第一話 キツネとおじいさん
このお話は、青空文庫様の「かちかち山」を基に書いたものです。ぜひ読む前に一度そちらの作品を読んでから読んでみてください。また、自分は今回初投稿ということもあり、あまり綺麗な文章ではありません。どうか温かい目でご覧ください。
「かちかち山」という昔話は知っておるか?
今日はそのかちかち山の続きのお話でもしようかのう。
むかしむかし、あるところにおじいさんと白うさぎが住んでおった。
おじいさんには長年連れ添ったおばあさんがおったが、ある日死んでしもうた。
白うさぎと二人、決して裕福ではないが、毎日幸せな生活を送っていたそうじゃ。
ある日の朝、足腰が弱くなってしまったおじいさんの代わりに白うさぎが畑仕事に行っていたときじゃった。
「おじいさんはいらっしゃいますか?私は裏山に住んでいるキツネです。どうしても話したいことがあるので扉を開けてくれませぬか?」
少し震えた声で裏山に住んでいたキツネが訪ねてきた。
しかしおじいさんは、おばあさんのことがあってから酷く動物を怖がっておった。
「ワシはもう、動物と関わることをやめたんじゃ。どうしてもというのなら、白うさぎもいる時に出直してくれ。」
するとキツネは、か細い声でつぶやいたんじゃ。
「白うさぎがいてはダメなのです、、。」
おじいさんが「なぜじゃ?」と問いかけると、キツネは続けてこう言った。
「私には最近、妻ができました。もうすぐ、この裏山を出て二人で巣作りを始める予定です。その前にどうしても、あの日のことについて伝えておきたいのです。あのたぬきと今おじいさんと暮らしている白うさぎのことについて、、。私も最初は見て見ぬふりしようと思っていたんです。でも、毎日毎日おばあさんのお墓の前で泣いているおじいさんを見て、話をするべきだと思ったのです。それに私は、あなたのことを心配しているんです。白うさぎと一緒に生活しているなんて、、、、どうか一つ、私の話を聞いてはくれませんか?もしかしたらおばあさんが殺されたのは、計画されたものだったのかもしれないのです、、、」
最初は怖がっていたおじいさんじゃったが、ばあさまの話が気になってしまい、ついには扉を開けってしまったのじゃった。
「ワシはもう動物の言葉は信用せん。じゃが、ばあさまのこととなったら話は別じゃ。ばあさまのことについて何か知っているのなら、どうか聞かせてくれ。本当は今すぐにでも聞きたいところじゃが、もうすぐ白うさぎが帰ってくる頃じゃ。明日、白うさぎに町まで買い物に行ってもらおうと思っておる。白うさぎが家を出たら裏口に柿の実を一つ置くから、それを見たらまた家に来ておくれ。ワシはあんたを信じてみようと思う。」
おじいさんは一度、キツネを信じてみることにしたのじゃ。キツネは複雑な表情を浮かべながら
「ありがとうございます。また明日、お話ししましょう。」
そう言いながら深々とお辞儀をし、足早に裏山に帰って行ったのじゃった。
今日はこれくらいにしとくかのぅ。
続きはまた、月の見える夜の日にでも話してやろう。