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第一話 近状報告

  

 転生してから約二か月たった。

 

 と言っても特に何かったので、ほぼ食ったら寝るの繰り返しだ。

 他にやることと言ったら、外のなどを見たり、あとは両親?とメイドさんが使ってる言語の解明したりするのに時間を使っていた。

 見るといっても生まれたての体じゃあほとんど何もできないので、母親(赤い髪)に抱っこされて散歩したりするときぐらいしか見れなかった。

 それでもいくつかわかったことがある。

 まずはここには電気が通ってない。

 よほど田舎なのか、それとも電気自体ないのかはわからないが、この家には通ってない。

 じゃなきゃ電化製品が一つもない説明がつかない。

 電気がないから電気を使った照明ももちろんない。

 夜になると寝るか、ろうそくやランタンを証明に使うのがメインだ。

 

 言語の方はというと、いくつかの単語がわかったほかは、両親とメイドさんの名前がわかったぐらいだ。

 

 母親の名前はクレア、父親はハイルで、メイドさんの名前はアニータとイオだ。

 名前が二つあるのは言うまでもなくメイドさんが二人いるからだ。

 アニータは二十代後半程度で、両親より少々年上だ。

 髪は緋色でロング、スタイルも結構いい、あと眼鏡をかけている。

 仕事もよくできて、メイドの鏡みたいな人だ。

 前世ではメイド見たことないからよく知らないけど……

 イオは十代前半ぐらいの女の子だ、水色の髪を肩あたりで切りそろえている。

 こちらはどちらかと言えばドジっ娘といった感じだ。

 さすがによくというわけではないが、アニータと比べれば多い方だ。

 そもそもアニータがドジるとこなんて見たことなが……

 とは言っても水をこぼしたり、洗濯物を落としたりと些細なことばかりなので歳相応のものだろう。

 その証拠に両親も暖かい目で見ている。

 アニータにはいつも叱られるが。

 

 ここまでなら普通なのだが、そのあとが問題だ。

 なぜならイオの頭から…………耳が(猫)生えていたからだ。

 最初に見たときはマジでびっくりした。

 一応偽物という可能性もあったが、近くにいた時触ったら本物だと確信した。

 だってピクって動いたもん。

 いやあ、それにしても獣人なんて本当にいるんだな。

 よし!大きくなったら獣人の国へいこう。


 獣人がいるということは、魔法もありそうなのだが、残念ながらまだ確認できてない。

 あってほしいな、魔法。



 ===

 


 約半年が過ぎた。

 

 ようやくこの世界の言語にも慣れてきた。

 まあ、半年も聞かされてりゃ理解もできるようになる。

 やっぱ赤ん坊の頭だと物覚えがいいのかな。

 

 言語を理解できたのは大きな成果だ。

 おかげでいくつか新しい情報を仕入れることができた。

 まず、俺が今いる場所はライノ地方のケイアところだ。

 具体的な位置や大きさはわからない。

 地図さえあれば話は変わるだろうか。

 今度探してみよう。

 

 あとこの体にもやっと慣れてきた。

 最近ではハイハイもできるようになった。

 もちろん足だけで歩こうとしたが、案の定こけてベットから落下した。

 けがはなかったが、それを見たクレアが青い顔をしたのは言うまでもない。

 原因として挙げられるのは筋肉の不足。

 でも最大の原因は慣れてないからかな。

 人間は両足で歩くさい無意識のうちにバランスを取っている。

 要するに今の俺の体はバランスのとり方を知らない。

 これに関しては練習するしかない。

 頑張ろう。

 

 動けるようになったから家の中を探索してみた。

 この家は結構広かった。

 この世界の人(両親)からしたら普通かもしれないが。

 ただの高校生であった俺にとっては結構広い。

 五人もいるから当然かもしれないが。


 二階には書斎もあったので覗いてみた。

 中には机と本棚があった。

 机にはインクと羽ペンが置いてあって、本棚には十から二十冊ぐらいの本が置いてあった。

 結構少ないな。

 印刷技術が発展してないのかな?

 生前の俺は結構なかずの本をもっていた、ラノベしかり、攻略本しかり。

 もちろん他にもいろいろあった。

 それにしてもいせかいの本か……

 すごく気になる。

 字が読めるようになったら絶対読もう。


 そして現在。


 俺はクレアに抱えられて庭にいる。

 要するに散歩みたいなものだ。

 

 視線の先ではハイルが素振りをしている。

 ただ違うのは持っているのが木刀ではなく真剣だ。

 異世界だから銃刀法なんてないと思が、何となく心配だ。

 

 それにしても剣の振りが早いな。

 剣道もやってない俺が言うのもなんだが、相当腕がたつと思う。

 

 「どお?すごいでしょユウ。ハイルはああ見えても騎士の中じゃ結構強いほうよ」

 へえ、騎士なんだ。

 道理で強いわけだ。

 あんなのに襲われたらひとたまりもないな。

 父親だからないと思うが。


 そうそう、言い忘れていたが俺の名前はユライネ・エストラデンというらしい。

 両親はいつも略してユウと呼んでいる。

 偶然か?

 

 しばらくしてハイルが突然素振りをやめた。

 休憩か?と思ったが、ハイルはそのまま近くの岩の方を向いた。

 剣で岩を真っ二つにするのかな?

 するとハイルは左手を岩に向けた。


 「灼熱の炎よ、槍と化し、敵を穿て、フレイムランス」

 

 彼がそういうと手のひら、いや正確には手の前に赤くて丸い文様が浮かびあっがた。

 直後その文様から炎の槍が飛び出し、岩に向かって飛んで行って岩にあたった。

 炎が当たった岩は、当たった部分に穴が開いていて、その周りが赤く熱せられていた。


 そのあとハイルは何事もなかったように戻ってきた。

 

 「さすがね、あなた」

 「ああ、でも魔法に関してはクレアの方がうえだ」

 「そんなご冗談を」

 「冗談じゃないさ、剣ならともかく、魔法・・だけでクレアに勝つ自信はないよ」

 「騎士がそんな弱音を吐いていいのかしら」

 「相手の強さも知れなければ騎士は務まらないよ」

 

 クレアとハイルが俺に向かって話しかけた。


 「大きくユウにも教えてやるよ」

 「そうそう、お父さんみたいな立派な人になるのよ」


 両親が幸せそうに話しているが、俺の意識は他の所に向いていた。

 彼らにとっては何気ない瞬間だったろうが、俺にとっては重大な意味を持っていた。


 魔法が存在することが証明された瞬間だった。


 

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