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ダンジョンは危険がいっぱいだけど、全部スルーしていきます  作者: 里和ささみ


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フェンリル三日会わざれば刮目して見よ

イチャイチャ回……?

「お、大きくなったな。」


「シロォ!お前もか!!」


 バルトは動揺し、佐山くんは息子の急成長を思い出したのかショックを受けている。


「成長はシロが頑張った証だ。喜ぶべきことだよ、ユキヒト。」


「でもでもだって!俺の腕に収まってたシロが一週間でこんなに、こんなに大きくなっちゃって……!」


「大丈夫さ。シロは大きくなっても可愛い。そうだろう、ユキヒト。」


「そうですけど……寂しい……。」


「これからは目を離さず、共に近くで成長を見守って行こう。」


「……ハイ、バルトさん!」


 何なの、マジで。何でそんなにイチャつくの、この二人。バルトが佐山くんに対する態度のほんの十分の一でもジンさんに優しくしてくれたらあんな嫌味は言われなかったのに。


「ねえ、何でバルトはコートさんやジンさんに塩対応なの?」


「塩対応……?」


「冷たいってことですよ!」


 思い切って聞いてみることにした。今夜は何故か佐山くんもこちらに泊まるらしい。現在、離れから作業場兼自宅に引っ越し作業中。荷物だらけでどちらにいても落ち着かないと言っていた。


「まあ、バルトは他の人に対しても愛想がいいとは言えないけどさ。あの二人には特に冷たくない?」


「あの二人に限ったわけじゃないんだが……言わなきゃダメか?」


「出来れば聞きたい。」


 そんなに言いにくい話なのか?バルトはワイングラスを頻りにくるくる回しながら語ってくれた。


「先代の生まれた世界での竜人の民族衣装というのがな、ワンピースのような形状で。子どもの頃は正式な場ではよくそれを着ていたんだが、歳の近い者には女の子と間違われて。男だと分かった後もその服のことで揶揄われていたんだ。それ以来だな。私が彼らに心を閉ざしたのは。」


 わあ、案外根深い。子どもの頃の体験って、大人になると他愛もないことでも結構心に残るんだ。それはあちらがいけない。


「大人げないのは分かっているんだが、どうしてもそれを思い出してね。彼らを前にすると表情が作れなくなるんだ。」


「バルトさん悪くないじゃん!」


 確かにな。そういういじめた記憶ってやった方は忘れてるんだよね。やられた方はずっと覚えてるけど。

 上流階級でもそういうことあるんだな。まあ、デリカシーなくてもやってける社会だからな、この国の上流階級。


「そうだよね。わたしたちの国の民族衣装だって、男の人、ズボンじゃないし。」


「そうなのか?」


「そうですよ。出してみますね。そろそろ暑くなるし浴衣でいいか。んー、コレでいいかな。〝実現〟!〝実現〟!戸川さん、着付け出来ます?」


 佐山くんはスキルで浴衣を男女一式ずつ出してくれた。本当に便利だわ、〝実現〟。


「女物なら自分で着られるけど文庫しか結えないよ。」


 男結びなんて知らないよ。貝の口だっけ?雅樹は自分で着てたな。


「男物の方は俺が出来るんで大丈夫です。バルトさんに着て見せてあげてください!」


 ええ、今?しかもコレ、有松絞りじゃん。お高いヤツじゃん。佐山くん、こんなのよく知ってるな。本当にボンボンだわ。

 下着類など含めて一式出してくれたので別室で自分で着付けをした。よく見てなかったけど何て書いたんだろ。髪も結っとくか。下ろしてるのもおかしいな。何でか知らないけど鼈甲のかんざしまでついてるし。本物だよな?いくらするんだろ。本物は高いんだぞ。


 簡単に夜会巻きにして戻ると、バルトも着付けられていた。外タレが浴衣着てるみたいになってる。顔がいいから何着ても似合うな。


「ショウコ、綺麗だ。」


「バルトもカッコいいよ。似合ってる。」


 うっとりと上から下まで舐めるように見られてゾワッとした。これは浴衣を見てるんじゃないな。嫌な予感がする。


「ダメだ。今すぐ剥きたい脱がしたい。うなじがいやらし過ぎる。誰にも見せたくない。」


 何だそのド直球。佐山くんとはいえ人前だぞ。せっかく見惚れてたのに顰めっ面になったわ。


「ハイハイ、お熱いですね〜。クロ、行くぞ。お、シロ?」


 シロは自らすっくと立ち上がって、スタスタとドアへと向かって行った。え、ウソ。行っちゃうの。


「シロ、すごいな〜、偉いな〜!ちゃんと空気読んでる!うんうん、クロもな。はぁ、気持ちいい。二人とも今晩はにいちゃんをそのモフモフで癒やしてくれよ!じゃ、お二人さん、そういうことで。良い夜を!」


 佐山くんは抱き上げたクロに頬擦りしながらシロを追いかけ去って行った。シロの成長はうれしいが、こういうのは求めてないぞ。何してくれたんだジンさんは。

 わたしはといえば後ろからバルトに抱きつかれて首筋に頬擦りされている。


「ショウコ、二人きりだね……。」


 ジンさんの言う通りだった。


「早く脱がせてしまいたいけど……最初はこのままがいいな。この衣装を纏った美しいショウコが乱れる様を私の目に焼き付けたい。ああ、なんだこの服は!簡単に肌に触れられてしまう!はぁ、たまらない……。」


 袷の隙間から右手が侵入して来た。下着も着てるからすぐ肌には到達しないと思うんだけど。抜いた衣紋のうなじに舌を這わされ、軽く噛みつかれた。何すんだコラ。


 バルトにも躾が必要らしい。


「〝オールスルー〟」


「何故だ!?」


 自分の胸に聞くか股間と相談しろ、アホ。

お読みいただきありがとうございます。

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