ささやかな一日の中に 二話
第二話の投稿
ぜひ最後まで読んで下さい。
あぁこんなにも連休が楽しみなことはあっただろうか。
あと三日間待てば詩織ちゃんと遊ぶことのできる連休に入る。そして連休の最終日俺は詩織ちゃんと一緒に…
「くっくく。」
「片瀬君,何を笑っているのですか。」
「思い出し笑いです。」
「次に笑ったら何を思い出したか聞きますからね。」
やっぱり詩織ちゃんと遊びに行けるのは嬉しいな。
そんなことを考えながら最終の六限目まで過ごした。
六限後の委員長の合図で解散したあとに,
「いいよー。どこ寄る?」
「んー,じゃあスタバで。色々聞きたい事もあるしな。」
「スタバについてからな。」
「おっけー。それなら急がないとな。」
「そんなに気になるか?」
「当り前だろーが。面白そうだしな。」
こうして俺たちはスタバへと向かった。
それぞれ注文を終え席に着くと
「遥は何にしたの?」
「俺はキャラメルマキアートにしたよ。悠希は?」
「抹茶クリームフラペチーノにした。で,詩織ちゃんとはどうなったの?」
「そっ,それはだな…。言わなきゃだめか?」
「ぜひ聞かせて貰いたい。」
「成功はしたよ。今も遊べるって事にわくわくしてる。でも正直うまくいくかわからん。テンパり過ぎて嫌われるかも。」
「遥は心配性だな。マジで困った時はこそっと俺にメールしてこい。話題ぐらいなら提供してやるよ。」
流石が友達だ。頼りになる。
「困った時にはメールするよ。ありがとな。」
「返信するかしないかは俺しだいだがな。」
「おい,返信してくれよ!」
「しゃーねぇな。でも,いざって時だけな。あと,絶対にバレるなよ。」
「うん。わかってるよ。バレると呆れられちゃうだろうしね。」
「絶対に告って成功させてこいよ。」
「おう。ってなんで告るのさ!」
本当にこいつは急に何を言い出すんだ。
「お前の汚点を知られる前に告っといた方が確実に成功するぞ。」
「そもそも汚点以前にほとんど何も知られてないよ。」
残念ながらこれはマジだ。多分,教室で話した回数も十回ぐらい。
「そんなお前に対してデートを許可してくれたんだ。十分に可能性があると考えてもいいんじゃないか?」
「デートって…。そんなんじゃないよ。でも,可能性があるのかもしれない。」
「どちらかと言うといける。断言できる。でも,確実にするためにはそれまでに好印象を与えないといけない。」
「好印象かぁ。どうしたらいいかな。」
「まぁひたすら話し掛けて仲良くなれ。メールアドレスかLINEもらってるか?」
「メールアドレスならもらったよ。」
「なら,家に帰ってなんか話題作って送りあったらどうだ?距離が少しは縮まると思うぞ。」
「わかった。取り敢えず頑張ってみるよ。」
「それなら早速帰るとするか。」
「賛成。帰って早速連絡するか。」
気がつけばもう時計の短針が六になりかかっていた。
スタバから家までは五分位なのでもう少し悠希話ながら帰り,
「ただいま。」
そう母親に言い残し二階にある自分の部屋へ駆け上がった。
取り敢えず詩織ちゃんに連絡と…
「六時半には晩御飯よー。」
「わかってるー。」
詩織ちゃんのアドレスはっと,
「あった,これだ。」
好きな人に連絡をとるっていうのは新鮮な感覚だな。なんか画面越しのメールだけど緊張するな。
いざメールを送るとなると何を書くか悩むな。んー,何にしようかなー。
取り敢えず,《昼休みに話していた事だけどどこか行きたい所あるかな?》
「こんなもんかな。」
ひとまずメールを送ったし,晩飯食べに下に降りるか。いやー,それにしても返信が待遠しいな。そんな事を考えながら階段を降り終えると,
「遥ー,遅いぞ。女とでも連絡してたのか?」
「な,そんな訳ねぇよ。まずそんな相手いないし。」
