チートで無敵な魔王の加護は異世界最強です!?(3)
「ネックレスの方が大きい効果をつけられるんですね?」
「そだよー。効果は攻撃系は中、それ以外は大って感じかな。」
「それであればわたしは体力がやはりネックなので、体力強化をお願いします。」
「んじゃ、ネックレスは体力強化ね。ピアスはどーする?左右で別々に付与してもいいよ。同じにして連動させれば中くらいはいけるかも。」
「回避はどれくらいの効果になりますか?」
「一つなら低位ランクのモンスター、二つなら中位でも弱めのモンスターならいけるかな。攻撃の種類にもよるけど、物理系なら大丈夫だよ。カウンターもだけど、戦闘しないならいらないと思うな。」
「だが、そもそもダンジョン内はずっとスキルを使い続けるつもりだろう?」
「そうだね。レベル次第では回避もあんまり必要ないような……」
「美容と健康とかもあるけど?あと安眠とか。疲労回復にいいよ。体力強化しても一日中歩いてると疲れるからね。体力強化って要するに疲労軽減だから、どれくらいのペースで進むかにもよるけど。生物の仕組みに抗うようなものはさすがにつけられないから、覚醒した状態の疲労回復はヒューマンがつけててもあんまり効果ないと思うんだ。」
「え。」
美容……ちょっと気になる。三十路になったわけだし、お肌の曲がり角に来てるし、こっちのスキンケア、あんまり役に立たないし。保湿は化粧品を自作して難を逃れてるけど、シミ予防とかはしておきたい。
でも、安眠かぁ。疲労回復効果、有難いなぁ。今回のシディーゴ第一はネクター飲んで回復したけど、超貴重でスタンピードのような第一級大規模討伐でしか原液は支給できないと本部の方に教わった。それも今本部にすら在庫がないという。
仕事のこと考えると安眠の方がいいとは分かってる。
だが、美容。美容という言葉の刺激が強過ぎる。
「あと、浄化?何日もダンジョンにいると衛生的に良くないから。服や装備品にも汚れがつかなくなるよ。それなら片方で済む。」
なにそれ。それ大事。すごい大事。今まで一泊で済んでたから濡れタオルで拭くくらいで済ましてたけど、今後何日か続けて留まることも増えるだろうからどうしようか悩んでた。いっそ浴槽そのまま鞄に突っ込んでおこうかと考えたくらいだ。
「一つは浄化でお願いします。」
「はーい。もう一つはどうする?安眠?」
「安眠も気になるんですけど、どうしよう……まだ迷っています。」
「ほーい。とりあえずこっちの先にやっとくから考えといて。」
美容。美容も大事。だけど、ダンジョンで役に立つものの方がいいのではないかとも思う。いや、冒険者としたらそっちの方が大事に決まってる。でも、美容。美容がパワーワード過ぎる。
「オウじいさま!」
「オウじいさまだ!」
「おー、ワイーロたん!フーセたん!オーショックたんも!」
「ご機嫌よう、お祖父様。私も今年成人ですからそろそろたん付けはおやめください。伯父上、ショウコさん、おかえりなさい。お早いお戻りでしたね。二人とも、皆さまにちゃんとご挨拶しないといけないよ。」
オーショック君、とても出来たお兄さんだな。バルトの甥とは思えん。
バルトのお兄さんガーメッツ・イ・ヨックバール氏の子どもたちとその中の末っ子を抱いたゾーワ夫人が部屋に入って来た。赤ちゃんはおばあちゃんの腕の中であうあうと声を上げている。
「マイーナたんはご機嫌しゃんでしゅね〜!」
「オーショ。兄上はどうした?」
「職場から呼び出しを食らって文句を言いながら向かいましたよ。第一で何かあったのですか?」
「まあ、色々な。」
「ショウコさん、もう付与を何にするか決めたの?」
「あと一つまだ迷ってまして。」
魔王様、孫に気を取られてるけど、ちゃんとお守りの効果付与してくれるかな?大事なんだけど、それ。
