私より他の女の子の方がいいんじゃない?もっと普通の…」

「俺はどんなセレスでも受け入れるっていってんだろ。

それにもしもセレスが男だった時は、唯一無二の大親友として傍にいるよ。」

涙が溢れて止まらなくなる、そんな私にもっと分からせてやると再びキスをした。



昼過ぎ私達は一階に降りる。

「ナツの気持ちは分かったし嬉しいけど、やり過ぎだよ!」

「わりぃ、あんまりセレスが可愛くよ。」

卑怯な言い方だ、そう言われると何も言えなくなる。

ダイニングにいた二人に声を掛ける!

「お、おはようニャ。」

「お、おはようございます。」

二人の反応で察した、聞かれていたと。

「お昼まだでしょ、何か作るね。」

キッチンに逃げ込む。

その後の昼食は微妙な空気、ナツだけ空気を読まずバクバクご飯を食べていた。



数日経ちようやく普段の私達に戻る。

現在迷宮25階、今回も以前のヘルハウンド同様数が多い、

しかもこの階で今まで確認されてないサラマンダーまでいる、メリッサさんによれば今まで確認された事は一度もないそうだ。

「どうするナツ?」

「どっちにしてもこの瘴気の濃さじゃ転移石が使えない。」

「そうですね、ひとまず周りの敵を少しずつ倒していき囲まれないように注意する、という所でしょうか」

「敵が近付いてきてるニャ!」


先頭のケルベロスを風の魔術で切り刻み、吹き飛ばす。

後続のサラマンダーに三人が斬りかかる!

サラマンダーの皮膚は固い鱗で覆われていて剣が弾き返される。

サラマンダーの口から強烈な炎が噴き出す!

私は咄嗟に『火壁(ファイヤーウォール)』で炎を炎で防ぐ。

その間に次の魔術、『氷槍(アイスランス)』でサラマンダーを刺し貫く!

態勢を立て直したケルベロスを三人が斬り倒す。

その後も戦闘が続き私達は後退しながら戦い、敵の追撃がなくなった所で24階に戻り転移石で地上に帰る。


メリッサさんは騎士団に報告して行くと私達と別れる。

家に帰り三人共疲れて自室で眠りに就いた。


ーー メリッサ ーー


「報告は以上です。」

「ふぅ、25階でもか…」

「団長、25階でもとは?」

「先ほど30階以上に居た者達すべてが強力な魔族に襲われ逃げてきた。」

「・・・・」

「現在30階に精鋭を送り防衛をしている。

だが、25階でも魔族が増えているのではこちらにも兵を割かねばならん。」

「メリッサすまないが当分騎士団の方に戻ってきてくれ。」

「ハッ!」

「いよいよ事態が動いてきたか…」


ーー セレス ーー


「…と言う訳でとうぶん騎士団に戻る事になる。」

「かなりヤバそうだな、大丈夫なのか?」

「現時点では判りません。」

「もし私達で手伝える事があったら何でも言ってね!」

「ありがとうございますセレス様。」

そしてメリッサは騎士団に戻って行った。


「魔族が急激な増加か…」

「俺達も準備はしといた方がいいだろうな。」

「そうだね。」

それから数日私達は武器や道具などを準備し、ひたすら強くなる為に鍛錬した。



あの日から一カ月ついに騎士団の防備を魔族が打ち崩した!

市民の避難は着々と進められていたおかげで大きな混乱もない、ただ全ての市民を避難させる事は今だ出来ておらず、約2割の人口が都市に残っている、動けない者動かない者、その間も魔族の進行は止まらない。


王都から騎士団が派遣される予定だが魔族との戦争が勃発し城壁を破られた場合、市街戦になると不利になるとクレタと王都の意見が割れ足並みは依然そろっていない。


迷宮を出た魔族達はすぐには攻めてこない、迷宮とクレタの間の草原で陣をなす。

現在確認出来ている数は五千、クレタの全騎士団員で一万人今のままなら何とかなるが依然魔族は増え続けている。

魔術師による遠距離からの攻撃も前衛に配置されている魔族の障壁によって阻まれていた。



私達は団長室に呼ばれていた。

「失礼します!セレス様達を連れて参りました。」

「御苦労。」

団長さんの顔は疲れ切っており以前のキリっとした顔は曇っていた。

「君達に来て貰ったのは他でもない、魔族との戦いに参加しないでほしい!」

「なんでですか?」

「私はこう考えている、今回の魔族の進行は勿論地上を支配するという目的もあるのだろうが君を捕らえるか殺すためなのではないかと!」

「・・・・」

「君を差し出す事でこの街が守られるならそうしよう、だが魔族がそれだけで大人しくなる等到底思えぬ。だから君達にはこの街を離れてほしい、今の戦力では君達を守りきれる保証はない。」

「皆さんはどうするんですか?」

「戦う事になる、まず勝目はないがね。」

「なら私も…」

「君が戦えば確実に勝てるのかね?」

「それは・・・」

「私達は騎士だ、この国の民の為に戦う義務がある!

私達が戦いを放棄すれば今現在クレタに残るもの、王都や周辺の都市に逃げる者達が危険になる。」

「それに私は君に少し期待している。」

「え?」

「ダークエルフ、聖魔術、頼もしい仲間、優しい心。まるで御伽話でも読んでるようだ。

君達を生かす事で何れこの魔族との長い戦争を如何にかしてくれると信じている。」

私にはそんな力はないと言いたかったが彼の顔を見るとそんな事言えなかった。

まるで最後の希望を見るような覚悟の顔をしていたから。



翌日私達は王都に向かう馬車に乗りクレタを出た。

馬車を待っていた時、今だ多くの人が並んでいた。どの人も体調に難があったり子供がいて満足に動けない人達だ。


馬車が出てどれくらい経ったか、遠くで咆哮が聞こえる!

ついに魔族との戦争が本格的に開戦した。


ーー 騎士団 団長 ーー


「伝令!魔族の第一波進行します。」

「来たか…」

彼らは無事逃げられたかと考えながら城壁に走り出した。


第一波には城壁を破壊する程の攻撃力があるサイクロプス、タイタンなどが配置されている。

さらに空には多数の飛龍が飛んでいる。


城壁から弓兵が矢を雨のように降らす。さらに魔術師達の強力な連携魔法で大地からマグマのように炎を噴き出させる!


『『 炎帝の暴風(イフリートストーム) 』』


先頭にいた障壁を持つ魔族を炎が飲み込む、後続にも炎によって被害を齎すが死を恐れず進行する魔族を防ぐ事はできない。


時期に魔族が城壁に取り付く!騎士団も必死に応戦するが取り付かれる事によって狙いにくくなる。


「魔術師達は後方の敵を殲滅しろ、弓兵は飛龍を優先的に狙え!」

団長が指示をだす、そこに魔族たちの第二派が進行!


魔術師達も力の限り戦うが一人また一人と魔力が切れて気絶する。懸命に詠唱を続ける者も矢の弾幕をすり抜けた飛龍に掴まれ空中から放り捨てられる。


サイクロプスとタイタンが城門を激しく攻撃!

城門を何とか抑えようと沢山の兵士が内側から抑える!!


今だ動けずにいる街の人たちにも城門や城壁を攻撃する音、魔族の耳を裂くような咆哮が届く。

母は子供を抱き、お年寄りは神に祈りを捧げる。


戦闘開始から12時間・・・ついに城門は突破された!


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