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ロボゲー世界のMechSmith  作者: GAU
第一章 鈍色の魂持つ者の誇り
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第28話 攻勢へ

 対陣地ミサイルのシャワーを浴びて敵グレネードキャノンが砲台が爆炎に包まれた。

 その隙を利用して走り行くアレク達三機を見送り、リムは小さく息を吐いた。

 作戦の第一段階、第二段階まで成功と言って良い結果だ。

「……にしても結構やられちゃったわね」

 ダメコン画面をチェックしながらぼやく。

 実際、彼女の愛機サンダーボルトの被害もバカにはならないレベルになっていた。

 今回のために製作した大盾は、もはやクズ鉄同然だ。

 ちょっとしたGS一機分に匹敵する金額が掛かっているが仕方ないだろう。

 そのおかげで機体装甲はいまだ健在だ。装甲全体の損耗率は18%程度で済んでおり、この後の戦闘に耐えうるだろう。

 問題は関節部分で、負荷の大きかった両手首、両肩、両膝が大きくダメージを受けている。 特に右手首、左膝は完全にバカになっている。

 サンダーボルトの関節パーツは、可動部の耐久性が非常に高い構造になっているのだが、さすがに特大グレネード弾の直撃&爆圧には耐えきれなかったようだ。

「……仕方ないわね。切り札ひとつ、切りましょうか」

 リムは言いながらコンソールを操作した。

 背中に背負った装甲コンテナが分離して地面に落ちた。

 そしてコンテナが展開すると、中に武器や機体パーツが納められているのが見えた。さらに数体のファクトリードロイドがひょっこり顔を出す。

「さあ、みんな頼むわよ」

 リムはそう言ってファクトリードロイド達をダイレクトコントロールで動かし始めた。

 ファクトリードロイド達はサンダーボルトとコンテナをちょこまかとせわしなく往復し、みるみる機体を修復していく。

 戦場での機体修復。

 本来ならベースキャリアなどが無ければ出来ないそれを、リムはメックスミスのドロイドコントロールによって可能にしていた。

 だがそれとて限界はある。どこまでいっても野外修理は応急修理レベルでしかないのだ。

 それでもメックスミスのリムが行えば、かなり修復はできる。

「……装甲は九割、機体機能は八割まで回復……なんとかいけるわね」

 アーマーリペアや関節部品などで応急修理を素早く終えてリムは機体の再チェックをした。

 関節部は一応可動レベルになったが、フレームの歪みなどはどうにもならない。

 機体挙動の方で動作プログラムによる補正をかけてなんとかというレベルだ。

 また、足部バランサーシステムは完全にイカれていたため、機能を殺して通常の爪先状態にしてある。

「……んー、やっぱり足部バランサーの耐久力は課題ね」

 可動部が多い構造上、足部バランサーの耐久性はリムが一番頭を悩ませている問題だ。

「ま、それは終わってから考えましょ。今はっ!」


 サンダーボルトが再び動き出す。

 コンテナボックスに格納してあった武装を引き出して装備させると、リムはドロイド達に見送られながら機体を前進させ始めた。




 リムが修理をしている間、敵も座して待っていたわけではなかった。

 あれだけのミサイルを受けてなお砲台は健在だ。

 だが、突撃してくる三機のGSも無視は出来ない。

 グレネードキャノン砲台はNPCによる操作らしく、後方のサンダーボルトより接近中の三機を脅威とみなす。

 次弾装填を終えた一基のグレネードキャノンが、三機を狙おうと砲台を動かした。

 これに対して黄金のGSが反応する。『させるかあっ! スパイラルパンチャーっ!!』

 外部スピーカーから大音量で響いたレオンの叫びに応じるように、ゴルディレオンが滑走しながら右腕を振りかぶった。

 すると肘から先が高速回転し始めた。

 そして、ストレートパンチを打ち込むように突き出すと、肘先が分離してロケット噴射する。

 高速回転する下腕部は弾丸のように飛翔してグレネードキャノンに向かった。

 その攻撃を見て、アレクはぽかんとなった。

「ロ、ロケットパンチ?」

『あー、気にすんな』

 ぽつりと呟いたアレクに、アサクラが苦笑しながら答えた。

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