「わたくしは美容にするつもりよ。この石ならかなり効果が高いでしょうし。」
やっぱり気になるよね、美容。分かるわ。ゾーワ夫人、お若く見えるけど美容は永遠の課題だよね。
「何で迷ってるの?」
「美容と安眠です。」
「冒険者と女の性のせめぎ合いね。でも、安眠なら薬があるからいらないんじゃない?」
「え。そうなんですか?」
「ねえ、あなた。」
「まあ、効果が高いものはそれなりの値だがな。目的は疲労回復がメインだろう?今回の件、功績として認められれば褒賞が出るだろう。そういえば、前回のはどうしたのだ?」
「お金で頂きました。」
第三のときの件諸々の褒賞が出たのだが、マジックバッグで貯金が減ったからお金にしてもらった。物でもいいそうで、ゴズさんはミスリルの融通をお願いしていた。現在、自前の武器をミスリルの割合いを上げて打ち直しをしてもらっている。
「第一で色々と出て来たんだ。それを褒賞に願い出ればいい。それなりの量を融通してもらえるはずだ。原液なら薄めて使えばいいしな。瀕死の重傷でないのなら原液である必要はない。」
「頂けるでしょうか?全て在庫が底をついていたと本部の方はおっしゃってましたけど。」
それがあれば第三だって……いや、考えちゃダメだ。たられば話で過去は変えられない。今後の教訓にしていく。それだけだ。
「パナケイアもネクターもエリクサーも、あれだけ回収出来たんだ。少しくらいねだっても問題はない。」
そうかな?ならいいか。ん?何か大事なことを忘れているような……?
「あ!」
「ど、どしたの!?」
「わたし、マジックバッグの中に色々入れっぱなしです!」
魔王様のテレポートで強制的にヨックバール邸に帰って来ちゃったからそのまんまだった!
「だったらちょっとちょろまかしても良くない?」
「良くありません!なんてこと言うんですか!それにそれが見つかったらクビになりますよ!?」
「その前に弱みを握られて本部異動にさせられると思うがな。」
「それも困ります。回収したものは全て本部に出して来ます。今から行って来ます。」
「待って待って!その前に、付与何にするか決めてって!僕、コレ終わったら帰っちゃうから!」
わたしは大きく深呼吸して、魔王様へ真っ直ぐに向き直り、きっぱりとオーダーした。
「美容でお願いします。」
オーショック君がちょっと吹き出したのは聞かなかったことにしよう。
★ヨックバール家にいる魔王様のひ孫ちゃんたち
=バルトの兄ガーメッツと魔王様の孫コーワの子どもたち
オーショック・イ・ヨックバール(14)
今年15歳で成人を迎える
完全なるヒューマンとして生まれた
春に学校を卒業し、研究機関に就職予定
汚職政治家になるつもりはない
理想の長男
ワイーロ・イ・ヨックバール(11)
角があるがコアはないザ・次男
割と問題児だが、将来の夢は政治家
賄賂は嫌い
オウじいさまが大好き
伯父のバルトが少し苦手
フーセ・イ・ヨックバール(7)
完全なるヒューマンな三男
不正は大嫌い
将来の夢はヒーローただし具体的なイメージはない
ワイーロの角が羨ましい
バルトが竜化出来るのを知らない
マイーナ・イ・ヨックバール(1)
待望の長女、まさかのコア持ち
母体にいた期間が三年に及んだ
魔王様「お腹に三年くらいなら寿命は三千歳くらいかな」
計算式は妊娠期間×15×平均寿命60
女の子なのでもう少し長いだろうと予測して+300
番はハーフエルフの予定
ソヨウの血が入ってないのに性格がソックリに育つ
二月で一歳だがまだ生後二、三か月くらいにしか成長してない
●魔王様の人の呼び方
〇〇君、〇〇ちゃん、自分の血族の未成年は〇〇たん
成人相手でも語呂が悪い場合には〇〇っち、〇〇ちん、〇〇っぺ等バリエーション豊富
呼び捨てにしてるのは執事のマティコと奥さんのことくらい




