人類全滅計画
「俺はロイロードだ。俺は昔話は好まん。名前だけは脳にたたきつけて覚えろ。」
奇妙な動物ーーロイロードは、私に名前を言った。
しかし、肝心なことを私は知らない。
私自身の、この体の時の名前だ。
しかし私は私である。
でもここでは本当に私でいられるのだろうか。
ロイロードは言った。
私に人類全滅計画を手伝え、と。
ロイロードは、しかし、と付け加えて私につぶやくように言った。
「手伝いたくないならそれでもいい」と。
本当にそうなのだろうか。
裏がありそうな笑みが浮かんでいたことを思い出す。
私は昨日まで人間として、楽しく生きていた。
急にこの体になったのも意味があるのかもしれない。
ただし私はまだここにきてから1度も声を発してない。
さっさと答えろ!と怒鳴られても困る。
私はそっと「あー」と声を出してみた。
前のような明るい声でも機械みたいな声でもなく、私の声は大人の男性だった。
男になっている。
この事実を受け止めてもいいのだろうか。
でも事実男なのだ。男のふりしてこの世界やっていくしかないんじゃないか。
「やります。人類全滅計画を手伝います。」
私が言うと、ロイロードは、にいいいいいいいいいいいいいっと気持ち悪いくらいの笑みを浮かべた。
笑みをやめ、元のロイロードに戻るとロイロードは1度研究室を後にした。
しばらくして、ロイロードはほかのアンドロイドを連れて研究室に帰ってきた。
アンドロイドたちは私を見て「よく言った!」だの「がんばったね!」などの声を立てた。
何が何だかわからない私は何も言えずにいた。
そこにいた私以外のアンドロイドは、長い髪を一つにまとめた女の人と、双子で前の世界での私の年齢ぐらいの女の子二人、がっしりとしてデブな男の人に、モデルみたいなイケメン(?)の男の人が一人。もう一人は不思議な雰囲気をまとった男の子だった。
ロイロードは言った。
「彼らはキミ、アインの仲間だ。黒髪の女はカフト。デブなあいつはルティファ。双子はエンゼリカと
デモニカ。モデルのような奴はソピノ。何だか不思議なのはファロンだ。」
この人たちは人類全滅計画を行う上の仲間なのか。
私的にはエンゼリカが好きなんだが。
設定上が男のためそんなことは言えない。
とまあ、私の人類全滅計画はこうして始まった。