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オオカミさんはお腹がすいた。

作者: Hiro

 オオカミさんは、とっても大きな笑ったお口と、小さいけれどもとってもスルドイおハナの持ち主です。

 背もたかーくて、髪もながーくて、おメメもぱっちりとした、とってもとってもキュートさんなのです。

 お洋服もちょっぴり露出が高くて、お腹の開いたアラビアーンな感じでドキドキです。


 でもそんな、ちょ~キュートなオオカミさんにも悩み事があります。

 それは、友ダチがいなくて、いつもいつもサビしい思いをしていることです。


 そんなある日、オオカミさんは、友ダチ作りの旅に出ることにしました。

「友ダチさえ作ればボクはサビしくなくなるハズだ」

 そう考えて、オオカミさんはグルグルと旅を始めます。


 オオカミさんが長い道をテクテクと歩いていると、赤い髪の毛を立てたカッコかわいい(カッコいい+可愛い)感じのニワトリさんと出会いました。

 オオカミさんは、そんなカッコかわいい、ニワトリさんを誘い友ダチとなります。

 オオカミさんとニワトリさんは、イチャイチャ、ウフウフとハダを重ね仲良くしました。


 しばらくすると、ニワトリさんはお腹が空いたので飼料を食べて、お腹いっぱいになりました。

 オオカミさんは、そんなニワトリさんをペロ~リと丸呑みして、お腹いっぱいになりました。


 オオカミさんは、せっかくデキた友ダチを失ってしまい、また孤独に戻ってしまいます。

 とてもサビしくて、悲しい気持ちも戻ってしまいました。


 孤独になったオオカミさんは、そのサビしさを紛らわせようと、また旅をすることにしました。

 すると今度は、三人のふくよかなコブタちゃんたちが現れました。


 一番上のコブタちゃんは、金色の髪でとってもグラマーです。

 二番目のコブタちゃんは、銀色の髪でとってもとってもグラマーです。

 一番下のコブタちゃんは、黒髪でとってもとってももってもグラマネスです。

 オオカミさんは、彼女たちとも友ダチになりました。


 オオカミさんは、コブタちゃんたちといっしょに、ワラと木とレンガを組み合わせた大きなお家を作りました。

 そして、暖かいお家の中で、コブタちゃんたちのボリューム満点なムネにうもれ、ポヨヨン、フワフワと楽しんでいます。


 そうしていると、三人のコブタちゃんは、お腹が空いたので飼料を食べて、お腹いっぱいになりました。

 オオカミさんは、とっても健康的で魅力的なコブタちゃんたちを、三人ともいっしょに丸呑みしてしまいました。

 すると、さっきまであんなに、にぎやかだった家が静かになってしまいます。


 するとオオカミさんは、またサビしくて、悲しい気持ちになってしまいました。

 こんどは、一度に三人の友ダチがいなくなってしまったので、サビしさも三倍です。

 オオカミさんは、大きなおメメいっぱいに、大粒な、でもキレイな涙を浮かべて悲しみます。


「なぜボクは、友ダチを食べなければならないのだろう?」


 でも、そんなオオカミさんの疑問に、夜空の痩せこけたお月様は何も応えてくれません。

 自分も「お腹が空いた」と、言わんがばかりの細い細い姿をさらし、オオカミさんを照らしているだけでした。



 オオカミさんは、次の日も旅を続けることにしました。


 今度は、草むらでノンビリとしている、アミタイツに蝶ネクタイをした、セクシーなウサギさんと出会います。

 オオカミさんに気付いたセクシーなウサギさん(推定Dカップ)は、フレンドリーに「ちょっと遊んでいかない♪」と、色っぽく声をかけました。

 オオカミさんは、そんなウサギさんのセクシーなお誘いに、とってもうれしく思い「ごきげんようウサギさん」とアイサツを返します。

 でも、今度は友ダチになろうとしませんでした。逆に、自分から逃げるように言います。

 オオカミさんは、また友ダチを失うことを、こわがっていたのです。


 だけれどウサギさんは、「いま、疲れてるから、自分で動きたくないのぉ」と言い、その場でセクシーポーズをとりウネウネと寝転んで逃げてくれません。

