少女は本当に死神だったらしいです。
学校を出て駐輪場へ行く。
「死神のとこ寄っていくか」
あいつが住んでる部屋の掃除もまだ終わっていなし、なにより
「あいつ・・・夜は飯食べてるのか?」
年齢はまだ知らないが、身長だけで考えると小学生くらいだ。3食食べないと成長に影響もあるだろう。
朝も俺が持ってきた弁当を食べたと言う事は・・・あいついままでどんな生活をしてたんだ?
それより問題は・・・
「俺も料理できないんだよな・・・」
架純に教えてもらうことになってるけどな。
しかし・・・どうしようか、弁当でもいいが、お金がない。
「・・・とりあえず館に行くか」
時刻は16時20分、家までは遠いが遅くなってもメールをすれば大丈夫だろう。
自転車で学校の坂を降りる、風は冷たい。
学校から館までは10分程度だ、その間に少し考え事をする
あの大きな館に一人で住む少女、そして自分の名前を死神と呼ぶ。
親はどこにいるのか、今までどうやって生きてきたのか、聞きたいことは色々あるが。
・・・本当に聞いていいのだろうか。
夜は木で覆われていて真っ暗な場所に建っているあの館。そこに一人で住んでいる。
なんとなくだがわかってしまう、あいつの家族によくないことが起こったことは。
そう考えてるうちに館に着いた。
窓は閉まってる、そして中からドスドスと音が聞こえる死神はいるらしい。
インターホンはないので勝手に入る。
あいつがいつもいるのは2階だ、階段を上り、部屋の前までくる。
そしてドアを開ける。
「♪~♪~」
死神が備え付けのキッチンで料理をしていた。
・・・え?
「ちょっと待てええええええ!!!??」
「え?あ、来てたんだ」
「来てたんだじゃねええええ!!お前料理できるの!?」
「料理できなかったら私今までどうやって生きてたの?」
おっしゃる通りです。
しかし・・・その発想は出なかった、親に教えてもらってたのか?
「もうすぐできるし・・・食べる?山で採れたのと釣って来た魚だけど」
「・・・お、おう」
そして、机の上に料理が並べられた。
「うまそうだな」
「うまいに決まってるでしょ」
一口食べてみる・・・うまい。
「うまい・・・」
「でしょ?」
ええ、最高にうまいです。
それからしばらく食べる、途中気になることがあったので聞いてみる。
「そういやお前、なんで朝は作らないんだ?」
こいつの朝ごはんは俺の親が作った俺の昼弁当だ。
「ん~疲れてるから?」
確かに朝と比べてこいつも元気っ子って感じだ。
「朝疲れてるって、夜なにやってんだよ」
「・・・役目を、果たしてる」
「役目?」
「死神としての役目」
・・・何を言ってるんだこいつ
「あのな、確かにお前は普通の子とは違うけどな」
「本当だよ!」
死神は立ち上がって大きい声を出しそう言った。
「・・・なら、何をやってんだよ」
「え?」
「どんなことをしてるのかって聞いてるの」
「それは・・・」
死神は答えない、沈黙のまま夕食を食べ終わる。
そして静かになる。
「答えたくないのか?」
死神はなにも言わない。
「・・・後片付けやっとくな」
俺は聞いてはいけないことを聞いたのかもしれない。ずっとうつむいてる。
食器を洗ってる時に気付いたが、部屋がきれいになってた。俺は来る必要なかったらしい
食器を洗い終わった、時間は18時30分だ。夕食にしては早すぎたかもしれない。
そして死神は・・・あれ?いない?
「あ、あれ?あいつどこ行った?」
食器洗いと少し考えてはいたが・・・音くらいは気づくぞ俺も
すると
「あのさ」
「おうう!?」
普通に変な声が出た。
「なにやって・・・え?」
「・・・」
死神は真っ黒なコートと頭には何かの動物の頭蓋骨を付けて立っていた。
そして、背中にはあの大鎌があった。
「お前・・・なんだそれ」
「・・・これが本来の私」
「私は死神、この世の悪霊と怪奇をあの世に送り、そして封じられた神を見張る」
「・・・まじか」
嘘を言ってるようには全く見えない。
「ねえ」
「え、あ、なんだ?」
「時間あるなら・・・一緒に来て」
初心者なのでおかしいところあったら教えてください。