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プロローグ
物怖じしない十三の娘は、自分よりも随分と年上の男を前に微笑んだ。
「仲良くして下さいね」
その言葉を魔法の言葉だとでも信じているのか、そう言えば誰しもが友になれると思っているのか、その顔は晴れやかだった。
――仲良くするいわれなどもとより無い。
どこの阿呆だとてこんな話に容易くうなずき、順応し暮らしていける筈などない。
自分の妻に、と言われたところで「何の冗談だ」と言える。
だというのに、こともあろうに、この小娘様は、父の後妻として――正式に義母となるのだという。
ヴァルファムは天を見上げ、内心で激しく罵った。
――あのクソ親父!
プロローグ(13歳)継母と継子(16歳)となっておりますが、その後の本編は13歳に戻りまして物語は進みます……陽だまりのキミはほのぼの育児日記となっておりますが、あなたの心に何かが浸透していけばよいなと思います。