「そんなことを言わないで、早く逃げて!」

 オオカミさんは、大きな口を一生懸命に広げて、ウサギさんを驚かそうとします。

「でないと、ボクはキミをぺロ~リと食べちゃいますよ!」

 それでもウサギさんは、その場から逃げようとはしませんでした。

「アナタは、アタシの事を食べたくないの?」

 大きなムネをゆらしてため息をつき、残念そうにしています。

「アタシって、そんなに美味しくなさそうなのかしら?」

 ウサギさんは上目づかいでオオカミさんを見つめながら尋ねます。

 その言葉にあわてたオオカミさんは、すぐに否定します。

「ボクは、いままでたくさんの友ダチを作ってきたんだ。でも、彼女らはいつまでもボクといられない。とってもとっても好きだったのに」

 オオカミさんは、脅かそうとしたときよりも、もっともっと一生懸命に口を動かします。

「友ダチとわかれるのは、とてもサビしいことだった。だから、ボクはキミと一緒にいて友ダチになりたくないんだ」

 セクシーポーズのままウサギさんは、オオカミさんのウルウルした瞳をみつめます。

「でも…きっとまたお腹が空いたら、ボクはキミのこと食べてしまうんだ……」

 その事を想像すると、オオカミさんのひらたなムネは締め付けられるように痛みました。


 そんなオオカミさんに自慢のムネを押しつけて、ウサギさんはささやきました。

「でも、私はアナタに食べてもらいたいカナ。私をちゃんと大事に想ってくれる、やさしいアナタに食べてもらいたいの」

 赤い瞳のウサギさんは、涙を浮かべたオオカミさんと見つめあい、気楽に言いました。

「どうせ、もともとアタシは追われてるのよ。なら、アナタの中にいたほうが、自分の足で逃げるよりも、きっと楽で早いわ」

 それならばと、オオカミさんはウサギさんと友ダチになりました。


 沢山のイヤらしいことを話し、沢山ウサギさんのことイヤらしい姿を見せあいます。

 そしてお腹がすくとウサギさんを丸呑みにしました。

 オオカミさんは、また孤独になってしまいました。

 でも、セクシーなウサギさんとの、楽しい思い出が少しだけサビしさを紛らわせてくれます。

 そんなオオカミさんの後ろを、地味な緑色のカメさんが、通りすぎて行きますが、オオカミさんの趣味ではなかったので、ノータッチです。


 すると、今度はなだらかな丘の向こうから、大きな赤いリボンを頭につけたロリッ子が、ペタペタとムネも揺らさずに歩いてきました。

 ロリッ子は、先ほどのウサギさんのように、赤い目をしていました。

「どうしたの?」

 オオカミさんは、泣いているロリッ子の様子を心配して聞きました。

「ワタシのとってもセクシーなウサギさんが、いなくなってしまったの……」

 ロリッ子は、オオカミさんに自分が泣いている理由を、とても悲しそうに打ち明けてくれました。

 オオカミさんは、目の前のロリッ子が探しているのは、さきほど自分が食べてしまったウサギさんのことだと、すぐに気がつきました。

「もうウサギさんは、とっても遠くの世界に行ってしまったんだ」

 と、彼女ウサギさんがいなくなってしまったことを、ツルペタなロリッ子に教えてあげます。

 それを聞いたロリッ子は、はしたないほどの声を上げ、泣き出してしまいました。

 突然の出来事に、オオカミさんは、困ってしまいます。


 ロリッ子は「ウサギさんに会いたい!」と願います。

 でも、今のオオカミさんは、お洋服のサイズを一つ上げたくなるほど、お腹がいっぱいなので、とてもロリッ子まで食べられそうにありません。

 かといって、そのままロリッ子をほっておくこともできなかったので、こう提案しました。

「なら、ボクと友ダチになろうよ。

 そうすれば、ボクがキミを彼女のところにつれていってあげられるから」

 ロリッ子は、オオカミさんの提案を大喜びで受け入れ、オオカミさんと友ダチになり、法に触れぬよう健全に遊びました。


 でも、カクレンボは、ハナの良いオオカミさんが、ロリッ子の匂いをハァハァと嗅ぎ分けてたどり、あっさりと隠れ場所を見つけ出してしまいます。

 身体の大きさがあまりにも違うので、尻相撲でも相手になりません。