姉のくせに意外といい勘してるな。
「そっかー,可哀相な事を聞いちまったな。こっちに来い,慰めてやるよ。」
「いらねーよ。それより今日の晩飯の方が大事だよ。」
こいつは俺の姉の紫穂姉さん。可愛さはばっちりなんだが行動と言葉使いが余りにもがさつ過ぎるから姉って言うより友達感が半端ない。
「紫穂姉,早くズボンをはいてくれ。」
「そんなに姉のパンツが見たいか?今日は特別サービスで見せてやるよ。」
「どうでもいいから早くはいてくれ。飯がマズくなる。」
「ちぇ。可愛くないな,遥は。もう少し照れたらどうだ?」
そういいながら姉はトレアドールパンツをはいていた。
「照れさせたいなら少しは恥ずかしがったりしたら?」
「遥相手だぞ。恥ずかしがる必要ないだろ。」
「俺も紫穂姉に対して全く同じ事思ってるよ。べつに紫穂姉のパンツ見ても何も思わねぇよ。」
「酷い,なんて酷いのかしら。姉に対して女の魅力がないなんて。姉さんはとても悲しいわ。」
なんて姉だ。果てしなくウザい。
「あーはいはい。紫穂姉はとても色っぽいから照れてたよ。」
「やっぱりか。なんてエロい弟だ。姉さんは危険を感じるよ。」
マジでウザい!
「はぁ,もう疲れたし飯食べよう。」
「そうだな。遥はイジりがいがあるからイジってて楽しいわ。」
それからは家族でバラエティ番組の←釈迦でも許せないこと→を観ながら晩飯を食べていた。紫穂姉はずっと笑っていたな。あいつは何であんなに元気なんだろうか?
晩飯を食べ終え,早く返信が来ているか確認したかったので急いで二階へ上がる。
「詩織ちゃんからの返信は…流石にまだか。」
なんとなくわかってはいたものの期待していた分悲しみが大きい。
「はぁ,宿題でもしよっかな。」
「どうした,遥。元気ないな?」
「ちょっとな,てかなんで紫穂姉普通に入ってきてるの?」
「ドアが開いてたからだよ。悩みがあるならこの偉大な姉に相談しろよ。」
「別に偉大でもなんでもねぇだろーが。でも,助かるよ。困った時には相談させて貰うよ。」
「十分偉大だと思うんだけどなー。まぁいつでも相談しに来い。」
「紫穂姉が早く風呂に入ってくれないと俺も入れないんだけど。」
「遥,久しぶりに一緒に入ろう。」
「無理だ。出ていけ。」
「ちぇっ,酷い弟だな。」
と言って姉は風呂場へ向かった。なんて姉だ。俺ほどにいい弟はいないだろうに。詩織ちゃんからメールが来るまで宿題しとくか。
カリカリカリカリ
「遥ー,風呂空いたぞー。」
「おっけー,すぐに入るよ。」
勉強道具を片付け,スマホを確認する。
「まだかー。風呂上がってきた時には届いててほしいなー。」
それから俺は風呂に入りに行った。
「さっき時間確認するの忘れてたな。今何時だっけ。」
電子時計を見ると十時十分だった。少し急いで上がるか。
「あぁーサッパリしたー。」
爽快な気分でリビングの時計を確認すると,
「十時三十分か。予定通りだな。」
詩織ちゃんから返信きてるかな。心を弾ませながら二階の部屋へ上がると,スマホの画面に新着メールが二件の通知がきていた。これはもしやと思い確認すると,
「なんだ,悠希からか。」
続いて二件目はっと,
「詩織ちゃんからだー。」
ヤバい。めっちゃ嬉しい。
「えっと,特に行きたい所はないので片瀬君の好きな所で,か。」
ふむふむ。俺の行きたい所かぁ。なんて返信しようかな。
「了解!何かいい所探しとくよ。でいいか。」
早速返信をすると,
ピローン♪
今度はかなり早く返信が来た。
「お願いしますね,か。よっしゃー,絶対に楽しませるぞ!」
そう心に誓ってその日は寝た。
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