表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロボゲー世界のMechSmith  作者: GAU
第二章 公式機体コンペ
70/98

第65話 共同作業開始!!


「……おっし、疲労度も抜けたし、いっちょ始めるか」

 十分後、回復したサイゾーの一言で作業は開始された。

 リムの保有する高圧炉は、プレイヤーメイドの最高グレードのものだ。

 ゲームの生産用のオブジェクトではあるが、それなりに大きい。

 インゴット化した鉱石をアイテムに変化させるためのツールでしかないが、それだけに生産系プレイヤーにとっては重要なものだ。

 最高グレード……つまりSランク高圧炉は、MetallicSoulに存在するすべての素材に対応している。しかしSランクの炉は店売りしておらず、プレイヤー自身が材料を集め、クエストを解き、レシピを探って作成しなくてはならない。

 しかも作成した炉は譲渡不可のキャラクターバインドアイテムだ。

 つまり、完成させたキャラクターだけが所有できる。

 したがってSランク炉を完成させることは生産職として一人前と認められることに等しい。

 所有する炉のグレードは、そんなバロメーターにもなっているのだ。

 この個人所有の炉は、基本的に他のプレイヤーキャラクターには使用できないのだが、所有者が許可すればパーティーメンバーが利用することも出来る。

 今回は、リムとサイゾーが一時的にパーティーを組むことで、リムがサイゾーに炉の使用許可を出している。

 そうして、作業は始まった。




 魂鋼の製作に使用するのはヒヒイロカネのインゴットだ。

 これに、クリムメタルとキエロメタル、ヘビィーメタルを金属粉に精製した素材を混ぜて高圧炉で圧縮精製する。

 金属粉の分量は三種合わせて16.8%。

 これより多くても少なくても失敗するらしい。

 また、三種の金属粉の比率は秘中の秘らしく、これだけはサイゾーもリム達に明かさなかった。

 彼曰く。

『運営との約束なんだよ。これ守らないと刀鍛冶スキル取り上げられちまうんだ』

 だそうで、裏技的に刀鍛冶スキルを得た事で運営と結んだ約束ごとがあるようだ。



 圧を掛けて始めてから約一時間ほどかけて魂鋼を精製していく。

 この一時間、ただ待っていたわけでは無く精製の過程によって圧を高めたり緩めたり、温度をコンマ単位で調整したりと、リムとサイゾーの二人は怒鳴り合うようにしながら作業をしていく。

 その様子を見るしかないアヤメと那由多は、ファムとメイリィにお茶を出してもらっていたのだが、那由多が発する真っ黒な気配にアヤメは気が気ではなかった。


『サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業サイゾーちゃんと共同作業』

『……』

『……』

『……』

 ハイライトを失った瞳のままつぶやき続ける那由多に、アヤメはおろか機械であるはずのファムとメイリィもドン引き状態である。

 そんな二人と二体を後目に、リムとサイゾーは息の合った共同作業で魂鋼を精製していった。

 そうして、太陽のような光を放つ巨大なヒヒイロカネの魂鋼が完成した。

 完成と同時に作業はすぐさま次の工程に移った。

「……さて、こっからが本番だ。大がかりになるぜ?」

「本番? 大がかり?」

 サイゾーの宣言にリムは首をかしげた。その様子を見て、サイゾーはニヤリと笑った。

「ああ。これから刀身を打つんだが、普通の作業じゃあ無い」

「! ……どんな作業なの?」

 サイゾーの言葉に、メックスミス娘が目をキラキラさせ始めた。

 その反応に気を良くした風にサイゾーは告げる。

「刀身はハンマーで打つ。それも、GSのマスタースレイブフルマニュピレーションを使ってだ」

 それを聞いて、リムは息を飲んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