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大輝の気持ち

次の日の朝、

大輝が起きてすぐに

父親は、仕事に出かけて行った。


「いってらっしゃい。」


眠い目を擦り

見送ると


「行ってくる。

学校頑張れよ!」


と、いつもと同じ言葉が返ってきた。


仕事で忙しい父親とのコミニケーションは、

ほぼそれだけだった。


そのまま朝食を食べる。


母親は、洗濯や朝食の用意など

朝は忙しいため

見送りなどは、あまりしない。


と、言うより最近では、

ほぼ見掛けなかった。


父親を見送った後、

リビングに行き

朝食を食べ始めた。


朝食を食べ始めると、

母親が


「今日は大丈夫そう?」


と、聞いてきたので


「大丈夫だよ。」


と、だけ答えた。


母親は昨日のことを気にしているようで

心配そうに尋ねてきた。


その時、インタフォンが鳴った。


若葉がいつもより早く

迎えに来てくれたのだ。


急いで朝食をかき込み

支度をして

玄関に向かった。


「行ってきます。」


と、母親に声をかけて

返事が聞こえる前に

玄関を出た。


「おはよう!」


と、若葉が元気良く挨拶をしてくれた。


「おはよう。」


と挨拶を交わし

そのまま学校に向かって歩き始めた。



学校に向かいながら若葉が


「昨日は大変だったけど

私がちゃんとついてるから

大丈夫だよ大輝!」


と言ってくれた。


「ありがとう若葉。」


と、応えた。


若葉の優しさが嬉しかった。



学校に着いてからも

若葉は、なにかと話しかけてくれた。


男友達もいつも通りで

大輝も普通どおりに笑えていた。



無事、

その日は、学校が終わり

若葉と一緒に、

家の向かって帰っていた。


家が近づくにつれて

嫌な気持ちになってきた。


家の前まで着いてから

若葉が


「大丈夫だよ!

荷物置いて

早く公園行こう!」


と、言ってくれた。


急いで家に入り荷物を置いた。


今日は、男の人は来ていなかったみたいだ。


そのまま急いで家を出て

公園に向かった。


公園に向かうまでは

少し嫌な気持ちが残っていたが


若葉と遊んでいると忘れられた。


この日は、楽しく遊んで家に帰った。



家では、母親とまた二人だったが

若葉が言ってくれた言葉を思い出し

考えないようにした。


この時から

母親の前では

気持ちを偽るようになっていたのである。


母親も

昨日より元気そうな大輝を見て

安心していた。



風呂に入り、夕食を食べ

そのまま簡単な会話をして

眠りについた。


その日から母親を傷付けない為に

いつのまにか自分の気持ちを偽って

接するようになった。


毎週、本当の父親と思われる男の人を

見かけていた。

その度に大輝の心は擦り減っていった。


父親とも朝の会話、休日の会話などをして

大輝に

あまり関心ない事がわかってくると尚更だ。


普通を守るために

大輝は自然と偽り生きていく事を

覚えてしまった。



若葉は、あの日から

いつも一緒にいてくれるようになり


学校でも話かけてくれる事が増えた。


そのまま男女一緒にいる事が増え

クラスの雰囲気も良くなり


若葉は、

クラスの中心の人になって行ったのだ。



若葉は、元が可愛いしとても元気だ。

性格もとても良い

クラスの中心にいれば

クラスの男子は必然的に

若葉に恋心を抱いて行った。



大輝もいつも一緒にいる若葉の事を

自然と異性として意識して行った。




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