6話 『単純接触効果』1-1
最近ちょくちょく書けます...。
グラブルとbo4が楽しいので空くかも知れませんが完結はさせますので許して下さい~!
前にテレビで見た、会う回数が多いと好きになるっていう「単純接触効果」。結局は友達としての親密度が上がるだけという心理。
(しかし、ここまで好意をぶつけられると意識しないってのは無理...。)
「義人、どうした?ぼーっとして。」
「顔がいいなお前。」
「え、これ褒められてる?皮肉?」
「褒めてる褒めてる。」
(非の打ち所のないイケメンだし...!性格がゴミならまだ抵抗出来たのに、食事に行くと奢りだし...!会う度『可愛い』『うん、今日も好き』『そろそろ付き合ってみないか?』とか言われたらアカンでしょー!)
「やっぱり義人、体調悪いんじゃないのか?今日はもうやめとくか?」
「いや、大丈夫。そうだ、前から聞きたかったんだけどさ。」
「うん。」
「お前、俺を襲ったりはしないよな。」
「ゴッ!ゴホッ!は、はぁ!?そ、そんな事するかよ!え、そんなイメージ持たれてた!?」
優は取り乱したように捲し立てる。飲み物でむせていた辺り演技では無さそうだ。
「した事ないの!?」
「無い無い!!ほんとマジでやった事無いですから!信じて!」
「ごめん...冗談だよ。そんな動揺するとは思わなかった。...一旦出ようか。」
少し周りの目が痛くなったところで席を立ち、会計を済ませファミレスを出る。
(また奢られてしまった。コイツのこういう押しの強さはなんなんだ。)
帰り道を歩きながら恐る恐る話の切っ掛けを作る。
「でさ、さっきの、襲うかってのは...。」
「あ、いやさ、その...優は俺の事...好き、なのかな?ん?」
(自分で言っておいてなんかは、恥ずい...!)
「も、もちろん好きっ、だけどさ!」
「じゃあさ、二人きりの時とか襲いたくならない?」
「正直、なる。」
「だよな...?男だし...って!俺も男、だったんだぞ?」
「それは関係無いだろ。」
「あ、は、はい。」
優は真っ直ぐに義人を見つめる。
義人は視線に射抜かれた様に固まる。
(嫌じゃないし、優の事をこんな風に見た事なんて無かったし、優にこんなにされてやっぱり嬉しいけど...。)
「俺達このままじゃダメだよな...。あ。」
「義人、俺は...!」
「やめろよ...。まだ"友達"で居てくれ...。」
「義人...。」
家に近付くにつれ、空気が重くなり言葉数も少なくなっていく。
「嫌いになったかな。散々して貰って、こんな返事にもならない様な答えで。」
「そんな訳ないだろ!」
「優...。」
「俺がお前にした事は全部俺が勝手にやった事だし見返りなんて求めてない!そりゃ、アプローチのつもりだったけど、それでお前が俺を嫌いになっても...なっても...!...嫌いには...ならないで欲しい...。」
「優。」
「義人、俺は...!」
「手、繋ごうか。」
「え?」
義人は目を逸らしつつも優に手を差し出す。
「その、悪かったよ...。やっぱり、まだ信じられなかったしさ...。...ほら!結構恥ずかしいんだよこれ...。引っ込めるぞ!」
「あ、うん!」
優は若干躊躇った後義人の手をしっかりと握る。握った後、感触を確かめるように握り直す。
先程とは違った空気感の中、手を握りながら残りの帰り道を歩く。
「優の手、大きいな。俺が小さいのかな?そう言えば、手を握ったの初めてだっけ?」
「多分...。前はその、男同士だったし。」
「そりゃそうだよね。」
「義人の手、柔らかいな...。女の子の手だ。まだ信じられない...。」
優は何度か親指で義人の手の甲をさする。
「だー!やめろよそれ!くすぐったいし!」
「ご、ごめん。つい。」
「もう...。」
少し赤面する義人を優はじっと見つめる。
「なんだよ。」
「俺、やっぱり義人に出会えて良かったと思うよ。」
「...。」
「可愛いし、俺の事よく知ってるし、手を繋いだだけなのにこんなに楽しいの、初めてだなぁって...。」
「お、俺も...。」
「ん?」
「お、俺も、女になって良かった...って思ったり、して...。」
義人は繋いでいた手を離して顔を隠すような仕草で優を見る。
「今、変な顔してるから見るなよ。」
「見、見たい。」
「ダメだって!」
「義人!何してんの!」
「「え。」」
気付けば義人の家の前に母親が立ってこちらに呼び掛けていた。
「あ、優君久しぶりね。」
「あ、和田さん!こんばんは!じゃ、じゃあな義人!また連絡する!」
優は手を振った後、走り去っていく。
「義人~。」
「な、なにさ!?」
母の真奈子がにじり寄って来て肩を掴む。
「優君と進展はあったの!?」
「お母さんには関係ないでしょ!やめてよ!」
「あるわよ!!その顔は絶対なにかあったでしょ!?」
「やめっ!やめて!お、お風呂入るから!」
義人は母の拘束を何とか解き、階段を駆け上がって自分の部屋に駆け込む。
「あの子ったらこういうの隠すのが下手な癖に、意地張っちゃうんだから...。」
「...。」
「あ、聖子。宿題やったの?」
「まだ...。」
「そ、なら今のうちやっときなさい。」
「うん...。」
聖子はボーッとした様子で、階段を上がっていく。
「兄妹揃って騒がしいのか静かなんだか...。待って、姉妹になるのかしら?」
「真奈さーん。ご飯まだかな?」
「義人お風呂入るらしいから、その後かな?待ってて遊輔さん。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁぁぁ...。今更恥ずかしい...。」
風呂に入った後、義人は自分の部屋のベッドで小一時間前の自分の行動を思い出していた。
(優...。応えてあげたい気持ちはある...。でも俺で良いのか...?自惚れてるんじゃないのか?)
「俺、あいつとどうなりたいんだろ。」
思いを巡らせている時、部屋のドアがノックされる。
「お兄ちゃん、入っていい?」
声の主は妹の聖子だった。
(なんか様子がおかしいな。まあ、相談か何かかな?俺としても少しは兄としての威厳を示したい...!)
「いいよ。どうした?」
「ん...1個聞きたいことがあるんだけど...。」
「なんだ?」
「お兄ちゃんは、優君と付き合ってるの?」
「ふぇ?」
感想レビューなどあったら嬉しいです。飛び跳ねます。
ところでbo4、久々のCodですが地上戦になって嬉しい。