ささやかな一日の中に 一話
どうも、今回初めて挙げさせて頂くizyiです。
初めてなのですが精一杯書いてみたので最後まで読んでもらえると嬉しいです。
僕の瞳にはあまりにも美しく,すぐに壊れてしまいそうな華奢な一人の女の子が映っていた。はぁ,何て可愛いんだろうか。
「おい,片瀬。聞いているのか,返事をしろ。」
そよ風にたなびく彼女のブロンドの髪はまるで金色の糸のようだ。
「おい,聞こえてるか片瀬。いい加減にしろ。」
彼女はまるで現世に降りてきた女神だ。あぁ,何て可愛いんだろうか。
ドスン
鈍い音と共に鈍痛が俺の体に伝わり,
「痛ってぇー!」
「何を考えているんだ,お前は!」
(詩織さんの事を考えてたなんて言えないな)
「少し気になることがあったので考えていました。」
「ちゃんと授業に集中しろ。」
クラスにちょっとした笑いが起きた。
(本当に面倒臭い先生だ。でも,詩織さんが笑っている所が見れたし良かったかな?)と心の中で思った。
俺が彼女に出会ったのは一ケ月前の始業式のことだ。
ー一ケ月前ー
慌しげな人混みの中,俺には彼女は一際輝いて見えた。
(少し話題作りの為に打つかってみるか。)
「あ,すみません。大丈夫ですか。」
「大丈夫ですよ。そっちこそ大丈夫ですか。」
そう言いながら彼女は落とした物を拾ってくれていた。
(やばっ, 超いい匂いだし,めっちゃ優しい。)
「ありがとうございます。名前教えてもらえますか。」
「いえいえ,気にしないで。私は京乃 詩織です。」
「僕は片瀬 遥です。これからもよろしく。」
そこで彼女は始業式へ向かった。
まぁ,こんな事があってからずっと俺は彼女のことが好きな訳なのだが。
今になって思うが,あの時は緊張して僕になっていたのは少し恥ずかしいな。
三限目終了のチャイムがなり昼休みに入ったところで,
「遥,昼飯食いに行こうぜー。」
「おう,すぐに行く。」
昼ご飯はいつも友達の悠希と食べる。本名は西村 悠希だが西村より悠希の方が何となく呼びやすいから悠希と呼んでいる。
「お前、また詩織ちゃんのこと見てただろ。」
「なぜ分かった・・・・。」
「ちょっと考えりゃ、分かるよ。」
こいつは何だかんだで俺が詩織さんのことが好きなことを知っているのだ。
「他の奴にはいうなよ。はやされるのは嫌だし。」
「俺が言わなくても、みんな気づいてるんじゃね?結構わかりやすいし、お前。」
「えっ、マジ?」
「冗談だよ。」
「おい、茶化すなよな。」
「とりま、食堂行くぞ。」
悠希が小走りで食堂へ行ってしまったので俺も走って後ろを追いかけて行った。
「悠希、少し速い。」
「急がないと飯がなくなるだろーが。俺はラーメンにしようかな、っと。」
「はいはい、俺はうーんと本日のランチにするわ。」
それぞれチケットを買い、列に並んで交換してもらうと、
「遥ー、どの席にする?」
「俺はどこでもいいよ。」
悠希の横に並んで周りを見ていると、
「あそこに詩織ちゃんいるし、ご一緒させてもらうか。」
「俺が恥ずかしすぎて、死んじゃうから止めて下さい。」
「えー、どこでもいいって言ってたのにー。」
(こいつ、絶対に分かってしてるだろ。)
「しゃーない、奥の席にするか。」
「ありがとう。」
奥の席まで歩いていき、ご飯を食べていると、
「俺は正直、詩織ちゃんより芹香ちゃんの方が可愛いと思うのだがな。」
「俺には詩織さんが一番なの。」
「俺らで話す時は詩織ちゃんでよくね?」
「そうかなー?」
「これからは、詩織ちゃんな。」
何故か勝手に決められてしまった。
「今度に大型の連休があるだろ?」
「それがどうかしたの?」
「詩織ちゃんを誘ってみたらどうだ?」
「えっ、そんなの無理だよ。絶対に無理って言われるし。」
「んなの、やってみなきゃ分からないって。」
「成功したとしても、緊張して何も話せないよ。」
「取り敢えず一回誘ってみろ。そこにいるし絶好のチャンスだな。俺は皿返しに行くから頑張れよ。」
「ちょっ、待てって。」
あの野郎行きやがった。何て酷いんだ。マジで近くに詩織ちゃんがいる。断られる覚悟で一回行くか。
「あの京乃さん。」
「何、片瀬君?」
「今度の連休の初めの日空いてるかな?」
「その日は、弟を動物園に連れていくことになっているんだ。ごめんね、何かあった?」
「いや、一緒に遊びに行けたらいいなって思ってただけ。」
「最後の日でいいなら空いてるよ。」
「えっ、本当にいいの?」
「いいって言ったじゃん。」
「じゃあその日で。あ、あと時間とかはどうする?」
「メールでいいかな?」
「うん。これ俺のメールアドレス。登録しといてね。それじゃあまたね。」
それから俺も皿を棚に返しに行った。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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