 そして、鬼ゴッコでは足の速さが違いすぎ、ロリッ子は、オオカミさんの影を踏む事もできませんでした。


 自分が、何ひとつオオカミさんに敵わないことを知ったロリッ子は、

「もういいモン、アンタなんか友ダチじゃないモン」

 と、ホオを膨らませて、オオカミさんに背を向けてしまいます。

 その言葉に少し傷ついたオオカミさんでしたが、『そのほうがいいかもしれない』と思いました。

 ロリッ子とたくさん遊んで、お腹が空いたのです。

 このまま友ダチでない彼女を丸呑みしてしまえば、オオカミさんのサビしさは大きくならないかもしれません。

 オオカミさんは、大きく口を開け、そっとロリッ子の背後に近寄ります。

『友ダチじゃなくなっても、約束はちゃんと守らなくっちゃ』

 しかし、オオカミさんが近づくと、ロリッ子は突然振り返り、オオカミさんの少しだけヘコんだお腹に触りこう言いました。

「ウソよ。ひっかかったわね」

 ロリッ子は鬼ごっこに勝つためにウソをついたのです。オオカミさんを自分の直ぐそばまで引き寄せるために。

「……そうかウソだったんだ」

 結局、オオカミさんは、ロリッ子と友ダチのまま、お別れをすることになりました。

「さっ、そろそろワタシを、ウサギさんのところまで連れて行ってちょうだい」

 自分のことしか考えず、相手の感情を察する能力に欠けたロリッ子は、オオカミさんの長い足によりそい無邪気にせがみます。

 オオカミさんは、悲しさを声に出さないように気をつけながら「うん、約束だからね」と、大きなお口で、小さなロリッ子を丸呑みしようとしました。


 そこに 『ズドン』 と、大きな音がします。

 気がつくと、オオカミさんのお腹に丸い小さな穴を開いてしまいました。


「まったく、ニワトリやブタだけじゃなくて、女の子まで襲うなんて酷い奴だ」

 ロリッ子は、オオカミさんが撃たれことに、ビックリしてパンツを湿らしてしまいます。

 突然の出来事に動くことも、声をあげることもできません。


 そんな脇で猟師は、手にしたナイフで、オオカミさんのキュートなお腹を引き裂き、その奥の奥までまでジックリ覗きこみます。

 そして、そこから手をねじこむと、乱暴にかき回しました。

 すると、その中に隠れていたものたちを、無理矢理、引きずり出しました。


「また檻の中で暮らしがはじまるのね……」

 オオカミさんのお腹から取り出された、セクシーなウサギさんが、切なそうにが嘆いています。

 その脇ではロリッ子が、ウサギさんとの再会を喜びました。


「今度は人間に食べられるために、おデブちゃんにならなきゃいけないのね……」

 グラマーなコブタ三姉妹が出てきて、自らの奇跡のような美しい体型を、崩さねばならないことを嘆きました。


「また人間に、子を奪われる日々に戻るのか……」

 赤い髪を立てたニワトリさんが、悔しそうに拳をにぎります。


 猟師は、そんな家畜たちと、ロリッ子(血縁関係ナシ)を連れ、自分のお家に帰ってゆきました。


 そしてオオカミさんは、

「もう何も食べなくても良いんだ」

 と、うれしそうに夜空を照らす、お星様になりました。

 その脇では、ほんの少しだけ厚みを増したお月様が寄り添い、新しい仲間を歓迎しているようでした。


 ロリッ子は、デキたばかりの友ダチが、いなくなってしまったけれど、気にしないことにしました。

 だって、友ダチはまた作ればいいのだからと……。

 

 

 

 

 

 でも、大神オオカミさまがいなくなった大地では、みんな好き放題に暴れて、友ダチ作りどころじゃ、なくなってしまいましたとさ。


 〈おしまい〉

ご感想などお聞かせいただければうれしく思います。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  お友達を食べてしまい、常に孤独を強いられる狼さん。ですが、お友達である彼女たちは、彼に望まれて食べられていたという構成がとても面白いと思いました。 [気になる点]  狼さんの正体が大伸さ…
2014/01/26 22:17 退会済み
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