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1話 『変化』1-1

以前に書いて投げ出してしまった物を加筆修正しています。順番に修正していっているので読み辛い所があると思いますが、よろしくお願いします。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うっ...ねみぃ...。ふわぁ...」


 眠気でだるい体を必死に起こし、制服を着て1階のリビングに向かう。


「おはよう。朝ごはん出来てるからさっさと食べて。お母さんもう出るから」


「分かった...。ねむ...」


「お母さん早く行こ!行ってきまーす!」


「はいはいそんなに急がないの。行ってきます」


「いってらっしゃーい」


 用意された朝ごはんを食べながら妹と母親を見送る。それを食べ終わり、食器等を流し台に置いて水で軽く流した所で鞄を背負う。


「行ってきまーすっと」


 玄関の鍵を閉め、学校に向かう。


 俺...『和田義人(わだよしと)』は成美高等学校に通う高校生二年生だ。父親は保険会社の営業で母親は幼稚園でパートをしている。妹の聖子(しょうこ)は中学1年生。

 今のところ大きな事件事故も無く、不自由無く幸せに暮らせている。


「よっ、義人」 


「優か。おはよ」


 学校に行く途中、後ろから肩を叩いて来たのは親友の 『吉田優(よしだゆう)』。俺みたいなよくいるオタクとは違い、高身長でありイケメンでもあり、かつ喋りも上手い。

 普通なら俺みたいなのとは接点は無いような奴だが、高校1年生の時、あまりやっている人が居ないゲームがきっかけで意気投合して盛り上がり今に至る。


「義人今日帰りゲーセン行かね?」


「良いけどお前、彼女さんどうした?先月告白されたとかじゃなかった?」


「あー、別れた。なんか他の女子に当たり強くなっちゃって冷めたし...なにより合わなかったわ」


「速いな?!でもまあ、お前にしちゃもった方か?」


「4ヶ月だっけ?頑張った方だよ」


 こいつはそのルックスを活かし、高校生活をすごぶるエンジョイしている。まあ、告白されて付き合うも、いつの間にか別れてるの繰り返しだが。


 「でもいい身体してたからなー。それだけは惜しかったかなあ」


 「イケメンは違うなまったく。童貞には刺激が強いぞ」


 「メンヘラ的なとこあったしちょっと怖いかも」


 「刺されろ...」


 優は今まで10何人の女子と付き合い、かつ短期間で別れている。理由はたいてい「合わない」だ。

 未だ女子とそういう接点を持てていない俺と違い過ぎて無性に腹が立つが、根は本当に良い奴なので憎めないというか...これが不条理というやつか?


 せめて性格は悪くあれ。ダメか。


「タッグやりたいけど、久々にやるから鈍ってるかも」


「今勝率どんぐらいだっけ?」


「94.7%」


「バケモンかよ」


 とあるアニメの対戦ゲームで知り合った俺と優はたまにタッグを組んでプレイしている。なんでゲームも上手いんだ...。

 そんな他愛も無い話をしていると、学校に着く。


「今日体育あったっけ?」


「あるけど忘れた?」


「うわ...またどやされるな...」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやー久々にやると楽しいなー。」


「相変わらずつええよなお前」


「センスってやつかな?まあキャラも強いし?」


「それでもやり過ぎだろ。今日の勝率100%だったぞ...変に疲れたあ...」


「わはは。感謝しろよ」


 俺と優は放課後寄ったゲームセンターから家路につく。外はもう暗く、夕方と夜の間といった頃だった。


「んじゃまた明日な」


「おう。じゃな」


「ういっす」


 俺は家の前で優と別れ、帰宅し玄関を開けて入る。


 「ただいま〜」


 「丁度よかった。ご飯出来てるからそのまま食べて。お母さん中学の保護者会あるから出かけるから」


  玄関からでもわかるはっきりとしたカレーの匂いに思わずテンションは上がる。


 「カレーじゃん!ありがと!」


 「どういたしまして。行ってきます。」


 「帰りは?」


 「遅くなる。聖子が夜更かししてたら寝るよう言ってて。」


 「了解~」


 母を見送り、鞄を適当に置きカレーを入れるための準備をする。


 「ただいま〜!お兄ちゃん、優くんは?」


 「優?帰ったよ」


 「えー!今日は会えると思ったのにー」


 「あんなのより、もっと良い男はいるぞ。絶対」


 カレーを食べながら何気なく言った一言に、聖子は目の色を変えて反応する。


 「じゃあさ!お兄ちゃんは、女だったら優くんの事どう思う?」


 「......難しい」


 「好きか嫌いだよ!」


 「嫌いよりかは好きだけど、女になったらなんて女にならないと永遠に分からないだろ。アイツは友達だしさぁ...」


 聖子は途端に興味を失った様子でカレーを食べるのを再開する。


 「まっ、そうだよね〜」


 「なんだその顔は。ったく、参考にならなくて悪かったな。ごちそうさま!」


 カレーを食べた器をすばやく洗って片付け、風呂場へ向かう。素早くシャワーを浴び、髪も乾かない内に、鞄を持って自分の部屋に戻りベッドに倒れ込む。


 「うおお、なんか今日はクッソ眠いな...。」


 うつ伏せで寝転がっていると、メッセージアプリからメッセージが届く。送り主には「ゆう」と書かれている。


 『おつ。明日もゲーセンワンチャンある?』


 (ダメだ...眠過ぎて考えらんねえ...。適当に返信しとくか...)


 『いける。ねるわおやすみ。』


 漢字変換もせず返信すると、すぐに返事が帰ってくる。


 『早笑』


  (笑じゃねえよ...あっ...ねむ...)


 そのままスマホを持ったまま、俺は力尽きる様に眠りに落ちた。



 夜中、言い様のない苦しさで目が覚める。体の節々が激しく痛み、吐く息も熱く喉が異常に渇く。そのせいか分からないが、声も出せない。


 (ヤバいやつかなこれ...。し、死...)


 死ぬかもしれない。そう思った直後、飛ぶように意識を失った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「ん...うう...体が痛え...」


 朝自然に目が覚め、体を起こそうとすると痛みで動きが止まる。


 (ああ...?俺こんな声高かったか?でも寝ぼけ...)


 ふと、ざらざらとした感触に気付き枕元を見ると、夥しい髪の毛が散乱していた。


 「ハァ!?嘘ぉっ、髪の毛!?え!?髪の毛ある!?」


 怖さが一気に押し寄せ、落ちていた髪の毛から飛び退き距離を取る。

 先程までは気が付かなかったが、自分の頭から髪の毛が、それも金色の長く綺麗な髪が確かに生えている。


 「ままま、まさかまさか!!」


 枕元で充電されていたスマートフォンを取り、インカメラを起動し自分の顔を見る。




 そこには小さく可愛らしい顔と綺麗な長髪の、紛うことなき"美少女"が映っていた。


 「なんっじゃこりゃああああああああ!!」


 美少女の良く通る声で、美少女の黄金比の体で、俺は、思いっきり叫んだ。

更新遅くなります。ちまちま書いていきます。

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