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ダンジョンは危険がいっぱいだけど、全部スルーしていきます  作者: 里和ささみ


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真夏のアイラン島(1)

やっとこさこのタイトルにたどりつきました。長かったなぁ。

全然書き溜められてないんですけど、梅雨が明けたのでとりあえずひとつ投稿します。

 こちらも夏は暑いので、夏季休暇なるものがある。日本でいう、お盆休みと年末年始休暇とゴールデンウィーク。秋はシルバーウィークだっけ?そんな感じの連休が、四季に一度ある。


 そうでない職種もあるが、基本は休みだ。役人は暦通りが普通なのである。


「やっほほーい!むっかえっにきったよ〜!」


 魔王様が来たよ。魔王様なのに恐ろしくもなんともないところがこの人の恐ろしいところだと思う。


「やあ、ビショちゃん!相変わらずちんまりしててかわいいね!さすが僕の初やしゃブフぅ!何するの!?遅れてきた反抗期!?」


「オウ祖父様ったら。お祖父様のお美しいお顔に蚊がとまっておりましてよ?うふふ!」


「え、そうだった……?」


 魔王様が呆然とするのも無理はない。


 魔王様に顔面ビンタ。顔面ビンタだよ。同行者全員が驚いて口を開けないでいる。とにかくトシバレすることは言わせたくなかったんだな。絶対そうだ。


「じゃあ、ジンくんはみんなと入れ違いで連れてけばいいんだね?」


「はい。よろしくお願いします。」


「かったいなぁ!ジンくんは!もっとお祖父様に甘えていいんだよ!?ワガママだってバッチこいなんだから!」


「充分、良くしていただいております。」


「んもぉ!そういうのが距離を感じるんだってばっ!」


 魔王様が地団駄を踏んでいる。どっちが孫なんだ。見た目は同年代にしか見えん。


 わたしがアイラン島ダンジョン調査を引き受ける話と同時期に、ビショさんが自分の隊の子たちを連れて稽古をつけて欲しいと魔王様に申し出たらしい。

 結局その流れで、コッティラーノからAランクのゴーゴ隊、ウーカ隊、トーラ隊、あとハナちゃん呼んだついでにBランクのトーイ隊を連れて行くことになった。バカンスから一気に修行の旅だ。

 流石になんかあったときに全員不在は困るので、ウーカ隊とジンさんは後発組だ。ギルド職員はローテーションで休みを取るらしい。ゴズさんは休みついでに第二の代理管理者となり、ミルックの実家に泊まりに行っている。コートさんも後半休み組。


「さ。そろそろ紹介してくれない?」


「閣下。こちらが我が友であるユキヒト・サヤマです。」


 陽キャの雰囲気に気圧されて……というわけでもないが、ずっとバルトの後ろに隠れていた佐山くんがようやく顔を出した。


「初めまして、ユキヒト・サヤマ。サヤマくん、でいいかな?それともユッキーって呼んでいい?」


 いきなりユッキーはどうかと。誰も呼んでないよ。バルトにそう呼べってねだってたときあったけど。


「お好きにどうぞ。」


「なら、ユッキー!僕はずっと、キミに会ってみたかった!時を超えてこうして相見えることができて、とても光栄だよ。」


「はぁ。そんなご大層な人間じゃないんですけどね。」


「そんなことないよ!」


「だって、閣下が読んだのって、俺が持ってた教科書丸写ししただけのものですよね?学科のヤツと、パンキョーのヤツと、カテキョのバイト行くのにたまたま持ってた受験対策用に買った社会科の教科書です。アレを考えたのは俺じゃないし、俺は書き写しただけですから。」


「だけど、あの時代にあれを記すには相当勇気が必要だったはずだ。キミはグレップの王と政治体制に一言申したかったんじゃないの?」


「そこまで考えてないですよ。本当に。そんな余裕、なかったんで。」


 魔王様は頑なな佐山くんに少しだけ困った顔をしたけど、すぐに微笑みかけて肩に手を置いた。


「大変な思いをしたんだもんね。その苦労は、報われていいはずだ。」


「今更です、それこそ。」


「そんなことない。キミに会いたかったのは、僕だけじゃないってことさ。」


「は……?あっ!」


「逃さないよ!覚悟を決めろ!ユッキー!!!」


「うわ!マジかよ魔王様マジ魔王だな!ちょ、いやだはな!離し」


「転移するよー!みんな、集まってー!じゃ、ジンくんお留守番よろしくねー!」


「最悪だ!離せ!離せぇぇぇぇ!!!!!」


 バルトに引き寄せられたと思ったら、次の瞬間には風景が変わっていた。


「あっつ!!!!!」


 トーイ君が第一声を出した。いや、暑いけども。


「ふっざけんな!帰せ!今すぐ帰せよ!」


「あははははははは!うじうじ悩んでるときは、誰かに手を引っ張ってもらった方がいいときもあるのさ!すぐ僕に感謝することになるよ、ユッキー!」


「手を引っ張って引きずってきたようなもんだろーーーーーっ!!!!!」


 結局、佐山くんは魔王様によって強制連行されたのだった。着替えとかどーすんだ?


 アイラン島はホテルなどない。だが、マ一族が泊まれるような屋敷はある。かといって、他のご親族もいらしてるので空き部屋はそんなにない。


 我々はどこに泊まるのかと言ったら、来客用の迎賓館があった。南の島だからコテージとかでいいのにな。ま、マ総統に用のある客はコテージなんぞ泊まらんか。


「ユッキーは屋敷に泊まってね!夜通し語り合おう!」


「イヤですよ!勝手に連れてきたくせに!部屋は借ります。でも、みんなが帰るまでずっと引きこもってますからね!」


「えー!?サヤマ、海に行かないのぉ!?せっかくアイラン島に来たのに!?」


「水着も買ったしね。明日は泳ぎに行っていいですか?」


「いいよ!こっちの親族会が終わったらダンジョン潜るから、訓練は明後日からだから。分からないことがあったり欲しいものがあったら迎賓館の執事に言ってね!大体のものはあるはずだから!」


 ありがとうございまーす!とお返事するトーイ隊は呑気だと思う。水着にはしっかり反応したのでユッキーは殴っていいかな?


「バルトくんたちはどうする?先にゼーキン家に行くなら転移してあげるけど?あ、飛んでく?」


「いえ、先にマティコ先生にご挨拶できれば、と。」


「マティコは屋敷で待ってるよ!そだね!ユッキーを連れてくなら二人も来てくれた方がちょうどいいや。」


「シロ。ここにはお前の他にもフェンリルがいる。会っても攻撃したらダメだぞ。」


「ビアンカはその辺パトロールしてるんじゃないかな?夕方には帰ってくるよ。ビショちゃん、みんなのことよろしくね!じゃあ、僕らはこのまま屋敷に転移!また明後日ね〜!」


 そしてまた景色が変わった。ホントなんの余韻もないな。


 豪奢な屋敷のエントランス。目の前には頭を下げても分かるくらいに背が高く、少し力を入れたら執事服が弾け飛びそうなガチムチの、厳つい男性がいた。

次話、白いモフが増えます。


最近かわいこちゃんたちと触れ合えてないので現実のモフが足りない……!

めちゃデカドゥードルの大型犬パワーの全力突進を受けたい!

アホかわゴールデンレトリバーにカミカミされたい!


とにかく大型犬が好きです。犬、飼ったことないですけど。

明日は動物愛護センターに行ってきます。

きっと全員連れて帰りたくなるんだろうなぁ。

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