距離
大輝は、
具合が悪くなって帰ってから
朝まで起きなかった。
ぐっすり眠れたお陰で
体調は、かなり良くなっていた。
目が覚めてから
リビングに行った。
「大輝、大丈夫?
体調良くなったの?」
と、母親と司さんが
心配していた。
「ぐっすり眠れたから
全然良くなったよ!ありがとう!」
と、伝えシャワーを浴びに行った。
シャワーを浴びて
スッキリした大輝は、
軽く朝食を食べ、
部屋に戻って携帯をチェックした。
昨日は、全く返せなかったので
みんなからメッセージが入っていた。
若葉からも
メッセージが入っていたが
なんと返していいか分からず
みんなに返信をしてから考える事にした。
応援すると決めてはいたが
やはり、辛かった。
「後悔しないようにな…」
父親の言葉が浮かんだ。
「後悔かぁ…」
一人嘆いた。
考えても考えても答えは出ない。
だが、応援すると決めた以上
邪魔はできない。
「手を繋いで歩くくらいだから
若葉も白石のことが好きなんだろうな…」
と、昨日の事を思い出し決心した。
少しずつ距離を置くことを。
付き合ってもいないのだが
大輝と若葉の距離は、
近すぎたのかもしれない。
普通の友達になればいいのだと
普通の友達は、
きっと毎日、連絡は取らない。
会う時も、
みんなと一緒以外では会わない
一緒の学校でもないから
学校で会う事もない。
だから
普通の友達のような距離になればいいのだと。
そうすれば若葉の邪魔にはならない。
若葉が白石と上手くいっても
普通の友達なら祝福出来ると。
また勝手に思い込んでしまった。
若葉に聞けば解決するのに
無意識に、
自分が傷付かない方向へと考えてしまう。
若葉の為ではなく
自分の為に防衛本能が動いてしまったのだ。
今までも、
自分さえ我慢すれば
普通でいられると行動してきてしまった。
大輝は、
今回もまた
自分の気持ちを抑えて行動する事を選んだのだ。
若葉に最低限の返信を返してから、
ベッドに横になり想いに耽っていた。
若葉は、午前中に部活があった為
朝早く起きて支度をしていた。
携帯をチェックしたが、
大輝からの返信は、まだなかった。
「大輝、大丈夫かなぁ…?」
大輝の事が心配だが、
部活を休む訳にもいかず
学校に出かけて行った。
部活も、午前中だけです終わったので
急いで着替えて携帯をチェックした。
大輝から返信が来ていた。
「体調は良くなったよ!
ご心配お掛けしました!」
とだけ、メッセージが入っていた。
若葉は、安心はしたのですぐに
「体調良くなってよかった!
昨日は全然一緒に遊べなかったね。
今度は一緒に乗り物乗ろうね!」
と、メッセージを送った。
返信はすぐ来た。
「ありがとう!そうだね!」
と、いつもよりそっけないものに感じた。
今までも、
こんな感じだったのかもしれないが
若葉は、昨日からなんとなく
避けられている気がしていたので
気になってしまった。
気になってはいるが、
勘違いかもしれない。
若葉も、大輝に聞けなかった。
二人とも悪い所が似ている。
「今度、予定が合ったら絶対に行こうね!」
と、メッセージを送り
「わかった!」
と、やはりそっけない返信だけだった。
若葉は、
更に考えてしまうようになっていったのだ。
若葉自身も
どうしたら良いかがわからない。
そのまま休みが終わり
ゴールデンウィークが終わってしまった。
大輝は、父親の元へと帰って行き、
若葉は、悶々とした日々を送ることになった。
また学校が始まり大輝は、
高校の友達と休みに
どこに行ったなどの話をしていた。
詩音を含めた女子も一緒に話していた。
詩音は家族で祖父母の家に行くと言っていたので
予定通りの休みを過ごしたと言っていた。
みんなも同じような事を言っていたが
来年は一緒に遊びたいねって話になった。
まずは、
ゴールデンウィーク前に言っていたように
休みが合う日に
みんなで時間を合わせて
遊びに行く日を決めることになった。
大輝は、気持ちも切り替えたかったので
楽しみが増えて良かったと思っていた。
詩音も嬉しそうに話していたのだ。
休みの日は、やはり部活がある人が来れないので
みんなで学校帰りに遊びに行くことになった。
部活が休みの日にみんなで
カラオケやボーリング、ゲーセン
色んな遊びが出来る施設に遊びに行った。
みんなと一緒にボーリングをしてから
各自で遊びたい所を回ることになった。
大輝はゲームセンターに行き
UFOキャッチャーをしていた。
詩音も一緒だったので
欲しがっていたぬいぐるみをとってあげようと
頑張ったが取れなかった。
代わりにあまり可愛くないぬいぐるみしか
取れなかったのだが
それでも喜んでくれ
詩音は、大輝にとって貰った
ぬいぐるみを袋に入れ
両手で抱えて嬉しそうにしていた。
大輝も喜んでもらえたので安心した。
そのあともみんなと楽しく遊んで
気付くと時間も遅くなっていたので
みんなで帰ることになった。
また時間を作って遊びに来ようと言って
この日は解散して行ったのだ。




