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ロボゲー世界のMechSmith  作者: GAU
第一章 鈍色の魂持つ者の誇り
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第36話 血鎌と金獅子


『ゴルディザンバーっ!』

 レオンの叫びに応じ、ゴルディレオンのコンテナトランクから小振りな剣が引き抜かれた。

 それは刀身がスライドして伸び、剣先と鍔の間に光の刃を形成する。

  レーザーホログラムで刃を形成するホログラフィックレーザーエッジという武装だ。

 手にした剣を構えて、ゴルディレオンがブラッドサイスへ踏み込んでいく。

『トロいトロい♪』

 だが、高い機動性と瞬発力を誇る高機動軽量機であるブラッドサイスは悠々とHLEホログラフィックレーザーエッジのレンジから逃れてしまう。

 それだけでなく、この軽量機は素早く回り込んできて踏み込み、ゴルディレオンに切りつける。

 連なる光刃の群れが高速回転する剣で、黄金の機体はあちこちの装甲を抉り刻まれていた。

 それでも機体がいまだにもっているのは、ゴルディレオンの装甲に使われているレアメタル装甲ゴルドニウムの対光学兵器耐性の高さと、ブラッドサイスが一撃離脱に徹しているためだ。

 でなければバズソードのような凶悪な武器の攻撃に、何度も耐えられるはずもない。

 そもそもゴルドニウムのような装甲をふんだんに使用するような機体もそうはないのだが。

 ゴルドニウムはいくつものレア素材によって作成される重合金だ。

 高重量高硬度高耐久で金色に輝くこの装甲はネタ装甲とされている。

 硬度や耐久性が高く、対光学兵器耐性が高いものの、重量がかさむ上に加工に高いスキルとレア系機材を必要とするため、NPCではまず加工できず、リムのように初期からメックスミスでやってきたようなキャラクターでなければ加工できない。

 高重量もGジェネレーターの重量軽減能力をもってしても無視できないレベルの重さがあり、さらには光り輝いて目立ちすぎる。

 そのため、贅沢なシールドの表面や機体パーソナルマークなどに使われ、目立つように使われる。

 ゴルディレオンのように機体の装甲のほとんどをこれでまかなうような酔狂な人間はそうそういないだろう。

『くそっ! 固すぎだろっ?! ネタ装甲の癖に!』

『この美しさがわからんとは、おろかな』

 悪態をつくブラッドサイスのライダーにレオンが自慢げに返す。

『うぜえっ!』

 イラついたようにゴルディレオンの斬撃を躱しながら左手に回り込んでバズソードを振るう。

 レオンは左腕でその一撃を受け止めた。

 高速回転する刃が次々に装甲を切り付け、削り穿ってゆく。

『腕一本! もらったぜっ!』

『……それはどうかな?』

 ブラッドサイスのライダーの叫びに、レオンは落ち着き払って返した。

『負け惜しみかよっ!』

 その余裕ぶりが気に入らず、ブラッドサイスは得物を押し込んだ。

 バズソードはゴルディレオンの左腕を半ばまで抉り断ち、両断せん勢いだ。

『このままボディもぶったぎってやんよッ!』

 ブラッドサイスのライダーがせせら笑った。

 が、その笑みは直後にひきつる。

 ゴルディレオンの左腕が、ザンバーを握りしめたまま分離し、ブラッドサイスはバランスを崩した。

『なっ?!』

 驚く敵ライダーの隙を逃さずに、ゴルディレオンが右手でブラッドサイスの左腕を掴んだ。

『捕まえたぞ?』

『てめえっ! 放しやがれっ!』

 ブラッドサイスは右腕だけでバズソードを振り回し、ゴルディレオンの右手を切り裂こうとする。

 が、それより早く、ゴルディレオンの胸の獅子が大きく吠えた。

『な、なんだあっ?』

 ブラッドサイスのライダーは一瞬あっけにとられた。

 だが、獅子の口の中にあるものに気付いて目を見開く。

『砲門!』

 そう、ゴルディレオンのライオンフェイスは飾りではない。

 胸部に据え付けた必殺兵装のための装甲カバーを兼ねていたのだ。


『ハウリングインフェルノっ!!』


 レオンの叫びと同時に、巨大なプラズマ火球が生成される。

 それが、獅子の咆哮と共に撃ち出され、ブラッドサイスを包んだ。

『え……うぁ……?』

 同時に火球を形成していた電磁フィールドが崩壊し、中から高温のプラズマが溢れ出て、ブラッドサイスの上半身を灼き融かし貪り喰らった。

 至近距離で使ったため同等の熱量をゴルディレオンも受けるが、その身を覆うゴルドニウムの装甲はこれに耐えきった。

 完全沈黙した敵を前にして、ゴルディレオンが大見得を切る。

『黄金無敵! ゴルディレオン!』

 獅子の咆哮が、ふたたび戦場に響いた。

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